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2008年9月18日 (木)

五十嵐敬喜「憲法改正論」に脱帽

■フクダさんの前のアベちゃんが「戦後レジームから脱却」とかで「憲法改正」を高々と掲げ、現にその手続法である「国民投票法」を成立させたのが昨年の5月だったということさえすっかり忘れられていますよね。その頃のアベちゃんは大仕事をやり遂げた充実感でとても元気だったかもね。それはともかく、例のポスト福田の自民総裁選でもそうですが、すっかり憲法改正なんて政治の舞台の蚊帳の外になっていますよね。小泉改革の結果(?)としての「格差」や「消えた年金」を頂点とした年金医療不安そして不況など生活に直結するテーマの方が優先だろーというワケですよね。

■そんな政治の舞台から消え、誰も言わなくなった「憲法(改正問題)」をたぐり寄せようとしているのは「市民自治の憲法理論」(松下圭一)を暇つぶしに読んでいたことと、ピースボートでの出来事(情報公開・表現の自由否定の船内生活と「9条を世界に広めよう」護憲運動への疑問)がきっかけでした。ワタシラ(地方6団体)は地方分権改革こそがこの国の持続可能な発展の必須課題であり、分権型社会こそ「国民に夢と希望をもたらす新しい国のかたち」だと言って来た(平成18年新地方分権構想検討委員会・通称「神野委員会」)。

■だから国のかたちを定める「憲法」とその改正論議にも大いにコミットすべきなのだが、とかく地方分権がどこまで議論されているかという観点にとどまっていた。(それは改憲VS護憲の政治(政党)対立に巻き込まれたくないというギョーカイ的政治判断でもあった?)しかし、そういう消極的な態度では分権型社会(と国のかたち)のイメージも曖昧なままであり、国民に熱気を持って迎えられる分権改革運動にならないことを知らしめてくれたのが、五十嵐敬喜の「憲法改正論」だった。

■ご存知のように憲法改正論議が政治日程に上ってきたのが2000年の国会憲法調査会設置からであり2005年最終報告書(衆参)議決そして2007年改正手続法可決であった。これに対応して法大教授五十嵐敬喜は大学院「立法研究会」等を足場に2002年『市民の憲法』2005年『憲法改正論』2007年『国民がつくる憲法』を発刊して「改憲派」「護憲派」とも違う「憲法修正案」による「論憲」を世に問うたのだった。それは高野孟(インサイダー)との「市民版・憲法調査会」運動と連動した動きだった。ちょうど多摩の自由民権運動が「五日市憲法草案」を提起したように、市民(国民)にこそ憲法(改正)提案・制定権があるという発想からだった。

■憲法制定権力は本来国民にあるなら、ナゼ発案権が衆議院100名、参議院50名の議員(国民投票法)なのだ。「議会は憲法によって設けられた一機関に過ぎない。その議会が憲法をつくる(変える)ことができる理論的にはクーデターにも匹敵する越権行為ということになる。それでは誰が憲法をつくることができるのか、それは権力の最高保持者である国民に他ならない」さらに与野党伯仲の政治状況と国会発議の三分の二条項が改正論議を妥協的限定的にしている。だから「超国家」のEU憲法の時代に一国ナショナリズム発想しか出てこない。これが「囚われの憲法改正論」である。

■五十嵐さん達の議論は実に壮大であり明快だ。「アジア憲法構想」では、戦争をなくす道は国家の壁を取り除くことであり、「国家主権の超国家への委譲」(グローバル化は避けられない)と同時にEUがそうであるように「補完性の原理により地域への国家主権の委譲」が進む(これは松下圭一の「分節政治」に対応している)。「大統領制」「国民投票」について「二十一世紀の憲法は、ギリシャの直接民主主義から近代の間接民主主義、そして再び現代の直接民主主義へという2000年来の巨大な変化に対応するものでなければならない」との認識に基づいている。とにかく一度お読みいただくことをお薦めします。次はゆっくり『国民がつくる憲法』を読む。

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■こまえ地方自治講座(第6回)

■「分権改革委員会・第一次勧告を読む」
今年5月28日に政府に提出された勧告(40頁)の副題は~生活者の視点に立つ「地方政府」の確立~であり、「主として基礎自治体である市町村の自治権の拡充をはかる諸方策について勧告した」ものと云われている。今後「分権推進計画」策定にあたり、自公(民主党?)政権が官僚・族議員の抵抗を押さえてどこまで勧告を尊重するかはともかく、分権改革という「革命」が見えてないと地方自治の制度設計を誤ることになる。

■日時 9月27日(土)午後2時~5時             
■会場 中央公民館第2会議室
■連絡先 市民自治研究会 
狛江市岩戸南4-27-8清水信之03(3480)0306
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2008年09月18日(木)20:48

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