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2008年9月17日 (水)

「八百長と学芸会からの脱出」は如何に?

■9月16日(火)久しぶりに市議会を一日傍聴した。一般質問の最終日、道下勇議員(公明)正木清議員(民主)河西かず議員(民主)市原広子議員(社民)の4名が各持ち時間80分を使って矢野市長(と職員)にディベートを挑んでいた。与党・共産党の諸要求請負・市長擁護質問が面白くないことは自明だし、「準オール与党化」の最大会派・自民(明政)の質問も時間を割いて聞く気になれない。その中で偶然だがこの4人の議員は現在の狛江市議会の中では「野党的」質問が出来るメンバーである。

■「八百長と学芸会の地方議会」を何とかしなくては地方分権はやって来ないと言ったのは前・鳥取県知事の片山善博(現・地方制度調査会副会長)だが、少なくとも4人とも質問・答弁原稿棒読みの「八百長」ではない。しかし、片山の指摘の本質は「しょせん行政運営の脇役でしかなかった」(第二次町村議会活性化研究会)という首長制型地方自治制度における「インチキ・二元代表制」に由来しているのであり、「議会制民主主義」なのに「長の権限過剰」(議会召集権や解散権をはじめ)だから抑制均衡が働かないという根本命題を自覚しないと、いつも質問後の歯軋りを繰り返すことになるのよね。

■だから4人が束になっても勝てないのは「ベテラン矢野市長のディベート力」なんて自虐的に考えることはないよって言いたいワケだけど、もう少し正確に「活性化研究会」の提言を読むと「日本では、近代国家の出発点から自治体が国家統治の末端機構として成立し、国家の行政の担い手である長が主体で住民は統治の客体でしかなく、住民の代表たる議会も『しょせん行政運営の脇役でしかなかった』。」とあります。(だから根本的な議会改革と市民自治の設計図が求められている)ここを是非噛み締めてほしいと思う今日この頃です。

■市原議員が「市役所の市民化」というテーマにこだわって、公共サービスの供給主体としての中間組織を(どう育てるか)問題とした。下条村の地域協議会の「地域内分権」の取り組みや市民活動支援センター設置に関連してNPO・市民活動をどう発展させるか、補助金改革とNPO支援の関係はどう考えるか、さらには矢祭町のスタンプ券納税など「地域通貨」や地域循環経済・産業政策とNPOの資金環境をどう考えるかなど。例によって広角打法だから焦点が定まらないきらいがあるが、「市民協働」政策にヒントを与える質問だった。

■しかし、意欲は伝わるけどそもそも「市役所の市民化」の拠って立つ「新しい公共空間」の制度設計がトータルにビジョンとして発信出来ていないから、「(財政再建)アクションプラン」の(それ自体全然中途半端な)アウトソーシングと「市民参加・協働条例」の同床異夢というか、理念の混乱が起きていることに思いを馳せてほしい。前にも言ったけど「行政から公共を剥ぎ取る」(富野暉一郎)荒々しい道程が「公共空間の再設計」であり、「市民活動支援センター」(私は公益活動センターと呼びたい)もその(自立)拠点でなければ、「行政の下請け化」の現状を超えられないと懸念している。

■市原議員と同じ一期生の女性議員・河西かず議員は、徹頭徹尾財政問題にこだわり、問題先送り・矢野市政追及で野党色全開が小気味よい。市長の公約(6つのビジョンと4つのゼロ)に噛み付いていた。そもそも保育政策(待機児ゼロ)も駅前自転車対策(放置自転車ゼロ)も図書館蔵書数(新図書館建設)も多摩で最悪の行政水準に低下させてきた責任はどこにあるかという質問はまさにそのとおりだ。また松原学童保育所・借地期限切れに伴うその地下につくった「防火貯水槽」(60t)の撤去費そして同規模の新設費約2千万円のムダを突いた質問も「有効」だったね。

■「民主」の先輩・正木議員の質問スタイルはこれも一貫していて、評価は分かれるが職員が最も嫌がるツッコミの出来る議員である。この日は正木議員らしい市長選総括の場だった。(6月)市長選・矢野マニフェストを取り上げて、その財源が示されなかったのは現職市長だった候補者として如何なものかとせまり、次に選管委員長を議場に呼び出してその市長選のあり方に公選法違反の疑いなかったかと追及をした。矢野陣営の「ノボリ旗」「夜間の駅頭動員」さらには読売新聞も取り上げた「選挙公費負担の怪」で一日400km走行したことになっているガソリン代請求の件や、「選挙収支報告書」記載に市の請負業者からの寄付や公職者の寄付があった件で選管としての「是正(勧告)」の対応を糾した。

■正木スタイルだからしょうがないけど、市長選挙の総括をするのだったら、矢野マニフェストの現状追認・美辞麗句に対して、伊藤マニフェストの「400人へ市役所解体再構築」や「外郭団体への天下り廃止」「市民教育委員会設置」などの骨太改革の是非を巡って矢野市長と正面対決してほしかったけどね。さらには「市民参加の矢野市政」の周回遅れと決別して「地方政府」(地方分権改革推進委員会)をたぐり寄せる「自治基本条例」論議へ議会(野党)はナゼ挑戦しないのかと思う。せっかく来年度にせまった「総合基本計画」改定時に20年後(10年後)の地方政府の姿に向けた改革論議のチャンスなのに、このままでは「絵に書いた餅・基本計画」になる可能性が大なのを危惧している。小安引退後の論客道下議員の質問は途中からだったので省くがやはり対立軸が見えない。以上雑感でした。

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■こまえ地方自治講座(第6回)
■「分権改革委員会・第一次勧告を読む」
今年5月28日に政府に提出された勧告(40頁)の副題は~生活者の視点に立つ「地方政府」の確立~であり、「主として基礎自治体である市町村の自治権の拡充をはかる諸方策について勧告した」ものと云われている。今後「分権推進計画」策定にあたり、自公(民主党?)政権が官僚・族議員の抵抗を押さえてどこまで勧告を尊重するかはともかく、分権改革という「革命」が見えてないと地方自治の制度設計を誤ることになる。
■日時 9月27日(土)午後2時~5時             
■会場 中央公民館第2会議室
■連絡先 市民自治研究会 
狛江市岩戸南4-27-8清水信之03(3480)0306
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2008年09月17日(水)10:49

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コメント

>一日400km走行したことになっているガソリン代請求の件

狛江は全国に先駆けて(?) 選挙カーを全廃すべきだ。
フラットで狭い市域にこんなものが必要なのか?
寝てる赤子や夜勤明けの人の迷惑をかけるな!

投稿: 七色亭撫肩 | 2010年11月10日 (水) 21時02分

>(清水委員) 三角地には、障がい者団体のアンテナショップ等が入る複合施設が建設されると市報の記事で見た。支援センターはその一部となる。大きな施設は望めない。最終報告では面積は500㎡必要ということで、中央公民館に併設し、社会教育との融合も含め、より効果的であるということが制度設計だったと思う。三角地新設となると、最終報告のイメージと変わって、縮小してしまったように思うが。

…申し訳ありませんでした。読み込みがたりませんでした。お詫びします。


投稿: 7色亭撫肩 | 2011年7月 6日 (水) 21時07分

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