« 「ピースボート」と憲法感覚 | トップページ | 再開「地方自治講座」 »

2008年9月 2日 (火)

「教員採用汚職」考

■新学期を向かえた大分県下の贈収賄で懲戒免職や採用取り消しの先生を抱える小中学校の不安な表情をマスコミが追っていた。「教員世襲制」や「教員ムラ社会」って呼ばれる閉鎖体質は大分県に限らないから今後、例の高校の歴史未履修問題のように全国規模で問題が拡がるのは必至と見てますが、皆様はどう見ていますか?

■イジメ自殺事件への対応など、これまでも盛んにキョーイク委員会の無責任体質が指摘されてきましたが、まさに教育委員会幹部ぐるみの採用・昇任の不正(贈収賄)とは開いた口が塞がらない。「戦後最大の教育汚職」であり、まさに教育委員会制度自体を揺るがす事件である。

■問題の核心はどこにあるか?採用・昇任試験の密室性や馴れ合い体質やら教育委員のチェック機能不在を嘆いても事態はなんら変わらない。前から言っているように「教員人事権」や給与財源を含む権限が国や都道府県に集権されていることこそ問題の背景なのである。つまり本来市町村立学校の職員でありながら、人事(採用・昇任・異動)・給料を県に握られ、地域住民や保護者の目が届かないから透明性が確保できないのだ。

■「教育再生」の名の下で行われた教育基本法改正や教育再生関連3法による「再集権化」(中央集権化)の足元でこの事態が起きているのも不思議ではない。管理統制(文科省円筒行政の支社が県教委、出張所が市町村教委)を強化すればするほど、上だけを見て住民から遊離し自己責任の空洞化が進むだけである。

■5月の地方分権改革推進委員会の第一次勧告(生活者の視点に立つ地方政府の確立)でも教員人事権の市町村への移譲が打ち出されている。補完性の原理(教育・福祉・まちづくりの3点セットを基礎自治体の政策決定に委ねる)は地方分権改革の基本原則の筆頭であることも掲げている。この秋(?)の最終勧告を受け、来年度中には「地方分権推進計画」(と新分権一括法)が策定される運びだ。

■突然の福田政権崩壊で先行き不透明になりつつあるけど、「教育分権」を含めて地方分権改革こそ我が自治体のみならず、この国の生き残りをかけた避けられない構造改革であることを先ずは理解することから「地方政府」への第一歩が始まると考える。近いうちにこの「第一次勧告」の読み合わせなどを手がかりに「地方自治講座」を再開したいと考えている今日この頃でした。
2008年09月02日(火)10:37

|

« 「ピースボート」と憲法感覚 | トップページ | 再開「地方自治講座」 »

地方分権改革」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「教員採用汚職」考:

« 「ピースボート」と憲法感覚 | トップページ | 再開「地方自治講座」 »