« 地域貢献する社長達 | トップページ | 要綱もない?コミバス見切り発車 »

2008年10月26日 (日)

市民の政府は遠く

■10月25日、土曜の午前中という時間帯という設定は少しムリがあるかもしれないがおしゃべりサロン風・地方自治講座(第7回)に6人が出席した。実は「参加フリー」なので当日にならないとどんなメンバーが揃うかまったくわからない。昨日も初参加で政治的指向性もそれぞれの2名だったが、久しぶりの出会いということもあり、大いに語りあいアッという間の2時間半だった。

■テーマとしては「狛江市の組織・仕事の棚卸しに挑戦」であり、「組織定数一覧表」「事務事業評価対象事業一覧」「志木市地方自立計画・対象業務分類一覧表」「地方自治自立へのシナリオ(抜粋)」を眺めながら、21年度中の「新地方分権一括法」をにらんで我が狛江市の「小さくとも大きな役割を果たせる地方政府」へのアプローチ(のはず)だったが、個別の業務の仕分け(廃止・民間開放etc)に入る前に、「お役所仕事」談議とか、そもそも業務量を定量的に測れるか等々の議論があったりで、入り口論に時間が割かれてしまった。

■さらに(これこそ地方分権改革の目的でもあるのだが)そもそも市役所改革の前提として行政情報提供(開示)の不充分さこそ大いに問題とすべきであるとの意見があった。それが結果的に『市民の声』が届かない感、政策決定関与の充足感が満たされず狛江市政へのフラストレーションにつながっているというのである。その一例として「コミニュティバス問題」が取り上げられた。福祉バス(みどり号)の廃止を前提としたコミバス導入を危惧する障害者団体や高齢者市民への説明責任が果たされないまま、この11月文字通り「見切り発車」するらしい。参加者のYさんは相当怒っていた。

■そのコミバス問題を後で少し考えてみた。市原ブログでも「コミバス導入の仕掛けである『地域公共交通会議』というツールを使いこなせない狛江市政に落胆」の様子が書いてあった。公明議員の6月質問では福祉バス廃止前提でよいのかとの議論があったし9月議会では6人が質問したという。この夏不在のため事態をつかめていなかったこの問題、実は高齢化でニーズの高まるワタシラNPOの「福祉有償運送」の新制度化とコミニティーバス導入促進を目玉とする「改正道路運送法」(06年)の枠組みへの理解が前提に必要だ。

■つまり、これまで道路運送法が主にバス・タクシーの事業者を国が監督する(場合によって事業者の既得権益を保護する)仕組みだったことから、先行実験の武蔵野市ムーバスなどの挑戦などにより、地域レベルの公共交通のあり方を地方自治体の権限(政策)になるべく委ねていこうとする分権改革の文脈から出てきた制度改革なのである。つまり地域の移動困難者の実情等地域交通の現実に国の法制度(官僚まかせ)がついていけなくなったからである。ところで私的にはSTS(スペシャルトランスポートサービス)を含めて市町村も「交通政策」を持たなければならないならない時代ですよねと言い続けてきた。これって(守備範囲が広がる)「大きな政府」へという改革論のハナシと考えておく必要があるよね。

■一応そのように改正道路運送法を評価するも、実はバス・タクシー業界の権益と監督官庁(国土交通省)の手放したくない権限は残っていて、ワタシラ福祉有償運送も公認はされたけど自由度が狭まり利用者の利便性は逆に低くなったりでナンじゃコリャとその問題解決への政策開発が問われていたりしている。このコミバス導入の仕掛け(?)の「地域公共交通会議」も運輸局・警察・バス会社等が入って、言わば事前協議がなされ、スムーズに導入(許可)が可能となった反面、7月から9月のたった4回の議論であり、なおかつ狛江市は国交省マニュアルどおりの会議構成で、福祉バス廃止という個別事情を無視して肝心な障害者施設利用者(団体)や福祉有償運送NPO等を排除してしまう誤りを犯したのである。そこが「紛糾」の背景ではないかと思う。

■つまり、コミバス導入の前提の「交通会議」は、地域の福祉輸送(施設送迎)を含めて公共交通のあり方をトータルに考えた上で、コミバスの位置づけ・その業者選定・運行計画を決めようねというものでなければ単なるアリバイ会議でしかないのである。市原ブログが言うように「小田急バスありきでなく」自由度の高い『市町村運営有償運送』という選択もないわけではなかったのだから。結局、自前の交通政策を持とうという分権改革発想のないまま形式だけの(しかしそこが決定する)「交通会議」でコミバス導入の市民合意(説明会は文字通り形式)とした我が役所シゴトのなせる業ですかね。もう一つは議会も年度予算成立の後で手出しができないのは如何なものか。コミバス見切り発車に指を加えて見ているだけでいいのか?上位法があるから「条例」制定は必要ないとの認識だったら、これも分権改革の受け皿になれない可愛そうな役立たずの議会だよね。
2008年10月26日(日)18:21

|

« 地域貢献する社長達 | トップページ | 要綱もない?コミバス見切り発車 »

こまえ地方自治講座」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 市民の政府は遠く:

« 地域貢献する社長達 | トップページ | 要綱もない?コミバス見切り発車 »