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2008年12月

2008年12月13日 (土)

公共施設再編と「地方政府」の時代

■今日、土曜日午前の「地方自治講座」では「公共施設再編方針策定委員会」からK委員をお招きして、議論の枠組みや4回までの委員会の様子をお聞きして問題のありかを探った。テーマが具体的なまちづくりなので興味をそそったのか、年末にも関わらず現職市議の3名を含めて10名の参加を得た。

■策定委員会の議論は「公民連携論」の第一人者「公民連携推進協会」代表の根本祐二東洋大教授を委員長として、副委員長に中央大学大学院公共政策研究科の細野助博教授という専門家の下に、市内の福祉・建設環境・社会教育・保育の現場から指名された委員に加えて5名の公募委員で構成されている。年度内6回(あと2回)の委員会で「方針案」を上げる予定だが、到底「ゼロベースからの議論」の着地が間に合うとは思えないので自主的勉強会を精力的に進めているとのことである。

■今日までの議論の大勢では、①市財政の制約を充分考慮すること、②選択と集中を進める(施設の廃止や統廃合・複合利用も考える)、③耐震化など市民の安全・安心を優先するなどの議論状況になっているとのことだが、さらに従前の市の再編計画(まちづくりプラン)では前提になっていた公有地売却(学校跡地・南口自転車撤去保管場など)に対しても否定的な意見が大勢を占めているとのことでした。

■前にも書いたが、全体約80億円の施設計画の内50億円を売却財源で手当てする計画だったから、売却ありきとしないとなれば大幅な「まちづくりプラン」の見直しは避けられないことになる。同プランの事実上のお蔵入りとのイメージさえ出てくることになる。とりわけ30億円の新図書館計画の大幅修正は避けられないことになるが、それも前回書いておいた。

■参加者からの議論では、(これも前から言っているように)10年~20年スパンのまちづくりのビジョンが示されなければ策定に当たっての(施設の選択と集中にあたっての)「判断基準」が定まらないではないかということを踏まえて、高齢化による公共サービス需要拡大と一方における生産者人口減少による財政縮小時代を迎え撃つには、コミニティの再生(による地域福祉力)は欠かせない。そのため施設の地域「分散拠点」化の発想も集中・統合の一方で(一見矛盾だけど)必要だよね、そのためにも、コミニティスクールなど学校を「地域のヘソ」としてその資源の有効活用は必至だよねといったハナシに花が咲いた。云わば「協働型社会」への作り変えといった理念からのアプローチである。

■あとでツラツラ考えた。10年~20年先のまちの姿を想像してみようよというとき欠かせないのが、来年制定予定の「新地方分権一括法」による「分権型社会」のイメージなんですよね。そこが見えていないと単純な財政縮小による公共からの撤退(施設の廃止)だけが前面化して「夢のない」まちづくり計画になってしまうのですよね。そうじゃなくて「地方政府の時代」と分権改革推進委員会が力説しているように、地方へ権限・財源と共に仕事も移ってくるのですよね。それって例えばみんなが「ナンとかなんないの」と思っている学校施設の有効活用の壁を取り払い、地域の実情で福祉やコミニティとの複合活用が出来るようになるっていう世界ですよね。本来の市町村の学校を人事・予算を含めて取り戻す「教育分権」とセットでね。また協働型社会の核心であるNPOの認可事務移転と同時に育成策が可能になるし、介護施設の認可・介護事業者の監督だって都道府県から移れば自前の介護・福祉基盤整備が目指せるのですよね。

■まちづくり(都市計画改定等)の自由度も増し、マンションの街になりつつある狛江の「住宅都市」をどうするのかビジョンも描けるし、建築確認事務も市がやらないでナニが「住宅都市」かっていうハナシも出てくるし、道路法の不自由さでオープンカフェがなかなか進まない道路管理権限も公安委員会管理から自治体に移ろうとしているのですよね。ハタマタ「水と緑の住宅都市」=ベットタウンでは、まちの活気は生まれないと「基本構想改定」でハラをくくれば地場産業育成に市が本格的に乗り出すことは可能になりますよね。

■もっともそういう分権型社会はお口を開けていれば飛び込んでくるのではなく、猪瀬直樹さん達分権委員会と官僚・族議員が熾烈な戦いをやっているように、ヒモ付き補助金に縛られている公共施設の有効活用を所管省庁とケンカを覚悟で実力行使する気概がなければ改革はやってこない(新藤宗幸)のですよね。ですからもうすぐやってこようとしている分権型社会をベースに公共サービス(シビルミニマム)とその箱物機能(公共施設)を考えることはどうしても不可欠ではないかと思う今日この頃でした。(その日の午後の公共施設ワークショップにもお付き合いしました。最後になってようやく20人ほどが集まって喧々諤々やってました。私からは「新しい公共空間」の再設計が前提の議論ですよねと一言いっておきました)
2008年12月20日(土)19:31

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2008年12月10日 (水)

「第9回こまえ地方自治講座」のご案内

迷走し、政権の崩壊すら予感させる麻生政権ですが、一刻も早い解散・総選挙が待たれる今日この頃です。皆様如何お過ごしでしょうか。

さて前回11月の講座では「狛江市まなび講座」を活用して狛江市企画財政部政策室から講師を派遣していただき「地方分権」をテーマとしました。明治維新・戦後改革に次ぐ第三の革命と言われる地方分権改革はどこまで進んでいるか、2000年地方分権一括法の目玉と言われる「機関委任事務の廃止」ってナンのこと?とか、二重行政の見直しとは具体的にどのような業務を指すのだろうか?とか、道州制に関連して、小さな狛江市は合併せずに生き残れるのだろうか?などの疑問も出されました。

さて、12月20日の第9回講座では、今争点となっている「公共施設再編方針策定」論議にメスを入れてみたいと思います。財政難から新図書館建設や駅前三角地整備、そして中学校統廃合も進んでいません。公共施設再配置にあたっては狛江市の将来像(まちづくり)をどうするかと言う問題にも突き当たります。
そこで「狛江市公共施設再編方針策定委員会」の市民委員の方をお招きして議論の状況、今後の見通しなどをお聞きしたいと思います。

ぜひ皆様ふるってご参加くださいますようご案内致します。


■第9回地方自治講座
■「どうする?公共施設再編方針」(講師・策定委員)
■日時 12月20日(土)午前9時半~12時
■会場 中央公民館 第1会議室

★今後の講座の予定は以下の日程です。
1月31日(土)午前9時半~(第1会議室)
2月14日(土)午前9時半~(第2会議室)

★連絡先 清水信之  狛江市岩戸南4-27-8
℡03-3480-0306  市民自治研究会
2008年12月10日(水)08:10

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2008年12月 7日 (日)

新図書館建設は凍結か?

■6日の土曜の午後、第二回公共施設再編ワークショップに参加した。前回、参加市民の少なさ・関心のなさを嘆いたが、第二回目はさらに縮小し、わずか6名(その内現職市議が3人)というのは一体どうしたことだろう?このまちの「市民参加条例」はもはや死文化してしまったのだろうか?でも同席した策定委員会の市民委員(5~6名)との文字通り膝を付き合わせた議論は前回に引き続き大いに興味深かった。

■相変わらず深刻な財政状況(三多摩ワースト1)の中で、水道局用地スポーツ公園化を軸とした平成15年施設計画が破綻し、平成18年に改定するも、事実上二年間凍結・先送りしてきた公共施設再編計画を再び動かすために策定市民委員会を立ち上げ、その一環としてのワークショップ(自由参加)がそれであることは前回書いた。それにしても財政好調時なら箱物計画は首長等の手柄話・打ち上げ花火となるが、財政縮小時代の施設再編統廃合計画では市民利害の激突も明らかであり、火中の栗を拾いたくないのでしょうね。争点や選択肢を明らかにして市民に判断を求めるのでなければ「丸投げ」批判は避けられないとふと思うのですが・・・。

■そこからが実は面白いのだけど、丸投げされた?市民委員達は、それならアリバイ・ガス抜き委員会を返上して、白紙からの計画づくりに挑戦してやろうじゃないかと自主的な勉強会も開催しながら「そもそもオオヤケ(公)がやらなければならない施設(サービス)の範囲ってナンなんだ」ってところからトコトン議論を始めているのである。お分かりの方は少ないでしょうが、狛江市の当面する施設問題は「中学校統廃合」(第三中学校の旧第四小跡地への移転と、その後の第一中学校・第四中学校の統合?)と市長公約の「新図書館建設」(第三中跡地)が(それぞれ約30億円を投入する)中心的課題です。その他、老朽化著しい岩戸地域センターの建替え、学童保育所の再編、市民活動(NPO)支援センターなどが日程に上っています。

■これまでの市の施設計画ではそれらの財源として、旧第七小学校跡地売却、移転後の第四中学校の売却、そして狛江駅南口の自転車撤去保管場所の売却などで約50億円を手当てしようとするものでした。しかし、市民世論には、狭い狛江の貴重な公有地(空地)をなくしてホントにいいのか?という声は決して少なくありません。現に市民グランド売却(その財源で水道局用地にスポーツ公園)は圧倒的な反対論でつぶれたのです。そのことから考えると公有地売却は相当ハードルが高い選択と考えられます。

■ではドーするか?そうです新図書館建設は再考せざるを得ないのではないでしょうか?とまあ、そう単純なハナシで落ちるかどうかは別にして、現に「現図書館の3倍の4800㎡は本当に必要なのか」「趣味・娯楽の範囲まで公がやる時代じゃないのではないか」と大いにラディカルな議論が交わされているのです。そうです。20年後の平成32年には狛江市の人口予測は約8万人と変化がなくとも、老年人口は10ポイント上昇し、生産年齢(納税)人口は逆に10ポイント近く下がるのです(平成12年比較)。明らかに財政縮小時代への突入を踏まえなければならないのです。そして、まさに高度成長時代のシビルミニマムの再定義、新しい公共空間の設計という幅の広い議論も踏まえて「オオヤケの施設」論議を深める必要があるのですよね。
2008年12月07日(日)16:30

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2008年12月 2日 (火)

まなび講座&公共施設ワークショップ

■11月29日(土)の午前は「まなび講座」(第8回自治講座)午後は「公共施設再編方針策定委員会主催ワークショップ」への参加で忙しい一日だった。まなび講座では「地方分権」という大きなテーマを狛江市政策室のH室長を招いて学習した。土曜の午前という時間帯ではあったけど、6名が参加した。「地方分権」をテーマとしたまなび講座は初めてであり、現政府の取り組みなど最新情報も盛り込み、レジュメ13ページと山盛り過ぎて1時間ではとても収まりきれなかったが、狛江市の企画部門を長くリードしてきた室長の現場の実感を含めて、率直な意見交換は今後の市民と職員の改革論議の可能性を感じさせた。

■講座は、「明治維新・戦後改革に続く、第3の改革といわれる2000年地方分権一括法を始めとする地方分権改革」など歴史的な意味から始まり、その分権一括法の理解、三位一体改革、道州制論議、地方分権改革推進会議勧告内容(平成20年5月)まで多岐に及んだ。参加者からの質疑で、一括法の目玉「機関委任事務廃止」で国の出先から対等の(地方)政府に変わったと言われる『機関委任事務』ってそもそもナーニ?っていうハナシや、地方分権のメリットである「二重行政(の解消)」って具体的にどんな自治体の仕事を指すの?とか、例の「定額給付金」が「自治事務」なら狛江市は拒否することもできるの?(国庫金の分配なのに自治事務って意味ワカンネー)などハナシは広がっていったけどそんな疑問が充分解消したかというと少し消化不良だったかもしれない。

■疑問と言えば、道州制のハナシを含めて、「狛江は合併せずに生き残れるのか?(すでに自治体間競争の敗者になってはしないか?)」や、「スリムな市役所づくりと(分権による)行政範囲の拡大という二重苦の改革は進むのか?」といった根源的な疑問の解消のハナシまでは届かなかった2時間だったけど、清水からは来年度中の「新地方分権一括法」制定で「地方政府」のカタチが大きく変わるとすれば、同じく来年度中に改定予定の狛江市のグランドデザイン=基本構想(総合計画)策定作業はその整合性をどこまで意識して進められるか?というテーマも宿題として提起させて頂いた。

■12月20日(土)予定の次回地方自治講座のテーマ設定と事務局機能などの意見交換をしてその日は解散したが、昼食後ブラリ立ち寄ってみたのが、市役所で行われた「公共施設再編方針・市民ワークショップ」の会場だった。傍聴程度の気分だったけど結局ワークショップに参加させられたのは参加市民の少なさ(10人程度)からだった。本来だったら学校統廃合や保育園、公民館、図書館などの将来像に大きく影響する施設再編計画論議に注目が集まらないはずが無いと思うのだが・・・。

■では、なぜ市民の関心度が低いのだろうか?平成15年の「まちづくり総合プラン」(公共施設再編計画)の目玉であった市民グランド売却費で水道局用地を買収する(スポーツ公園化)計画(清水だけが議会で反対してきた)が市民グランド売却反対運動で頓挫し、その改訂版の「まちづくり総合プラン」(18年)では財政難で2年間同プランの凍結・先送りを宣言してきた。つまりこの曰く付きの施設再編方針の再々度の策定を市民に丸投げされても、しかも半年・5回程度の策定委員会の議論ではおよそ荷が重過ぎるのである。そして結局は学識やコンサルの絵を追認せざるをえない(事務局主導の)「アリバイ審議会」が見えているからではないだろうか?

■と悪口を書いたが、ワークショップに同席した公募市民策定委員は殊の外意気軒昂だったので当日の議論は面白かった。上位政策にこだわらず、白紙からの議論をとのことだった。そこで私からも「『保育園民営化』は新しい公共空間(民間やNPOに担ってもらう)とスリムな市役所づくりの必須アイテムではないか、その議論を抜きに公共施設・公共サービスの再編成はありえない」「来年度には狛江市のグランドデザインの総合計画改定の市民議論が予定されている。その前に公共施設だけの再編議論が先行するワケでその整合性はどう担保されるのでしょうかねえ」と。そんなワケで、私のテーブルでは保育園民営化派VS反対派、図書館民営化派VS反対派の両論が出て興味深かった。 

■数日前(11月27日)にようやく市HPの「会議録の公開」で「公共施設再編方針策定委員会」の9月と10月分までの議事録がアップされていたので見たが、平成21年度からの10年をスパンとした再編プランであること、21年度策定の「総合計画」に反映させることなどが事務局から提起されていた。注目は、委員の議論を経て旧「まちづくりプラン」を踏襲するものではなく白紙の議論とすること、市長公約にも縛られないとすることなど策定委員のポリシーが垣間見られる。そして、年間40億円の維持管理コストと1,5億円の赤字解消を命題とする財政問題を前提に、耐震化等市民の安心安全を最優先するとの観点から新図書館建設への懐疑や市民活動・生涯学習施設(公民館・地域センターなど)の統廃合、テニスコート廃止論など突っ込んだ議論がされていた。それにしても議事録でも発言があったが、まちづくりの将来像・グランドデザインを抜きに、施設(箱物)計画を短期間に策定するのは如何にも無理がありますよね。ウム、ともかく次回のワークショップにはもっと多くの市民の参加が欲しいですよね。(12月6日と20日)
2008年12月02日(火)13:14

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