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2009年2月

2009年2月25日 (水)

議決権拡大は禁断の果実?

■基本構想(基本計画)策定を審議する狛江市総合基本計画審議会の4名の市民公募委員の1人としてトホホな気分を吐露してきた。その第2回審議会が3月3日(火)夜7時より開催されるにあたってもう少し考えてみたい。20年ぶりのまちづくりの憲法(最高規範)改定というのにこのままのスケジュールでは事実上市民不在のまま終わることへの疑問と、しからば議会でしっかり揉んで貰おうと考えるも、“理念分野”の基本構想(20年後の将来像)だけの議決(6月議会上程予定)だけで、“政策分野”の(前期)基本計画(5年計画)はその後、半年足らずの市民参加で作業終了、議会は一切関与できないこととなる。こんなことで良いのですか?特に3月議会直前で質問通告締め切り真近の市議のみなさんに問いたいと思う今日この頃です。

■「基本構想」と「基本計画」のつくり方はもちろん自由であり、20年構想10年計画のパターンもあれば10年構想10年計画もあり、名称も長期計画や総合計画等様々で良いことは他の自治体を見ればすぐわかりますよね。狛江市基本構想は平成2年(1990年)に第2次構想として策定されていますが、私もその翌年から市議となったのでその際の議会の対応などは不明です。ところで議員の皆さんは「基本構想」全文を目にしたことがありますか。例規集にあること自体わからない方もいるのではないでしょうか?(かく言う私自身もほとんど無関心でしたから)議員とてこの程度ですから市民の皆さんの関心度が低いことは推して知るべしですよね。

■でもこの基本構想こそ狛江の(都市)政策の最高指針であることは間違いありませんよね。完全に隠れた存在になっている原因は20年も経って時代状況にフィットしていないから読んでもリアリティがなく面白くないということになりますよね。以前から言ってきたのですが「水と緑の住宅都市」なんてメインスローガン自体が(今となっては)どこでもありそうな無個性で、かつ「まちおこし」へ市民を奮い立たせる意気込みが感じられないし、そもそも「住宅都市」なんて現実に都心のベットタウンに違いないけど、そこに甘んじていて良いのでしょうかという疑問は湧きませんか?とまあ、その「構想」本体へのアプローチはこの位にして今日は議会と総合計画(基本構想・基本計画)の関係についての疑問です。

■狛江市議会も一応「議会改革小委員会」を議会運営委員会の下に設置して議論を進めています。各会派が改革のテーマを持ち寄り共通認識に達したものから順次取り組んで行こうとしています。当面「インターネット録画中継」やら「会派代表質問制」やらが話題の中心らしいと聞きます。なにやらノンビリしてますね。それはともかく「議決権の拡大・追加」もある会派から議論の俎上にと提起があったという。詳しくは不明だが3年前の北海道・栗山町議会の「議会基本条例」による『基本構想のみに限定されていた議決権を基本計画・都市計画マスタープラン・住宅マスタープラン・高齢者福祉計画・介護保険事業計画・次世代育成支援計画まで拡げた』先進事例(その後、同種の議会基本条例は全国の自治体議会に波及)を念頭に置いたものと思われる。

■しかし、狛江の市議会・議会改革小委員会ではこの議決権の拡大を「長の権限を侵すことになる」あるいは「行政計画策定に責任を同伴され、その後の計画や施策への議論に縛りが生じないか(自由な議論が出来なくなる恐れ)」として改革テーマから外したと聞く。さて皆様、このことをどう考えたら良いのでしょうか?私は大いに間違いだと思います。議員の皆さんは(もう一度)栗山町議会の改革を学習すべきです。大統領制の自治体で完全に脇役扱いされてきたから「議会不要論」に晒されてきたワケですよね。もっと責任ある仕事をしようよというのが議決権拡大ですよね。だから同じ北海道・白老町議会は「通年議会」といって「長の議会召集権」(首長の都合の良いときだけ議会を開く)を事実上議長に奪い取る改革すらしているのですよね。

■ちなみに栗山町議会では基本構想と総合計画(基本計画)の策定にあたり、議会独自案を提起し、行政側審議会と対話を繰り返し、基本構想・総合計画の議決を主導しました。ナゼ、東京など大都市圏の自治体議会は改革度が低いのだろうか?大都市圏に共通なナショナルパーティーの縄張り争い・代理戦争で議会が占有されているという事情もあるにはあるが・・・。それはそうと、こんな狛江市議会の問題意識状況なので多くは望めませんがせめて基本構想・基本計画策定への市民参加の保障や基本構想・特別委員会設置は取り組んで欲しいと切に願いたいと思う今日この頃でした。
2009年02月25日(水)05:54

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2009年2月16日 (月)

市民不在の基本構想策定

■ポカポカ陽気の日曜日にハンディキャブの運転で多摩川土手沿いを府中・中河原まで行ってきました。途中の郷土の森周辺など梅も満開で気分爽快と思ったのもつかの間、業務終了の途端に目が痒く、咽も渇いて花粉症が始まった今日この頃ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。

■そんなワケで遅れましたが、2月14日(土)の自治講座(参加10名)を振り返ります。前段は「公共施設再編方針」をめぐってでした。2月15日(日)には市報でパブリックコメント募集がありました。この日は「策定委員」の出席がなく詳しくは不明ですが、消化不良のままパブコメの日程に合わせ「報告書案」が出来上がったようです。しかし、市のHPからはその全容が見えるけど市報の「策定委員会中間報告」ではまったく中身がわからないなど、相変わらず下手なパブコメですね。

■前からレポート済みですが、新図書館建設(30億円)が完全に棚上げされたり、中央公民館が廃止され、市民活動センターへ機能移転したり、前計画(18年まちづくりプラン)では平成24年だった第3中学校移転(旧4小)が27年にずれ込んだり、予ねて売却予定だった自転車保管場(狛江駅南口)に保育園新設が、旧7小跡地に特養ホーム誘致が計画されたりと、結構刺激的なハナシが満載なのが具体的な中身なのですよね。アリバイ委員会は拒否するといっていた策定委員会市民委員の皆様もう一ふんばり願いますね。

■「公共施設再編方針」の中身はともかく、これまでの審議会では見られなかった市民委員の奮闘ぶりに注目してきた清水としては、この日次のテーマとした「基本構想改定」に委員として参加した身としてはかなりトホホな気分になっています。この日の参加者からの発言もそれを裏付けていました。ナゼ?市民委員はたった4名で学職委員が8名なの?要するに「基本構想」といった高度な(?)理念論議には市民は無理だから「お飾り」でいいんだよねってカンジかな。これが「市民参加協働条例」を持つ狛江市って言うのだから困ったねなど。

■ところでその市民参加条例も一般論でしかなく、基本構想策定を担う「総合基本計画審議会条例(施行規則)」では「学職8名、市民5名・・」としか書いていない昭和46年製の古い時代のものだったのですよね。だから市民参加条例との整合性やらも含めて今度の「改定への市の方針」を市議会で叩いて欲しかったのですがね。当日も2名の市議に参加していただいてたので「議会の対応」がしばし議論になりました。実は1月29日の総務文教委員会では改定方針の説明があり「この程度の期間で(改定を済まして)良いのか?」といった異議はあったらしいが、なにせその当日夜に第1回審議会が始まってしまったわけだからナントもはや舐められたハナシですよね。

■「まちづくりの憲法」「市政の最高指針」を改定する「基本構想の議決」が本年6月議会に予定されている我が市議会がナニゆえこれほど鈍感なのだろうか?「基本計画・各種行政計画などと違い基本構想って理念的で一般質問になじまない?」それって各論の政策しか質問できない「住民のパイプ役」しか果たせなかった痛恨の夕張市議会と同じハナシだし、財政再建プランに対して国立市議会の「与党」が抵抗勢力に転じてしまうかもしれないという危機感と同じ問題ですよね。

■だから私的には「総合計画10年」として議決案件とし、議会で大いに揉んで貰うべきと初回の審議会で主張したのですがね。行政の市民参加が危ういなら、栗山町議会のように基本計画・都市マスタープラン・福祉計画等の行政計画も議決事項に加えるなど議会の権限拡大が必要だし、最低でも「基本構想特別委員会」など設置して議会の関与を強めるべきですよね。せめて3月議会では議論を開始してほしいですよね。

■それから、現状の狛江市基本構想(水と緑の住宅都市)自体が読んでも面白くない・興味が湧かないってことなら、参考モデルとして400人の市民が作った三鷹市基本構想をご一読あれ。主語が市民になっているし、学職も含めて3年がかりで練った言葉なので響きますよね。当日は加えて「中野区基本構想」の抜粋も話題にしました。狛江市審議会委員長に就任した武藤博巳法大教授がやはり委員長として采配を振るったものです。(平成17年制定)ここでも140人の市民ワークショップなどを経て策定されたものですが、「中野区の将来像・10年後の姿」が明確に示されています。狛江の「進めます」「努めます」の努力目標ではなく「整っています」「実現しています」と政策評価とリンクしたマニフェストになっていますよね。ちなみに同時期に中野区は「区長多選禁止(3期まで)」など「自治基本条例」も議決しているのですね。

■狛江で一向に議論がないのがもう一つ、この自治基本条例なんですが、市民参加協働条例が役に立たないのか使いこなせない市民が悪いのかそろそろ総括しないといけませんよね。「市民不在の基本構想改定」の背景は、「狛江市市民参加協働条例」自身の限界か?狛江の当該条例を「市民の権利としての参加・協働が謳われていない」と指摘した学者がいたが、自治基本条例そして基本構想にあっても三鷹や中野のように「自治のかたち」が大きなテーマである。そこでナゼか思い出したのは五十嵐敬喜『憲法改正論』の「市民立法権」である。現在の憲法改正論議に国民の憲法発議権論議が不在なのは国民主権を理解せず相変わらず明治以来の国家主権に囚われているからというハナシである。翻って「地方政府」「完全自治体」「市民の政府」が語られつつある中で、政治主体である市民を事実上抜きにして(法律事項だからとして)「まちづくりの憲法」を制定するなら「官治の憲法」(森啓・北海学園大学教授)ということになる。

2009年02月16日(月)14:47

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2009年2月11日 (水)

関口博市長の国立市政は大丈夫か?

■たまたま小耳に挟んだので、国立市の「財政健全化の方策(案)」(09年1月20日市報)を見ている。20年スパンの財政予測も資料に出ているで、我が狛江市基本構想議論の参考にと興味を持ったからである。ところで同じコンパクトシティで同じような財政状況の我が狛江市政も極少数与党政権(共産党)だが(私は自民との準オール与党政権と呼んでいる)、国立市政も与党は、共産・生活ネット・民主・社民・新しい風が11名で全体24議席だから厳しい市政運営を迫られているし、2期勤めた反戦・反住基ネットの上原ひろ子市長の後を引き継いだ市民派・関口博さんの政治的立場は狛江の矢野さんとかなり似ているという関係にある。

■その関口さんがかなり窮地に立っているのではないかと推測する。この新しい財政健全化計画に最大与党の共産党(4名)をはじめ、社民(1名)そして中間派無所属などがモーレツに反対を表明しているからである。(といってもブログなどのレベルの意思表明であり、民主・生活者ネットなどの態度は未だ見えていない)その争点は「保育園民営化」であり「ごみ有料化」さらに「長寿祝い金見直し」「下水道・国保料値上げ」などである。さて狛江の皆さんならお分かりでしょうが、これらはどこの自治体でも通過儀礼の「行財政改革のハードル」ですよね。(狛江の保育園民営化は棚上げのままですが・・・)国立市が今そこを迎えていることに少し驚いています。ウームこれを上原市政の負の遺産と考えるかそこまでがんばったと見るかですけどね。

■多くの自治体が財政非常事態宣言を出した平成15から16年(04年)、狛江も国立も緊急事態宣言を発して(場当たり的なビジョンなき)再建策を講じてきました。私の最後の議員任期の途中の市長選挙(平成16年夏)では現矢野市長へ批判的支持ながら「行革の火だるま突撃隊長」に志願したのを思い出します。生活者ネットワーク系の上原ひろこ前市長に直接面識はありませんでしたが、関口市長とはかって「市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク」という無所属市民派系の約20名ほどの市民運動型?議員集団で一緒だったので多少お付き合いがある方です。その上原前市長の住基ネット接続拒否を理論的にも支えていたのが元プログラマー(技術系?)だった関口さんであり、同じ若手の重松クンだったと記憶しています。

■ハナシがあちこちですみません。実は今ナゼ「財政再建プラン」が再び浮上かということですが、ポスト「集中改革プラン」の時期なのです。平成17年から21年度までの5年間の総務省・新行革指針に基づく「集中改革プラン」の策定が全国一斉に「助言」されましたよね。当時の片山鳥取県知事が「そんなこと強制されるいわれはない」と拒否したように助言ではなく、相変わらずの「通達行政」の大きなお世話ナンですが、まあしっぺ返しを恐れてどの自治体も従った例のプランです。その目玉は「民間委託化」「職員給与・定数削減」「事務事業再編」などでした。

■私は与党体験を経て「火だるま行革隊長」に変身しました。(だから、ごみ有料化・敬老金廃止・保育園民営化の3点セットは改革の目玉と言ってきました)野党時代はシングルイシューを旗印で済みますが、「与党」はそうは行きません。総務省の「命令」でつくっ「集中改革プラン」(狛江ではアクションプラン)の背景には岩崎美紀子・筑波大教授らの「分権型社会に対応した地方行政組織運営の刷新に関する研究会」(総務省委嘱)の『分権型社会における自治体経営の刷新戦略』(平成17年3月)がありました。そのキーワードは「新しい公共空間の形成を目指して」でした。

■私達の目指すべき地域社会・自治体(経営)とは何かが問われました。平成18年11月には神野直彦委員長の「新地方分権構想検討委員会」(地方6団体によるプロジェクトで北川正恭・堺屋太一・榊原英資ら16名)が『分権型社会のビジョン・豊かな自治と新しい国のかたちを求めて』を国の新・地方分権改革推進法制定を前に発表しました。このビジョンこそ「新しい公共の形成」と共にワタシラ自治体関係者の当面のバイブルではないでしょうか。バイブルとまで言わないまでも自治体改革論の大きな流れとして基本的に理解していないと総論賛成・各論反対の愚(抵抗勢力)を犯しますよね。(その各論には今日は触れません)

■最後に私のかっての「三多摩議員ネット」の友人達にお願いです。国立の関口さんトコのピンチにどうぞ手助けしていただきたい。定例の学習会などで是非「国立市政の困難」を突破する改革戦略を議論して下さい。かって「運動圏と制度圏の区別」という議論をした覚えがありますよね。「国立の関口市政」を守れなくては三多摩・市民派の未来は期待できないとの思いで正面からの議論を期待します。(ちなみに国立市の財政予測も今日の金融危機不況による税収落ち込み等は勘案されてないだろうから、実際はもっとシビアなハナシになりますよね)
2009年02月11日(水)13:30

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2009年2月 9日 (月)

あなたに狛江の将来像が見えますか?

地方自治講座―『公共施設再編』&『基本構想改定』を考える―

■前回1月31日の講座では大詰めを迎えた「再編方針策定委員会」の「公共施設再編方針・素案」をめぐり、図書館の意義を主張する市民の方と策定委員の方の綱引きがあり、興味深かったですよ。

■その策定委員会(委員長・根本祐二教授)は「都市経営」の視点から公共施設更新(と公共サービス)の優先度を①財政②安全③子育てと定めた「素案」を2月15日の市報に掲載し、パブリックコメントにかけるべく最終調整が続いています。2月4日の第6回策定委員会でも議論は未消化の行きつ戻りつで、委員長より「まちづくりプラン(旧再編計画)は実現不可能なプランだった。(今度は)実現可能なプランを示す」と語り当該委員会の役割を再確認していました。

■さて、その公共施設計画の結論を反映させるという関係になっているのが基本構想改定である。20年ぶりに狛江の将来像(基本構想)を見直す「第1回総合基本計画審議会」が会議日程を非公開なまま(?)1月29日開かれました。総花的で高度成長時代の「まちづくり」から、地方分権時代の持続可能な都市経営へ、そして何よりも市民が主体的に選択する「将来像」でなければならないはずですよね。

■たった3回の審議で、6月議会提案のスケジュールでは市民議論も起きず、市議会でもおそらくフリーパスになるのは目に見えてますよね。(ナント12月議会ですら基本構想改定に対する質問すらないノンビリ屋の居眠り議会ですから)「まちづくりの憲法」改定がこんなイイ加減なことでイイわけないと思いますが、皆様のご意見をお聞かせ下さい。

■第11回地方自治講座(市民自治研)
■「公共施設再編」&「基本構想改定」を考える」
■2月14日(土)午前9時半~12時
■中央公民館 第2会議室

★第12回講座の予定は
4月4日(土)午前9時半~(第3会議室)

★連絡先 清水信之 狛江市岩戸南4-27-8
03-3480-0306  市民自治研究会
2009年02月09日(月)11:32

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2009年2月 2日 (月)

小さな政府派VS公立図書館派

■1月31日(土)、第10回自治講座(中央公民館)は8名の参加で開催された。このところで参加メンバーの顔ぶれも定着する傾向にあるが、それでも初参加の方が2名。若手女性市議ともう1人は公民館運営に詳しい市民である。共に「公共施設再編方針」の素案が出されたことに注目しての参加だった。

■当日も「策定委員会」メンバーのKさんが参加してくれて、『再編工程表』の解説や、選択と集中(優先度)の基準について彼の持論などを語っていただいた。実は前回レポートしていただいたKさんとは別人で、ワタシの勝手な評価だがこのダブルKが委員会の議論を主導していると見ている。そのKさんの「地方行政サービスの方向」という座標軸グラフによれば文化行政は、「緊急性」「義務性」の高い都市インフラや社会保障、消防警察などと逆ベクトルの「任意性」「余裕性」というカテゴリーに位置づけられる。

■したがって、図書館や公民館やスポーツ施設などは優先順位が最も低いと考えられるというのだ。事実何度もコメントしているように1月19日委員会の「素案」に基づいて1月27日の委員会(分科会)で示された再編工程表(「整備方針シュミレーション」)を見れば新図書館建設は消えており、現図書館も(市民活動センターとの?)複合化が示唆されているし、現中央公民館は機能廃止し市民活動センターへ衣替えが提案されている。

■全体を見ると、選択と集中の視点から、「市民の安心・安全」が第一であり、災害時避難所でもある学校・保育園等全施設の耐震化計画の前倒しが言われ、次に子育て・高齢者施策に優先度を求めており、旧第7小学校跡地への(市内3番目の)特別養護老人ホームの誘致と南口の自転車保管場(旧プランでは新図書館等の財源として売却案だった)へ公設民営の保育園建設が新たに浮上している。なお懸案だった第3中学校の旧第4小学校への移転計画は旧プランの平成24年から27年へずれ込むこととなっている。なお学校施設の複合化・有効活用のため、既存の学童保育所機能は放課後対策事業への一元化を行い、現施設は保育園等子育て機能への転用が示されている。

■さて、議論の核心は、財政制約重視と小さな政府(市役所)論が主流となっている策定委員会の流れに対して、旗色の悪い図書館や公民館等「文化行政」の役割・地域センター等「コミニティ行政」などを『公共空間の再定義』のなかで如何にそのプライオリティーを確保するのか?当日の“図書館の事情に詳しい市民”からは、まちの成り立ちや歴史・市民文化を永久保存し後世に伝える役割や、行政文書資料の情報公開などの役割を軽視して良いのですか?と静かに語りかけてくれました。策定委員会自身も各施設の利用者や管理者から生の声を聞く機会までは作れていないのでKさんにとっても貴重な意見交換だったと推察します。

■私自身も「スリムな市役所と大きな役割(行政守備範囲拡大)の地方政府」が必然ですよといってきた。しかし今後の自治体間競争に勝ち抜く戦略としても文化行政、景観・環境行政の位置は小さくない、現に 狛江市 の”まちづくりの憲法”である平成2年版基本構想にも不充分ながら「ふれあい市民文化」・「遺跡歴史景観」は将来像・まちづくり原則のキーワードの一つである。結局、総花的で高度成長時代の遺物といわれている「基本構想・基本計画」をどう描くかということに大いにリンクするハナシですよね。次回の講座(2月14日)も公共施設問題と、基本構想改定もテーマに加えバトルやりましょうね。

■ところで、中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』を読んだ。竹中平蔵とコンビで市場原理主義の構造改革を引っ張ってきた筆者の転向・懺悔の書である。アメリカの原罪と暴走の原因・背景は経済学に無知な私にも大変解りやすかったし、日本再生論・消費税論も理解できる。ただ転向・変身は嫌いじゃないけど、こういう頭の良い人が書けば、またこれがベストセラーになってしまう日本の風土自身にも、(そして責任論にも)もう少し切り込んで欲しかったなあナンテ思う今日この頃でした。

■日曜日の寒風の中、立川の大沢市議(野宿者人権ネット)に来いと言われて、多摩川近くの東名高速高架下(喜多見)で1月2日殺害された現場での野宿者・近藤さん(71歳)の追悼集会(約60人)に市原市議と参加した。東京で5千人のホームレスの多くが都内の公園や河川敷等に居住しているが地域住民の目に付く場所では撤去が繰り返されている。その結果人目につきにくく条件の悪い高架下などに追いやられている。ホームレス支援法施行後の自治体の努力義務も果たされない中、幾多の悲惨な事件が絶えない。中谷巌もOECDの貧困率世界第二位日本の格差社会への転落を指摘しつつ、だが問題は、分断されその格差さえ見えなくなっている認識の差(パーセプション・ギャップ)こそ深刻な問題だと語っている。彼の居住場所であった殺風景な高架下の現場はおそらく一日中陽のさすこともない地域の住民からも隔絶されたフェンスに囲まれた空間だった。

2009年02月02日(月)19:52

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