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2009年2月 2日 (月)

小さな政府派VS公立図書館派

■1月31日(土)、第10回自治講座(中央公民館)は8名の参加で開催された。このところで参加メンバーの顔ぶれも定着する傾向にあるが、それでも初参加の方が2名。若手女性市議ともう1人は公民館運営に詳しい市民である。共に「公共施設再編方針」の素案が出されたことに注目しての参加だった。

■当日も「策定委員会」メンバーのKさんが参加してくれて、『再編工程表』の解説や、選択と集中(優先度)の基準について彼の持論などを語っていただいた。実は前回レポートしていただいたKさんとは別人で、ワタシの勝手な評価だがこのダブルKが委員会の議論を主導していると見ている。そのKさんの「地方行政サービスの方向」という座標軸グラフによれば文化行政は、「緊急性」「義務性」の高い都市インフラや社会保障、消防警察などと逆ベクトルの「任意性」「余裕性」というカテゴリーに位置づけられる。

■したがって、図書館や公民館やスポーツ施設などは優先順位が最も低いと考えられるというのだ。事実何度もコメントしているように1月19日委員会の「素案」に基づいて1月27日の委員会(分科会)で示された再編工程表(「整備方針シュミレーション」)を見れば新図書館建設は消えており、現図書館も(市民活動センターとの?)複合化が示唆されているし、現中央公民館は機能廃止し市民活動センターへ衣替えが提案されている。

■全体を見ると、選択と集中の視点から、「市民の安心・安全」が第一であり、災害時避難所でもある学校・保育園等全施設の耐震化計画の前倒しが言われ、次に子育て・高齢者施策に優先度を求めており、旧第7小学校跡地への(市内3番目の)特別養護老人ホームの誘致と南口の自転車保管場(旧プランでは新図書館等の財源として売却案だった)へ公設民営の保育園建設が新たに浮上している。なお懸案だった第3中学校の旧第4小学校への移転計画は旧プランの平成24年から27年へずれ込むこととなっている。なお学校施設の複合化・有効活用のため、既存の学童保育所機能は放課後対策事業への一元化を行い、現施設は保育園等子育て機能への転用が示されている。

■さて、議論の核心は、財政制約重視と小さな政府(市役所)論が主流となっている策定委員会の流れに対して、旗色の悪い図書館や公民館等「文化行政」の役割・地域センター等「コミニティ行政」などを『公共空間の再定義』のなかで如何にそのプライオリティーを確保するのか?当日の“図書館の事情に詳しい市民”からは、まちの成り立ちや歴史・市民文化を永久保存し後世に伝える役割や、行政文書資料の情報公開などの役割を軽視して良いのですか?と静かに語りかけてくれました。策定委員会自身も各施設の利用者や管理者から生の声を聞く機会までは作れていないのでKさんにとっても貴重な意見交換だったと推察します。

■私自身も「スリムな市役所と大きな役割(行政守備範囲拡大)の地方政府」が必然ですよといってきた。しかし今後の自治体間競争に勝ち抜く戦略としても文化行政、景観・環境行政の位置は小さくない、現に 狛江市 の”まちづくりの憲法”である平成2年版基本構想にも不充分ながら「ふれあい市民文化」・「遺跡歴史景観」は将来像・まちづくり原則のキーワードの一つである。結局、総花的で高度成長時代の遺物といわれている「基本構想・基本計画」をどう描くかということに大いにリンクするハナシですよね。次回の講座(2月14日)も公共施設問題と、基本構想改定もテーマに加えバトルやりましょうね。

■ところで、中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』を読んだ。竹中平蔵とコンビで市場原理主義の構造改革を引っ張ってきた筆者の転向・懺悔の書である。アメリカの原罪と暴走の原因・背景は経済学に無知な私にも大変解りやすかったし、日本再生論・消費税論も理解できる。ただ転向・変身は嫌いじゃないけど、こういう頭の良い人が書けば、またこれがベストセラーになってしまう日本の風土自身にも、(そして責任論にも)もう少し切り込んで欲しかったなあナンテ思う今日この頃でした。

■日曜日の寒風の中、立川の大沢市議(野宿者人権ネット)に来いと言われて、多摩川近くの東名高速高架下(喜多見)で1月2日殺害された現場での野宿者・近藤さん(71歳)の追悼集会(約60人)に市原市議と参加した。東京で5千人のホームレスの多くが都内の公園や河川敷等に居住しているが地域住民の目に付く場所では撤去が繰り返されている。その結果人目につきにくく条件の悪い高架下などに追いやられている。ホームレス支援法施行後の自治体の努力義務も果たされない中、幾多の悲惨な事件が絶えない。中谷巌もOECDの貧困率世界第二位日本の格差社会への転落を指摘しつつ、だが問題は、分断されその格差さえ見えなくなっている認識の差(パーセプション・ギャップ)こそ深刻な問題だと語っている。彼の居住場所であった殺風景な高架下の現場はおそらく一日中陽のさすこともない地域の住民からも隔絶されたフェンスに囲まれた空間だった。

2009年02月02日(月)19:52

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