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2009年7月 5日 (日)

「多治見市財政条例」から学ぶ

■第14回地方自治講座(7月4日)には7名と参加者が少なかったが、前日に告示された都議選で市議の皆さんは忙しいようでしたね。さて講座の前半は『市民と職員のための自治基本条例読本』(その2)の読み合わせをしました。

■今回は≪なぜ今自治基本条例なのか≫について、がテーマでした。以下はその要約です。・・・2000年地方分権一括法により、国と地方自治体は「上位下達・主従の関係」から「対等・協力の関係」になり、自己決定・自己責任を問われる「地方政府」となった。しかしそれは「地方自治の本旨」の「団体自治」を強化するものだが「住民自治」の改革は手つかずだった。ここに新しい住民自治を実行するための制度の導入が必要になってきた。

■夕張市民はその借金のツケのため、高い住民税と不充分な行政サービスという自己責任を取らされている。地方政府の自己決定の失敗は住民の自己責任においてまかなわれる。この自己決定と自己責任の間、すなわち、地方政府と住民とがどのような糸(信託関係)で結ばれているかが、これまでの政治システムでは、はっきり見えてこなかった。政策決定と責任の関係、つまり「信託」関係をどのように取り決めるかというルールが必要になってきた。政策立案・決定から実行までを地方政府に任せるにあたり、その「信託」の条件、ルールを定めようとするものが、自治基本条例なのである。・・・といったあたりを学習しました。皆様に置かれましては、自治体総合政策研究所の「自治基本条例読本」にアクセスされたいと思います。

■前半の読み合わせ終了後は開始された基本計画策定のための第1回「市民分科会」の様子が紹介されました。清水とOさん、そして初参加のIさんも市民分科会委員であり、「行財政分野」の第一分科会の所属です。前から清水も言っているように狛江市の基本構想・基本計画策定方針は極めておざなりです。Oさんから、三多摩でも極少数派で時代遅れの「20年構想」自体(抽象論・空論)の問題、そして短期間(前回は1年半)に加え、前回65名で5分科会から47人3分科会へと一分科会の守備範囲の拡大という悪条件の問題、さらに無作為抽出委員の事前学習の必要等が報告されました。

■さて、議論の中身についてですが、第一分科会では基本構想中間報告案に「財政健全化」等財政政策に関わる記述が皆無であり問題だとの複数の委員より指摘がされた点に関して清水より「多治見市健全な財政に関する条例」(平成19年)が資料提供されました。これは何度か紹介済みの多治見市市政基本条例(自治基本条例)「第4章市政の諸原則」の「財務原則」に基づき下位条例として制定された「財政条例」でした。その意図は財政を語る際のものさし・共通の基準が多治見では明確であり、狛江市では不在だからです。狛江の財政は赤信号だという市民の声の一方で、行政側に言わせれば、例えば「財政健全化法」(平成19年)の「健全化判断比率」(実質赤字比率等4項目)の範囲内であり問題ないと噛み合わない。

■この「健全化法」は例の夕張問題を受けての「破綻法制」であり、連結決算(財務)の新たな基準の下に、監査委員の判断と公表や議会報告義務など未然にチェックを効かせる制度だが、またまた分権に反し画一的な総務省の自治体統制であり、しかも「破綻」防止が前提だから逆に大甘の最低基準(Oさんの指摘)になっている。そこで、国の基準などに振り回されるのでなく、その自治体独自の財政政策・基準を定めたものがこの多治見市財政条例なのです。

■詳しくは、読者の皆様には、是非、多治見市HPからダウンロードしてもらいたいが多治見市の条例に基づく財政健全化基準の判断指標は「償還可能年数」「経費硬直率」「財政調整基金」「経常収支比率」の4項目であり、それぞれに基準数値とそれぞれの(4年間の)判断指数の見込みを中期財政計画として公表している。こうして条例に基づき財政健全基準や財政計画が公表され、なおかつ総合基本計画とリンクがされていれば、主観的あるいは精神論の財政議論は回避されるはずである。(まさにこれこそ信託のルール化・政府統制の仕掛けである自治基本条例の世界なのです)

■多治見ほどではないが、少なくとも狛江市で放棄されている「財政計画」を総合計画(基本計画)とセットで策定している自治体は少なくない。近くは国分寺市長期総合計画の基本計画財政編(平成19年)では財政運営の将来像と4つの目標(国分寺版プライマリーバランス・まちづくりに投資できる財源・地方債償還対応力・適正な基金積み立て)に基づき10年間の財政計画をあきらかにしているのでこれも資料紹介し、皆さんに見ていただいたが次回市民分科会(行財政分野)での議論のヒントにはなったようです。

■さて、財政問題をはじめ本質的な議論は基本計画でと後回しにされた基本構想論議だったが、市民分科会でどこまでやれるだろうか?次回の講座では「自治基本条例読本」学習と共に議会改革・議会基本条例の世界も覗いてみたいですねと結んで講座を閉じました。

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次回以降の「こまえ地方自治講座」の予定は

■7月18日(土)午後1時(第二会議室)
■8月1日(土)午後1時(第二会議室)
■8月29日(土)午前9時半(第二会議室)

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2009年07月05日(日)17:54

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