« こまえ地方自治講座(第18回)のご案内 | トップページ | 9月24日総務文教委に注目! »

2009年9月17日 (木)

基本構想・議会審議紛糾する

■昨日9月16日、狛江市議会・総務文教委員会に付託された第3次狛江市基本構想の審議が行われた。正直いって普段ドブ板質問しかやっていない(失礼)我が狛江市議会各会派が基本構想という「まちの将来ビジョン」にどこまで迫れるか?ブログでも「存在感を示して」と呼びかけたが、ひょっとしたら議論もなくフリーパスで基本構想を議決してしまう最悪な想定もしていたが、ムムム・・そういう迫り方もあるのかとその存在を見直した。

■まさに市民委員としては、市議会が徹底審議してくれることで、時間に追われて議論不足・生煮えだった審議会答申を補強(修正)していただくことは大いに歓迎すべきことである。市民・行政職員・議会がお互いにキャッチボールして練り上げてこそ「まちづくりの最高指針」と言えるし、その権威・実行性が初めて担保されるからである。

■本来は特別委員会の設置などで総がかりで対応して欲しかったが、付託された総務文教委員会のメンバーの責任・議論水準が大いに問われるところになった。栗山欽行委員長(自民)以下、西村あつ子副委員長(共産)、委員として石川和弘(公明)、正木きよし(民主・行革)、吉野芳子(ネット・社民)、田口貴子(自民)、田中智子(共産)の7名である。

■さて、その審議状況だが、口火を切った田口議員(自民)は20年という長すぎる計画期間への疑問を例にとって、そもそも行政側(市長)の審議会への「諮問」内容は事実上「(主体性なき前例踏襲の)白紙委任」だったことを問題視した。また(基本構想への)「市民意識調査や前期構想の検証結果(コンサル委託)が適切に反映された構想案となっていると思えない」と会派としての見解を述べた。

■公明の石川議員も「時代の急激な変化とライフスタイルの多様化に20年構想では対応できない。10年で見直すというが、構想は根幹の理念でありそれを見直すと言うのであれば最初から10年構想とすべきだ」と述べ、さらに「『財政の健全化』を20年がかりで目指すのか」と追撃した。このツッコミには脱帽だった。三多摩26市中3市しか採用していない旧自治省モデルの20年構想が如何にお飾りで空疎なものかという総合基本計画政策の本質を突いたからである。「財政健全化は20年間でなく可及的速やかに計ります」という企画財政部長の答弁は図らずも20年どころか「当面の方針」の域を出ていない構想案であることを印象づけてしまったのは皮肉だった。


■ネット吉野議員は、「審議会議事録」「パブコメへの市の回答一覧」など新たな資料要求をしたあと、「意識調査」の「高齢になっても住み続けられるまち」への期待が極めて高いのに(高齢社会対策への)明確な書き込みがないのはどうしたことか。(狛江市のブランドである)「水と緑のまち」を実現する政策が感じ取れない。そもそも行政に「水と緑」についての覚悟があるのかと畳み掛け、構想案を修正したいと宣言した。さらには12月までの予定の基本計画策定だがそれに反映させるはずの「公共施設再編方針」が間に合わないではないか等基本構想・基本計画を貫いて策定工程の不備を指摘した。

■さて昨日の主役は正木(民主)議員だった。委員会の一日の質疑の約半分は彼の時間だった。すでに他の議員と重複した部分は除くとして、何度も答弁を止めながらの質疑の内、特に注目したのは8月末の基本構想審議会最終答申と市議会上程の行政側構想案の違いが正木議員の資料請求の結果あきらかになり、かなり大幅に文言が修正されたことへの「審議会軽視だ」とのツッコミだった。実はこのことは審議会委員の私や当日同じく傍聴していた審議会の主要メンバーであるY教授もまったく報告を受けていなかった。(9月議会初日の傍聴で議案書を見たとき、項目立ての順番に一部変更があった程度の認識はあったが)

■そもそも諮問に応えて提出された答申を行政(首長)がどう料理するかは裁量の範囲ではある。しかし単純な字句修正など違い、「(政策の)優先順位を考えて」項目変更や文言修正をした(企財部長)となればそれなりの説明責任が生じるのは市民参加協働条例から言って当然である。この答申後の大幅修正こそ、何度も言うがドタバタ生煮え答申に終わった超特急・お飾り審議会運営の結末だったのであり、上程基本構想案自体への懐疑の根拠となってしまったのである。曰く「白紙諮問しておいて最後は行政が大幅修正してしまうなら審議会はいらないではないか」(正木議員)と言うワケである。

■もう1つ、民主党・正木議員ならではの問題提起は、「政権交代によって地方分権改革が格段に進むことはあきらかだ、そのことは構想案に斟酌されていないとすればまさに空論の20年となるがどうか」だった。その日の質疑が構想策定過程や合意形成過程の不備や整合性を突くといった云わば揚げ足取りに傾きがちだった。しかしこの議論は正面からビジョン・戦略論としての「基本構想」を議会自ら語り合うきっかけだったが、「(議員同士の)自由討議」を否定している我が議会(委員会)審議にそこまでは望めなかった。

■最後に共産の態度は「与党」として無傷で採決したいとの態度がありありで、議論に加わるというより行政答弁を擁護するだけのために発言する、さらには驚くことに新たな資料請求が出るたびに「すでに本会議上で資料請求は終わっている、審議途中で次々に新たな資料請求するのはおかしい」と議論封じに出たのには正直驚いた。

■かくして審議は一日で終わるわけもなく(狛江の審議会なら最低1~2年かけなければ成熟した議論にならないと思っているし、たった1ヶ月の議会で対応できるワケもないと思っているが)9月議会会期内の24日に継続審議がとりあえず決まった。さて正木議員の民主党地方分権改革の(市町村での)最大の争点は「教育委員会廃止」にありと考えているが、そこまでの深い議論は期待できないものの、少し時間をかけて議会の修正議論が出来れば構想自体の水準も上がるだけでなく、今基本計画論議に入っている市民議論にも良い刺激となるのだから大いに遠慮なくやってほしい。与党共産党も行政擁護で沈黙せず自説にもとづき構想論議に加わるべきである。とりわけ「自治基本条例(議会基本条例)」は構想・基本計画でも折込ずみなので、我が身の議会改革も含めて各派の見解を示すべきである。さて土曜講座(19日午前)では風雲急を告げる基本構想(基本計画)論議をさらに皆さんと検証したい。
2009年09月17日(木)19:30

|

« こまえ地方自治講座(第18回)のご案内 | トップページ | 9月24日総務文教委に注目! »

狛江市総合基本計画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 基本構想・議会審議紛糾する:

« こまえ地方自治講座(第18回)のご案内 | トップページ | 9月24日総務文教委に注目! »