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2009年10月

2009年10月30日 (金)

基本計画・数値目標は役所任せ?

■民主党政権の「官僚依存から政治主導・国民主導の政治」は中央政界だけのハナシではない。テユーカこの政治・行政文化の変革は確実に地方の政治行政の空気も変えることになる。昨日の総合基本計画審議会が珍しく9時過ぎに終わったので委員長采配?で有志の軽い居酒屋懇親会となった。その席でも武藤・法大教授と話したけど、法政の大先輩松下圭一の「官治集権政治」からの歴史的な転換が始まっていることをどこまで地方自治関係者が自覚出来ているか問われてますよね。

■残念ながら「官治集権政治」の対語である「分権(自治)改革論」をほとんど自覚できていないので「狛江の行政文化の変革」はドラスチックには進みそうもないよね。そんなトホホな気分にさせられている総合基本計画づくりの「市民主導」からほど遠い「市民参加」の現場からのグチに引き続きお付き合いくださいませ。

■その総合基本計画審議会の主題は、9月議会での議決(10年構想に修正)をどう受け止めるか、今後の基本計画づくりの進捗管理をどうするかだった。前から言い続けているように、基本構想とその実行計画である基本計画策定を全てたった一年の超特急で仕上げるというヤッツケ仕事ぶりはそもそも「市民参加」をアリバイとしてしか考えていないからである。他市の物真似で「無作為抽出市民公募方式」なども採用してもその市民委員へのガイダンス、政策情報の共有化を省略しての「参加」なのでこれも完全に失敗である。

■市長の基本構想・基本計画「策定方針」も議会で散々批判されたように審議会への「丸投げ・白紙委任」だし、そう批判した当の市議会も市民とのキャッチボールによる基本構想・基本計画づくり(議論)を放棄し「お任せ民主主義」のお手本となり、丸投げされた当の審議会・市民分科会は時間制約だけでなく、議論水準をリードすべき「学識委員」が役所の都合優先で、充分その役割を発揮できない中で、「これまでのような実現性も不確実で総花的な内容から、真に実現性(選択と集中・戦略性)を有する計画内容(とする必要がある)」(狛江市行政評価委員会提言書)は期待できないではないか。

■ただし、かすかな希望はこれまでの基本計画と違い、その実行性を担保し、達成度の事後評価を可能にする「数値目標」を施策単位に設定することが約束されていることである。問題は、残る期間が12月上旬までの3回程度の分科会を経て原案をつくりパブリックコメントに付すスケジュールであり、未だ文案づくりの途中なのに、その文案を仕上げるだけでも3回は終わる。だから、行政評価制度の基本学習も含めて、数値目標をどの施策にどのレベルで設定するのかという肝心な議論の時間はほとんど無いではないか?従って策定スケジュールを数ヶ月延長するしかないではないかと主張した。

■スケジュールへの不安は私以外の委員からも出たが、結局全体の行程表延長までには至らず、ただし12月上旬までの分科会の追加開催は柔軟に対応することとなった。さらに最も肝心な施策目標(指標)を市民委員自身が考え設定することからほど遠い事務局提案(職員の指標作業委員会)によるところとなった。さて皆様これが狛江の「(役所主導の)市民参加」の水準なのです。ちなみにその施策指標は「中項目」の30数項目を考えているらしい。せめて「施策小項目」も対象とすれば100項目以上となり、市民が管理する基本計画の水準が高まる。参考までに、龍ヶ崎市の施策指標は216項目である。(東京都市町村自治調査会「自治体ベンチマーキングに関する基礎調査報告書」)

■おまけに、もう1つ私からの審議会でのツッコミだが、前から言ってきたことだが、実行性ある基本計画づくりに大きく立ちはだかっている問題が「公共施設再編計画の遅れ」である。今年3月に同計画検討委員会報告書から半年たっても行政計画として公に出来ないでいる。予定では12月には公定化するといっている。「新図書館建設凍結、中央公民館廃止による市民活動センター設置」の選択と集中化の答申は真っ当な改革論である。これをお蔵入りにするなら基本計画の財政規律はタガが外れ、「総花的」計画にならざるをえない。それはともかく、「(公共施設計画を)総合基本計画に反映させる」と言いながら、繰り返すが、12月初旬には基本計画原案を仕上げなければならないのだから間に合わないではないですか?ウーム悩み多き、綱渡りの基本計画づくりに引き続きお付き合い下さい。会議日程は市のHPの「会議開催」をご覧下さい。
2009年10月30日(金)16:49

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2009年10月23日 (金)

悲しき狛江市の地方分権感覚

■鳩山首相が「必殺仕分け人」と呼ぶ「行政刷新会議」は95兆円に膨らんだ新年度予算概算要求の約3兆円削減を目指す、その手法が「事業仕分け」だ。ただし時間の制約もあり国の事業3千の内、240事業(約3兆円)をピックアップするに過ぎないがその廃止・見直し判断基準を普遍化させて予算全体に切り込みを入れるというシナリオのようである。構想日本の「事業仕分け」は地方の行革のツールとして開発されてきたものだが、狛江市議会などでも公明党・道下議員などが提唱していたのを思い出す。

■第3者(外部)によってオープンな場で「行革」を進めるその効果は否定しないが、そもそも首長も議会(市民)もお手上げだから第3者に依頼するしかないというなら自治の放棄でもある。現に狛江の公明党議員の質問を見る限り改革論というより、ドブ板型・個別要求路線の方が勝っている。だから「ごみ有料化」も「敬老金廃止」も自ら言ったことはない。断っておくがこれは公明党に限らず市議会全体の水準である。問題は行革論・構造改革論の拠って立つ歴史認識・理念・ビジョンである「地方分権改革論」の不在なのである。「選択と集中」は誰でも言える総論だが各論の何を削り何に投資するのか市長も議員も言えない。だから「基本構想・基本計画」の論議すら市民丸投げで主体的に加わらない(加われない)のである。

■「刷新会議」の事業仕分けで240事業に対して、廃止・見直し・民間開放・地方移管の仕分けが国民注視の中行われるという。政治の風景が確実に変わりつつある。枝野議員に期待大である。それはそうと「地方移管」等の仕分けは地方分権改革推進委員会勧告による分権改革のフレームを拡大・前倒しすることになり、自民政権で足踏みしていた改革は更に促進される。

■その「地方分権」と今後の市行政(の関係)について語り合ったのが21日の第7回基本計画第一市民分科会(自治・行財政分野)だった。本年前半の基本構想審議会でも私から「分権改革」(の動向)を理解せずして10年~20年先は見えて来ませんよと盛んに言ったけど、事務局スケジュールに従順な委員長采配で本格議論に至らなかった。(だから絵に描いたモチの「構想」に終わった)その先送りされたテーマを基本計画分科会が引き取ったのだった。

■分科会座長の山岡委員(法大教授)はともかく、多くの市民委員(当日8名)にとっては守備範囲を超えた荷の重いテーマである。(でもここを学習できなければ自治や行財政改革の明日の姿は見えて来ないのですから頑張ってね)その重いテーマを一層重くしてしまったのが、事務局(政策室)コメント(分権改革とは何か)だった。そこには(「分権改革の自治体への影響」として)『①自治体の自由度の向上=自治体の判断が広がることに伴い、自治体の創意工夫によって、地域特性に応じた取り組みが可能になる。自治体職員、住民の工夫、熱意などが活かせる時代になり、新たな取り組みがしやすくなる。②自治体格差の拡大=自治体の財政力や、まちづくりに向けた地域(行政、住民、企業等)の総合力などの強弱が、サービス内容やまちづくりの良し悪しに反映して、自治体格差が広がる可能性がある。財政的な理由で、サービス水準を下げる自治体も現れる可能性がある。』と書かれてる。

■皆様これを読んでどう感じられたでしょうか?単に分権のメリット・デメリットを並べ立てただけで、そこには我が自治体として地方分権を戦い取る、積極的に進めるという主体的な姿勢は微塵もみられません。実はこれが我が狛江市政(首長)の“分権改革度”なのです。主体的に受け止められてないのは、行政(役人)の立場からの被害者発想・既得権益擁護発想があるからでもあるが、最も肝心な理念である市民主権による「(住民)自治への挑戦」が理解できていないからです。だから「自治基本条例制定」へも後ろ向きなのです。

■ハナシを戻しますが、だから我が分科会メンバーの分権改革の受け止めも、三多摩で(あきる野市と狛江が)最悪の財政状況では「自治体間競争」の負け組みにならないか?例えば子育て環境の「自治体格差」により住民(若年世代)が流失するといった危機感が強調された。一方で、地方分権の「外圧」を受けて危機意識が醸成されることを期待したいので早く分権が進むべきだなど複雑な心境も吐露された。このようにやはりネガティブな分権認識に対して、私からは分権改革の「外圧」の内容を理解すれば「希望」が見えてくるはずだと応答したけどどこまで分かって頂けたでしょうか?

■民主党政権下で加速する分権改革を横目に見ながら、基本計画(5年)審議がいよいよ佳境に入る。構想が10年に修正され、基本計画も5年となったことはより実行計画の精度が求められることになる。そこで課題となるのが政策(施策)目標=評価指標・ベンチマークの設定である。例えば、新しい公共空間づくりの1つの指標がNPO法人取得数であったり、「水と緑のまち」の緑だったら「緑被率」だったりと具体的な数値目標を示すことで絵に描いた餅から市民への約束(市民からの命令書)となる。しかしこれを事務局(行政)に任せれば必ず総花的になり事業仕分けのような「選択と集中」は出来ない。

■ただし、市民委員が主導権を発揮するためには、そもそも行政評価制度とは何かから始まり、施策単位の評価項目と評価基準を設定するためには各施策・各事業の詳細に精通し、その改革方向・改革の物差し(優先順位付け等)が共有されていなければならない。そのための学習・議論は12月までの2ヶ月足らずでは不可能だ。したがって基本計画市民分科会とそれを総括する総合基本計画審議会を半年程度延長すべきである。そうでなければ市民がつくった基本計画にならない。このことを10月29日の審議会で主張したいと思っている今日この頃でした。
2009年10月23日(金)13:18

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2009年10月12日 (月)

こまえ地方自治講座(第19回)のご案内

■9月市議会の「狛江市第3次基本構想」の「議決」で浮上したのは残念ながら「議論ができない議会」という深刻な実態でした。政権交代後の国会改革でも政治主導の「自由討議」導入が話題になっていますが、セレモニーと化している地方議会の改革も「自由討議」「市民参加」「情報公開」の3点セットは必須条件となっています。そもそも「自由討議」とは一体何かなど学習します。

■合わせて新しい基本計画の(事務局)素案が出来ましたのでお目通しの上、皆さんのご意見を伺います。

■第1部 「議会基本条例」学習(「自由討議」など)
■第2部 基本計画素案(自治・行政運営)を読む
■10月17日(土) 午前9時半~12時
■中央公民館 第1会議室
■資料代 200円程度

★講座予定 
第20回11月7日(土) 午後1時半 第3会議室
第21回12月12日(土)午後6時半 第3会議室

★連絡先 清水信之 岩戸南4-27-8 3480-0306
ブログ「トホホ日記」:http://rak2/oc.to
2009年10月12日(月)11:51

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2009年10月 7日 (水)

議論できない議会をどうする?

■昨晩、9月28日市議会での基本構想議決を受けて本格化する基本計画づくりが再開された。先ずは私たち第1分科会(自治・行財政)が10月6日、第2分科会(自然・都市基盤・産業)が10月13日(火)、第3分科会(福祉・教育)が10月9日(金)である。いずれも午後7時より市役所会議室等である。ちなみに会議日程が公式HPでも公表されていない。傍聴も不可能である。でもこんなことは狛江市の審議会等の運営にあたって日常茶飯事で今更驚くほどのことではない。市民参加条例の補強や会議公開条例(ガイドライン)そして自治基本条例の制定という課題である。

■再開された市民分科会では事務局(政策室)が作成した基本計画素案を今後5回の会議で最終素案としてまとめ、12月下旬に予定するパブリックコメントに付すことになる。昨晩の分科会では「素案」が(これもイレギュラーだが)当日配布のため、素案本体の議論までには至らなかったが、分科会座長の山岡委員より積み残されていた「行財政運営」に関わる3項目の「自治体としての自立と連携」の素案タタキ台が提起され、自治基本条例(議会基本条例)制定への取り組みとして「市民会議(仮)」設置などが議論となった。

■次回の第1分科会の予定は10月21日(7時高架下会議室)であるが、引き続き「自治体の自立と連携」に関して「地方分権改革」や「広域行政」などについて基本的な理解のための学習と「素案」本体への議論に入ることが決まった。ところでハナシは戻るが、本題の基本計画素案議論の前に事務局から、市議会で議決された「基本構想」(の修正)について報告があった。議会に上程する直前に審議会答申案を行政がかなりの部分修正したこと、議会としての修正は計画期間を20年から10年に変更するものだったこと。それに伴い基本計画自体の計画期間を5年間に縮めたいとのことであった。

■この報告についてどう評価するかで厳しい行政批判(審議当初から20年構想の非現実性は指摘されていた)が展開された。9月議会レポートの市原ブログにあるように20年から10年にしたのであれば、いくら理念と言えどもその「将来像」に微妙な変更があってしかるべきではないかという真っ当な指摘も出てくるが、基本計画にあっても10年から5年へとなればより実行計画としての緻密さが要求されてくることになる。それはそれで結果オーライなのだが果たしてあと3ヶ月4回程度の分科会ではおそらく議論は深まらないと危惧する。

■それはそうと、K委員やI委員からも痛烈な議会批判があったように、審議会・市民分科会の議論、行政としての見解、そして決定権を持つ市議会での議論というキャッチボールがあって初めて市民のまちづくりの最高指針(基本構想)、その実行計画である基本計画(市民への約束であり、市民からの行政への命令書)が本物になるのに肝心な議会が計画期間の変更という小手先の対応で終わったことへの不信が沸騰した。(市民分科会として市議会に対話を申し入れるべきであるなどの意見も出た)そしてこのことは、ナゼ議会はまともな議論が出来ないのかという根本命題に行き着かざるをえない。

■狛江市議会の会議規則を見ていただければお分かりの通り、国会から地方議会までこれまで議員間の討議=「自由討議」はまったく想定外だった。つまり行政(官僚)主導の議案への質疑がその主たる役割という制度設計だった。ちなみに戦後一時期国会で行われていた「自由討議」を復活するなど政治主導のための国会改革を進めるとの小沢幹事長発言が最近話題になっているが、先進自治体議会はすでに「議会基本条例」という形で当たり前の「より良き結論を可能にする自由討議」を行っている。

■そのトップランナーが前から紹介済みの「栗山町議会」であり、「三重県議会」「伊賀市議会」など少なくとも30ほどの議会が議会基本条例で「自由討議」を義務化している。(「自治体議会改革フォーラム」09年1月調査)もっとも狛江市議会でも議員間の意見調整はやらないわけではない。ただし委員会を一旦休憩して(議事録を取らない)その場か別室での協議の形が基本的である。コレッて欧米の「会議公開法」で言えば明白な違反行為ですよね。議会基本条例以外でも自治基本条例で「議会の自由討議」を謳っている自治体や議会会議規則、委員会条例等で実質的に自由討議を担保している議会も増えてきている。

■言論の府と言いながら「議員間の自由討議」を否定し、「八百長と学芸会」に堕してしまっている地方議会の改革論については口を酸っぱくして言って来たが、地方分権改革の進展による地方議会の自由な制度設計を待たずとも、現在の地方自治法の制約下においてもどこの議会でも可能な改革モデルを先の「自治体議会改革フォーラム」が「改革共通目標」として挙げている。その1つが「自由討議」であり、2番目が「市民も参加できる開かれた議会」(アメリカの地方議会のように傍聴者全てに発言保障とまでいかなくても、陳情者の意見表明、参考人制度、公聴会制度など多様な方法で議会への「市民参加」を促進する)3番目が「積極的に情報を公開し透明性のある議会」(インターネット(録画)中継や議会としての報告会・タウンミーティングの実施など)である。

■ワタシ的にはこの3つの改革共通目標に加えて、大統領制首長の脇役を脱する力強い議会のための議決権の拡大(予算だけでなく基本計画等各種行政計画の議決など)を挙げたいが、これらの改革フレーム(自由討議・市民参加・情報公開)をテーブルに載せることを拒否する会派党派は狛江市議会と言えどもいないはずである。予算委員会を全議員参加でとの陳情も出ているがこれらも合わせて基本的な議会改革への後押し・ロビー活動を市民サイドで準備する必要が出てきたと感じている今日この頃です。これらのテーマは次回地方自治講座(10月17日)や、10月21日の基本計画素案審議でも深めて行きたい。
2009年10月07日(水)15:50

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