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2010年2月28日 (日)

基本計画答申自己診断(その3)

■完全に遅くなりましたが、2月20日の第23回地方自治講座には7名がご参加いただきました。「この基本計画で狛江の改革はどう進むでしょうか?」というテーマで検証作業を試みましたが、そういうポジティブな議論より、多くの課題が積み残されたままの欠陥商品ではないかといったネガティブな感想がまさった講座でした。もう少し前向きな夢のあるハナシとしては3月13日(土)の「公民館のつどい」の「座談会・自治基本条例と何か」に期待したいと思う今日この頃です。さて講座での皆さんとの対話を含めて、基本計画(最終答申)を総括的に自己診断すれば以下のような整理になるかと思います。

■①“行政の壁”~総合基本計画政策の不在と言う問題が一番大きな問題です。そもそも、今日の時代における「総合基本計画」の行政としての(前例踏襲以上の中身なき)「策定方針」の問題。今どき「20年構想」と「10年基本計画」と「5年実施計画」の三層の総合計画で良しとし、その理念部分(基本構想)のみを議決事項とする高度成長型で行政主導型総合計画政策を進めようという時代遅れの発想の行政。だから結果的に少し延長させたとは言え、当初は5回・4ヶ月が構想答申までのスケジュールだったのである。

■②“審議会の壁”~従って、人口減少・財政縮小時代のダウンサイジング計画・選択と集中の戦略的計画を立てるという目的意識性が欠落していれば必然的に「お飾り」「お蔵入り」の基本構想になってしまうことへの危機意識が欠如していたのか、行政主導に慣らされていたからか不明だが、結局「戦略性」の不十分な、「マイナーチェンジ」(山岡義典教授)の抽象論の総花的な構想を(パブコメよる一部字句修正の上)答申せざるをえなかった審議会の議論水準の問題が次の問題でした。

■しかも、一番の心残りは、(未消化・未分化の)構想の議決は「基本計画づくりを通じて深まり、追加修正の必要が出てきたらフィードバックさせて最終的に構想を完成させる」ことに審議委員多数が同意していた(つまり最終的な市議会議決を21年度ギリギリまで―12月議会か3月議会へ)はずなのに、これも前例踏襲で構想議決後の基本計画審議に行政がこだわり、そうした柔軟な策定手法はホゴにされてしまったことでした。

■そこから、戦略論なき総花構想に引きずられた基本計画策定作業は(5年前の市民分科会が5分科会で一年半かけたにもかかわらず)3分科会で守備範囲は拡大したのに、半年間という超短縮期間での仕上げを強要されたことから、結局各分科会相互の意見交換さえできず、その意味でも完全に縦割りの「行政の組織別中期計画」(パブコメ)という限界を持ったものにならざるを得なかったのでした。

■③“市議会の壁”~さて、「理念的・絵に描いたモチ」の構想のみを議決範囲としてきた歴史から、総合計画を通じた政策・事業のPDCAサイクル・自治体経営化、ひいては市民(議会)による行政のコントロールを可能とするため、先進自治体では自治基本条例などで構想部分と基本計画を(文字通り一本化する自治体も含めて)一体として議決事項としてきている。(佐藤教授も、基本計画の骨子だけでも構想議決の参考資料として提出すべきと発言していた)しかし、冒頭の行政の姿勢もあり市議会として基本計画をも議決案件とする決断までには至らず、従来どおりの構想のみの議決で終わったことが先ず問題だった。

■残された選択肢としては、構想のみの審議としても特別委員会を設置するなどして議会としての見識に踏まえたより高次元の議論に踏まえた修正補強は可能だったにもかかわらず、結局構想の計画期間を20年から10年に短縮するという小手先の修正で手打ちをしてしまいました。ここでの問題は、9月議会で揚げてくれないと次の基本計画策定作業が進まないという行政側の理屈に屈服したというよりも、正直なハナシとして、党派性が常に角を付き合わせている(ナショナルパーティの代理店の)狛江市議会の各派共、政策調整作業など元々ムリだよ、そんな手間ひまのかかる仕事はやりたくないよという判断が優先されたのである。

■あれっ!議会の最大の仕事って、議員が勝手なシングルイシュー(要請請負)を支持者向けにパフォーマンスすることが本筋ではなくて、自治体としての総合政策(長期計画)を首長との緊張関係のもとで総合調整することにあるのではないですか?そういう能力がなければ大統領制首長の前にはオネダリ、オール与党になってしまうのですよね。だから議会改革のイの一番が「自由討議」なのです。これまで「行政主導の質疑」しか想定されてこなかったという先進国に恥ずかしい実態を本来のヒロバに変える。それが議会(運営)基本条例の課題なのですよね。

■結局、この3月市議会の一般質問通告にも「新・基本計画」を課題とする議員が誰一人いないという有様です。議決事項でないとしても、今行政が最終調整している基本計画案(最終答申案)の出来具合を質すことなく、総花的とは言え向こう5年間の施策を拘束する基本計画にだれも触ろうとしないのでは、結局「行政(と市民)が勝手に決めた」として、基本計画の権威性は高まらないし、基本計画を通じた行政に対する市民・議会によるコントロールもいい加減になってしまうのではないだろうか?

■あれこれ悔し紛れに書きなぐりました。いずれもこれまで書いてきたこと以上ではありませんでしたが、今後のワタシ的には審議会参加を通じて深く勉強することとなった課題として「自治体基本条例」が辛うじて計画上頭出しできた(?)ことから、その市民議論を幅広い方々と共に組織して行きたいと考えています。

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