« 山岡教授VS清水の修正論争 | トップページ | 基本計画最終答申を自己採点する »

2010年2月11日 (木)

「タテ割り・バラマキ・総花的な基本計画案」?

■280件ものパブコメの意見に対して丁寧な議論が行われれば大いに計画案の精度が高まるはずと、審議会の延長戦を主張しても役所の言いなりの委員長には通じず、というか肝心の8名もいる有識者委員(公募市民は4名)が役所の味方のためか、それとも市民ではないからか不明だが、まったく腰の入らない有様(事前配布のパブコメを読んで会議に臨んでいたか疑わしい)なので充分このチャンスを生かせなかった最終審議会だった。

■前回書いた山岡教授の修正案をめぐる議論以外の、その他の各論でも私なりに問題提起したつもりだ。それはパブコメ意見の「財政切迫の折、選択と集中なき総花的で無責任なバラマキ計画だ」「施策項目が行政組織別のタテ割りであり、これでは組織別中期計画だ」等の(「小さな行政」削除を要求する大きな政府論とは対極の)真っ当な批判に堪えられる基本計画案か否かギリギリ問われなければならなかったからだ。

■そのひとつが私自身のパブコメ提出意見の保育問題だ。「自治体間競争時代の若年(子育て)世代の定着のための保育環境整備は持続可能な地域社会にとっての最大戦略環(公共施設再編方針策定委員長・根本祐二東洋大教授)であるはずであるが、『めざす姿-待機児童数の目標0人(現在75人)』としながらも、その取り組みでは『保育サービスの充実・保育施設の確保・・』と抽象的だ。しかし認可保育園定数が類似団体平均値から約500人と圧倒的に不足している構造的な問題(こまえの財政白書vol.2)をどう解決するか中長期の保育計画で描けなければ、待機児童ゼロは空語ではないか?と発言。

■これに対して専門委員の小野敏明教授(市民福祉推進委員会)は驚いたことに、実は保育定数と待機児童問題はイタチごっこだと言うのだ。(特養ホームと同じで、施設をつくれば待機児解消されるかというと、さらに需要が喚起される)公共施設再編方針では平成23年に(公設民営?)認可保育園を開設予定だが、したがってこれで待機児ゼロに解消できるわけもなく施策目標は空文句に過ぎないことを認めた上で『特定保育計画』が必要と述べたが、ここでも委員長采配は(時間がないなど)文案補強を積極的に指示しなかった。

■これも私からの指摘(パブコメ)だが、「こまバス」問題の背景にある「地域公共交通政策」の不備についてである。分権時代の基礎自治体の守備範囲の拡大の1つが地域交通政策(コミュニティバスなど)であるが、「こまバス」(生活交通)がカバーできない「福祉交通」として施設送迎(みどり号)やSTS(福祉有償運送や介護タクシー)の政策化が問われている。

■こまバス運行開始手続き(の場当たり)で設置した「地域公共交通会議」議長の杉浦委員にそのことを振ってみた。これも驚くことに当初こまバスで(ユニバーサルデザインだから)カバーできると見たが「みどり号」は障害者施設送迎として一台残さざるを得なかった実情を把握していなかったみたいだ。

■そこで文案補強の議論となったが、さて私の主張は未分化の交通政策(「公共交通の充実と利用促進」)に「福祉交通」概念を導入することだったが、委員間では行ったり来たりの議論が起こった。(地域公共交通会議の範疇ではないとする?)杉浦委員は障害者福祉の「障がい者の外出支援」として施策追加すべきではないかと言い、いや、都市基盤整備の「バリアフリー化の促進」の方ではないか云々する委員も。確かに現状は施設送迎もSTSも障害者福祉の所管になっている。文案調整は委員長一任の形となったが、まさに「タテ割りの弊害」を越えられなかった寄せ集め計画を曝け出した一幕だった。

■次にパブコメ意見の指摘で、「世界平和を希求するとともに暴力・暴言を許さない平穏なまちの実現・・」についてだが、「暴力なき平穏な街づくり」はどちらかと言えば都市基盤分野の「安心して暮せる安全なまち」の範疇であり、平和施策と災害・防犯施策を峻別すべきだという主旨の意見にナットクだったので私から取り上げ、修正することになった。

■もう1つ、今次基本計画の特徴であり、市民による施策管理・コントロールを可能とするツールとしての行政評価制度とリンクさせる試みについてであるが、初めて登場した「施策成果指標」と目標値の設定に多くのとまどいの意見が寄せられた。「・・・している市民の割合(意識調査)など曖昧なものでなく、実施件数や参加者など具体的な指標とすべきだ」等々。もちろん施策の成果は具体的な事業効果で計れるものが良い、ただし施策によっては「市民意識」の経年的実施によって計ることが適当なものもあるにはある。

■問題はこの指標設定の一部(財政健全化指標)を除いて、基本的に分科会・審議会での議論なしに行政側の独断で決定したことだった。結局、最終審議会でも各施策ごとの「指標」と目標値設定の妥当性を検証する時間もなく丸呑みするしかなかったのだった。

■(「指標と目標値に関するー現状値と目標値の基準」と佐藤教授の関与に関する発言について誤った記述があったのでお詫びすると同時に、この段落を削除いたします。2月21日)

■そんなワケで、残念ながら最後まで詰めの甘い“ゆるゆる”の最終審議会だったと言うしかない。最後に総括的なこの基本計画への私自身の評価・採点だが、少々疲れたので次回へ。


|

« 山岡教授VS清水の修正論争 | トップページ | 基本計画最終答申を自己採点する »

狛江市総合基本計画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「タテ割り・バラマキ・総花的な基本計画案」?:

« 山岡教授VS清水の修正論争 | トップページ | 基本計画最終答申を自己採点する »