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2010年3月27日 (土)

自治基本条例(議会基本条例)研究会へ

■ハナシは遡りますが、昨年12月22日に制定されたばかりの小平市自治基本条例とその策定過程の争点などを当該市議から聞き、自治基本条例とは何かについて考えたのが3月13日の公開講座(公民館のつどい)だった。そのときの議論を簡単に振りかってみると、前半は小平市議・橋本さんからの報告とそれへの質疑だった。

■小平の現市長(前都議)の選挙応援団でもあった橋本さん(無所属市民派)などがその市長選挙の際のマニュフェストに入れさせたのが「自治基本条例制定」だったというから自治基本条例制定を最も推進する立場だったことが分かった。その橋本市議がナンと議決時点では「反対」を表明したのはナゼだったのか?

■橋本さんは議会上程された基本条例案の問題点を①行政と議会が対等に扱われていない(議会の役割が過小、二元代表性にふさわしくない)②市民の定義を在住者に限定した(第一次市民案では在住・在勤・在学者だった、住民以外もまちづくりの仲間)③市民投票制度は常設型であるべき(一次案では常設型だった、議会が民意に反したときに住民がそれを覆す安全装置が同制度、この制度抜きに議会・行政・と市民の対等な関係は作れない)と指摘する。

■「反対」の理由はこの外、1年半かけて議会特別委員会で議論の末、上記問題点など共通認識もありながら修正のための協議が行われず、結果的に市長の追認機関となり、議会の役割を果たせなかったことへの抗議の意味をこめた反対だったとのこと。つまり市民投票など市民案の市民自治の武器を骨抜きにした行政へ、逆修正で議会が市民案を復活させるなどその働きを出来なかった自戒の意味が「反対」だったということだった。

■その橋本市議の報告を受けた後半戦では、橋本市議の反対論に概ね理解するも、参加した市民からもツッコミがあったが、引っかかったのが「市民の定義」についてだった。「市民」を住民以外の在学・在勤・事業者などにも拡げて定義すべきか、小平市のように「市民」は住民、それ以外は「市民等」と区別すべきかといった論争である。実は先発組の多摩市基本条例、三鷹市基本条例も含めて三多摩モデルともいうべき自治基本条例のほぼ全てにおいて前者であり、小平市の定義は例外的である。

■これについて前者の三多摩モデルは間違っており、その部分だけは橋本市議も同じ誤りを犯しているのではないかと言うのが、「助言者」として当日参加いただいた自治体総合政策研究所の石井秀一氏だった。詳しくは彼のホームページ(自治体総合政策研究所)にアクセスしていただきたいと思いますが、後日石井さんより感想を頂いたのでその要旨をコピーさせていただきます。

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■「13日の会の件ですが、橋本議員(小平市議)は会終了後、(私(石井)の論はそうであろうが)それでもまちづくりは皆でするものだと私に主張されていました。まちづくりは、住民だけでなく、通勤・通学者などの滞在型の人々も含めて行うべきだという考えに反対するつもりはありません。
■しかし、「自治」は、その地域の住民が自己の責任に基づいて行う(決定す)べきものであることは言うを俟たないところです。主権者、信託、自治というキーワードから見えてくる主体者は、住民しかいないのですが、橋本議員に限らず、他の議員、多くの市民の方が同様の主張をされます。行政職員もそうです。
■これだけ、論理的にも、法的、政治学的にも明らかな誤りにも関わらず、橋本議員のように、「それでもまちづくりは皆でするものだ」というのは、何故なのでしょうか(誤解のないように付言しておきますが、私は、情的には橋本議員は大変良い人だと思っています。)。
■これは、「権利には義務がついている」という類のドグマに支配されているのではないのかと思うのです。まちづくりは、「皆で」やる。それが平等というものだ。仲間はずれは、してはいけない。誤った「平等主義」思想にも侵されている、ともいえるのではないかと思うのです。一般市民の方と話していると、通勤・通学者と主権者である住民とは区分すべきだという理論が、「排除」の理屈に見えているようです。
■もっと、根本の問題、すなわち自治、住民自治とは何か、政治的決定者としての主権者の意味、政治と民主主義など基礎的なことをきちんと学習しておく必要があると思うのです。土台のないところで、感情論を闘わせてもそれは論理ではないのです。市民参加で条例づくりが盛んになることは大変良いことですが、同時にこうした危うさも包含しています。
■ある自治体では、通勤・通学者に加えて、企業までもが市民とされ、市民は主権者であると規定しているのです。驚きですね。結局、行政職員も、議員も誰もチェックを入れず、条例が制定されました。なんとか、おかしな条例の制定を阻止したいと思っているのですが、残念なことに私の努力は未だ報われてはいないようです。」

自治体総合政策研究所 石井秀一

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こまえ地方自治講座(第24回)のご案内

■4月3日(土)午後6時~8時半
■中央公民館 第4会議室(いつもと違います)
■「多摩市議会基本条例を考える」
■自治基本条例研究会設立の相談も致します。

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