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2010年4月24日 (土)

市議会版出前講座(まなび講座)へ!

■ブログを3週間もサボった理由は寒さで震えながらのお花見で風邪を引いたせい?だけでなく、実はいつものことですが、アタマの整理が出来なくてモヤモヤしていたからでもありました。そのシミちゃん風お悩みの元は「自治体内閣制」提案への評価・態度でした。それって、ざっくり言えば、「議員の一部を副市長などの特別職や幹部職員に任用して首長と議会が協働して責任を共有する地方政府のあり方」(橋下徹大阪府知事)を選択できるようにして、首長と議会の対立など非効率な「二元代表性」の現状から速やかな住民意思体現と政策実現に資するというものです。

■「自治体内閣制」という言い方は前にも紹介した「自治体議会改革フォーラム」(呼びかけ人廣瀬克哉・法政大学教授等)による「自治体『内閣制』に関する緊急フォーラム(3月27日)」の表現でして、発信源の橋下徹大阪府知事が3月3日付けで「地域主権戦略会議」(議長・鳩山首相)に提出した「地方政府基本法」制定等に向けた提案(「地域主権時代の“新しい国のかたち”」)の中では「議会内閣制」と表現しています。

■その橋本提案が総務省の「地方行財政検討会議」(議長・原口総務相等政府側・地方側・学者など18名)という実務的な場に下ろされ議論が行われ話題を集めているということですが、総務大臣原口プラン(地域主権戦略工程表)によれば、今年夏に地域主権戦略大綱を策定し、2000年の地方分権一括法に次ぐ第二次分権改革の法整備として来春3月をメドに自治体への義務付け廃止、権限委譲、一括交付金化など「地域主権推進一括法」が予定されており、同時に地方自治法抜本改正の「地方政府(自治)基本法」の制定を目指すとされている文脈の中のハナシです。

■ハナシを「自治体内閣制」に戻しますが、ナゼ悩ましいかと言えば、前述の緊急フォーラムの出席メンバーである神原勝・北海学園大教授、江藤俊昭・山梨学院大教授、三谷哲央・三重県議会議長、大同衛・京丹後市議会議長、中尾修・前栗山町議会事務局長という自治体改革・議会改革の第一人者達の橋本提案への「首長専制許すな!守れ二元代表制」の大合唱の記録を読んだ(河北新報・変えよう地方議会)からです。

■とりわけ、松下圭一の提起に応えて「自治(体)基本条例(議会基本条例)」を体系化したその道の第一人者・神原教授のコメントは「①自治のモデルをいまだに欧米(英)に求める後進性、②生煮えの制度を十分な検討なしに導入しようとする拙速性、③議会による改革の取り組みを直視しない独断性」を挙げて「怒りを禁じえない」と最も辛らつだった。また江藤教授も「首長が強大な権限を持った体制になる。自治の根幹は住民、議会、首長の3者が同じ空間で議論すること。『水戸黄門(スーパースター)』の登場に期待するのは自治ではない」と続く。更に会場から、首長マニフェストと総合計画、議会による議決の三つが連動する仕組みをつくった西寺雅也・前多治見市長は「議会が抑止しなければ首長は専制君主になる」「総合計画に盛り込まれていない施策は予算化できないといった厳格な運用と議会のチェックが均衡の取れた自治を実現する」主張していました。ウーム・・・。

■さて、この緊急フォーラムに参加した(以前からの知り合いで私がその改革度を高く評価している)三多摩の議員の2名がそれぞれのブログでレポートしています。1人は武蔵野市議の川名ゆうじさんであり、もう1人は東久留米市議の池田はるお(孟夫)さんですが、実は真っ向から意見が対立しているのです。

■先ず川名市議は、議会改革フォーラムメンバーの立場から「自治体内閣制に異議あり!(略)『内閣制』が議会の機能をなくしてしまう危険性が高い。なくなってもいい議会なのかも問われている、と橋下提案からは思った。議会が持つ本来の機能や権限を使うことで、制度を変えるより自治体を良くしていくことは十分できるはずだ。そのような議会がどれだけあるのかも、今、問われている。それをしないから、議会なんかいらないんじゃないか、と言われてしまうのだろう。国に言われるよりも先に地方議会が自ら改革を行うことが必要だ」と結んでいます。

■ところが池田市議は「総与党体制で首長に取り込まれるという危惧ですが、会場でも池田が発言(ただ1人自治体内閣制を擁護)したように、今の問題は、何よりも議会が執行部に入って総与党体制どころか、首長から議会全体までが役人に軽く左右される総与党体制です。役人に依存した首長・議会という現実を直視しないまま、議会が執行部に入ったら総与党体制などと笑わせないでほしい。元々、総与党体制でしか自治体は機能していないでしょ。役人主導の自治体を役人の側、税金を使う側主体の行政をその反対側、税金を支払ってきた市民の側からチェックできるようにするためにこそ自治体執行部に議会が介入する意味があるのです。議会が執行部に入るのは情報を役人が独占する現状を改革する第一歩です。自治体内閣制は異議ではなく意義があるのです。(略)役人依存からの脱却こそ自治体内閣制の意義です」と真っ向から反論しています。

■さて、皆様如何ですか?自治体内閣制賛成ですか反対ですか?ワタシ的には両者の物言いにはそれぞれ根拠があり、それぞれ正論だと感じています。大阪の橋下の改革論は名古屋の河村たかしの改革論とほぼ共通しており、首長の側からすれば当然の帰結の論理のように思えますよね。しかし3月24日の「河村たかしVS名古屋市議会」でも河村へ一部異論を唱えたように、ワタシラ(OBですが)議会側からみれば筋違いというか着地点の違いを感じたのも事実でした。

■このように私が八方美人の振る舞いをするのも、穂坂邦夫前志木市長のシティーマネージャー論に触発されて、平成17年9月に「地方議会解体論」(ブックレット「見せます狛江市議会の裏側」P13)に書いたように、池田市議同様、現状の議会側からの改革論への云わば深い絶望感があったからでした。一方、その翌年の平成18年に栗山町議会基本条例は議会改革の新しい展望を指し示し、今日100を超える議会条例へと拡がり、脇役の存在から「インチキ二元代表制」を突破する可能性がようやく微かだが見えてきたのでした。

■さあ、そこでなのですが、結論を言えば地方政府のあり方もそれぞれの自治体(住民)が選択する自治基本条例の基本精神から言えば、首長主導の改革であっても議会側からの発信であってもOKであり、現行の二元代表制を選択(実質化する)か、公選首長を廃止し議員内閣制あるいはシティーマネージャー制を取るか、橋下のように英国の「公選首長と内閣制」を採用するかはすべて自治体の選択権とすべきなのです。欧米でも小規模自治体では議員内閣制(委員会制)かシティーマネージャー制が多く、二元代表制や首長と内閣制は比較的大規模自治体に多い、もちろんほとんどの国の自治体に制度選択権が与えられているのです。

■だから、地域主権改革の主導権争いは大いに結構なのであり、神原先生達の批判に橋下達首長側が応えてくれれば議論は深まるはずですよね。と、とりあえずお悩みを解決してみました(?)ところで、気を取り直して地方自治講座のご案内です。5月はワタシラが要望して新たに開設して頂いた出前(まなび)講座「議会のしくみ」(議会事務局)を5月28日(金・6時半~公民館第二会議室)に受講させていただきます。狛江市議会改革論のために先ずは基礎知識を獲得したいと思います。そして順序は逆かもしれませんが、話題の「自治体内閣制ってなに?」をテーマにいつもの「土曜講座」として5月8日(土)(午前9時半~第一会議室)に開催致します。どなた様も参加フリーです。

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