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2010年11月12日 (金)

責任回避・機能不全の市教委

■尖閣ビデオ流出を巡って朝日の「耕論」(11月12日)は正に多面的な議論で面白かった。特に「同情にも称賛にも値しない」とする佐藤優(元外務省)は相変わらずの切れ味である。また「知る権利」(長谷部恭男)とは何か、ネット時代の「情報ガバナンス」(鈴木謙介)という政府機能についてもあらためて考えさせられた。

■地方自治体から始まった「情報公開」、そして「市民参加」は2000年地方分権法によって加速したかに見えるものの、そこから10年、今「地方政府の時代」を意識化するときそれらのツールは明らかに色あせて見える。自治体の憲法=自治基本条例制定が問われる所以である。事情があり参加できなかった「自治体憲法を考える公民館連続講座(狛江市中央公民館)」も11月5日第1回が約40名で始まった。

■「自治基本条例をつくる会」メンバーがその大和田一紘氏の講義録要旨を起こしてくれたのでご希望の方には送りますが、財政白書づくりを全国に広げた大和田氏は「財政情報による支配から財政情報の共有化」のエポックはやはり地方分権一括法だったと述べている。本題の「財政と自治基本条例」については第5回目(12月10日)に再登場する。

■ハナシは飛びますが、この春以来急浮上したのが狛江市の最大企業「航空計器跡地巨大マンション計画」を巡る住民運動である。「考える会」などのサイトを見ていただければお判りのようにいよいよ「まちづくり条例」(旧・宅開要綱)にもとづく開発協議が山場を迎えようとしており、この開発協議自体が法制度的に事業者優位であることから、決定打である「都市計画の高さ制限変更」など求める議会陳情や市長への要望などが出ておりこれへの対応が迫られている。

■さらに当該マンション計画が第一小学校に隣接することから学校の保護者達から「東京航空計器跡地の巨大マンション建設計画とそれに伴なう解体工事に関する請願」を突きつけられたのが教育委員会だった。請願の趣旨は「①開発事業者に狛江第一小学校父兄向けの巨大マンション建設計画説明会の開催を求めます。又、②巨大マンション建設とそれに伴う解体工事によって、数々の影響が生じると予想されていますが、狛江第一小学校の児童と学習環境に及ぼす影響について狛江市教育委員会の御考えを求めます」とある。

■請願の記述としては少し抽象的な書き方だが、意味は取れる。小学校の日照や600戸の転入に伴なう児童数の激増、2年間に及ぶ建設工事など第一小学校の学校運営に大きな影響があるので市教委として当該建設計画を検証し、場合によっては市長部局にしっかり発言してほしい」と言いたいのである。

■さて、11月11日(木)9時から始まる定例の教育委員会へ傍聴のため足を運んでみた。遅れて10時半近くになってしまったが、廊下で請願者側の市民が茫然と立ち話していたので聞いてみると、すでに不採択議決の後だった。エエーッ、請願を議案として初めてテーブルに載せて1時間もせず、当該建設計画の検証もせず、まして住民側の意見も聞かず門前払いとは恐れ入った。

■請願者の傍聴者の皆さんのハナシによれば、要は、マンション開発などは建設部の所管であり、しかも開発協議に入っているので教育委員会の口出す問題ではないと言うのが即決の不採択理由らしい。ホントに仕事したがらない人達ですね。(月1回半日の委員会ですから)ちなみにその審議に関する教育委員の発言メモを見たが、中村委員(弁護士)が少しだけ腰の入らない発言をしただけだった。

■もう一度請願の趣旨を見よう。「建設計画の児童と学習環境に及ぼす影響」への市教委としての見解、立場性を問うのが請願である。ナニを勘違いしているのか知らないが「独立行政委員会」として市長の執行権と距離を置き教育政策を合議する機関ではなかったのか?せっかくドアを叩いた保護者側住民に対してこんな対応するから余計「教育委員会なんて結局役所の婿だよね」って陰口叩かれるのである。

■前から言っているように「教育委員会解体論」(穂坂邦夫)は正論なのである。ところで当該マンション問題に対しての「市長への手紙」への回答で「当該計画については、狛江市に建築確認に関する権限はなく、東京都の多摩建築指導事務所または指定機関において審査を行っていきます。 従来、こうした開発は、建築確認があれば事業者が一方的に着工することが出来、周辺の住環境が脅かされることも多かったと思います。狛江市では、住み良い環境を守るために、何とか住民の声を反映させたいと、平成15年に狛江市まちづくり条例を制定し、関係住民、事業者、地権者が望ましいまちづくりを話し合う場として、調整会の開催を請求できるようにいたしました」とのくだりがあった。

■狛江市で建築確認事務を行っていないことを偉そうに言っているが、もうとっくに地方分権で手を挙げれば東京都から当該事務権限は移譲できるのである。お隣の調布市のように。「住宅都市」狛江を言うのならそのくらいやればって言ったのは去年の基本構想審議会だったが、「調整会」開催で事業者を説得できるはずもなく、宅地開発指導要綱の発展形である「まちづくり条例」もすでに劣化しているのです。

■最初の情報公開論に戻るけど、住民運動側に聞くと、市は開発計画を2年も前から(20年8月、有償譲渡届け)知っており、近隣住民が計画を知りえたのは事業者の説明会(本年2月)だった。せめて2年前からの開発情報を住民側に開示していれば対抗策を練る時間が取れたのにと言っていたが、役所は開発事業者と住民の調停者なのですか?政府(市役所)の主は住民であり、まちづくり計画(開発規制)の決定権も限りなく住民自身に委ねるべきですよね。

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コメント

気になる本。 調布市立中央図書館に復刻版があるらしい。

★無法地帯を行く―狛江町現地レポート (1959年) (レポートシリーズ〈第1集〉) [古書] [-]
都政ライブラリー編集部 (著)

…もしかして、これが噂に聞く、昭和30年代にあった”町の公用印持って姿くらましたI町長”の話か?

今なら 「無”能”地帯を行く 狛江市市長市議・教育委員会の現地レポート」か?

アマゾンでも手に入るらしい。

投稿: 七色亭撫肩 | 2010年11月12日 (金) 21時52分

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