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2011年5月

2011年5月28日 (土)

狛江市情報公開条例の穴

■昨晩(5月27日)の自治基本条例研究会は11名で開催されました。神原教授私案(札幌市自治基本条例案)と言えども、「市民の定義」の誤りが指摘されたのは、平成15年(2003年)当時の限界によるものと、素人ながら考えた前回(5月13日)でしたが、平成12年(2000年)制定の「狛江市情報公開条例」も相当程度劣化していることを確認したのが今回の神原私案比較(「第2章情報の公開と共有」の項)でした。

■冒頭、当日の報告者Hさんより、まず「自治基本条例の制度比較」として「神原私案第2章・多摩市自治基本条例・ニセコ町まちづくり基本条例・杉並区自治基本条例の「知る権利」「説明責任」「個人情報保護」に関する条項と「狛江市情報公開条例」との対比表に基づき狛江市条例(制度)の評価(大きな違いはなさそうだが、政策情報の発信が不安定?)が示されました。

■その後フリートークに入り、先ずは航空計器跡地マンション問題におけるダイオキシン情報非開示問題を事例として、狛江市の情報公開条例(制度)の課題に迫りました。「土壌のダイオキシンが基準値の3.7倍」の調査結果(H21年1月)を市は1年以上も公表せず、その間、住民の情報公開請求(22年9月)に対して「法人の利益を害する」として非公開決定(22年10月)とし、それに対する異議申し立てが行われる中で、ようやくH22年12月に情報公開したという事件です。

■議論の中で、「法人等非公開情報」であっても「人の生命、身体又は健康に危害が生じるおそれがあると認められる情報」は公開されるべきという狛江市情報公開条例第9条(情報の公開義務)に反しての「非公開決定」ではないかということ。さらに所管課である環境管理課(建設環境部)の狛江市環境基本条例(H9年)第16条「(環境)情報の提供及び公開」義務規定にも反していることがKさんの説明により明らかになりました。

■ここから導き出されることの1つは、個別、情報公開条例・環境基本条例の運用の誤りのみならず、「各種条例間の相乗効果を発揮させる総合的推進機能である自治基本条例」(神原教授)の必要性とリンクするハナシですよね。ってユーか、環境課長が史上最強の猛毒:ダイオキシンに関る環境(公害)情報を隠す側に廻る(非公開決定を下す)とは何事かっていうハナシですがね。

■こういう感性の鈍い自治体職員の不始末(条例違反行為)を招いた原因の背景を探りつつ、神原私案との比較を、「あーでもない・こーでもない」と議論していてみんなで発見したことがあります。当時は先進だった狛江市情報公開条例の「穴」は「情報共有・説明責任原則を具現する条項の不存在」なのではないかという結論なのです。

■確かに狛江市情報公開条例も標準装備として「知る権利」「説明責任」「情報提供施策・情報公開の総合的推進」といった言葉は散りばめられています。しかし神原私案に先立つ「ニセコまちづくり基本条例」の「情報共有の原則」を見ればそこに格段の水準性・具体性を見ることができます。全国的に評判の「もっと知りたい今年の仕事」(ニセコ町予算説明書)の背景には市政の最高基本原則が「情報共有」のニセコがあり、そのエッセンスに『町民参加に必要な情報提供6項目』があることを思い出しました。

■それは「①仕事(事業)の提案や要望等、仕事の発生源の情報、②代替案の内容、③他の自治体等との比較情報、④町民参加の状況、⑤仕事の根拠となる計画・法令、⑥その他必要な情報」である。(これはのちに栗山町議会基本条例に引き継がれることになる)このような情報共有・情報提供原則を模索する動きは全国の自治体(例えば「恵庭市情報共有指針」)で開始されており、狛江市情報公開条例の持つ「公文書公開手続き条例」の限界を超えて、情報共有・説明責任を担保する条文の追加(自治基本条例への昇華)が今日必須課題となっていることが確認できたのではないかと思います。

■かって10年前、先駆自治体の旗印だった「情報公開と市民参加」は今日の自治基本条例制定を通じてその精度を確実に高めてきているのですよね。こうして、「自治基本条例の世界」に導かれて我がまちの運営ルール・民主主義の有り様にメスを入れてゆく作業が隔週金曜夜の自治基本条例研究会なのです。次回6月10日(金)講座室では「第3章・市民参加の市政の推進」に移り、現在市民参加協働審議会が改訂作業に入っている「狛江市市民参加・協働基本条例」にメスを入れます。

■第2回の当日参照資料としては、「神原教授:自治基本条例私案」「報告者Hさん提出資料(基本条例比較表と評価)」「狛江市情報公開条例」「狛江市環境基本条例」「狛江市各種計画一覧表」「第1回研究会記録(案)」でした。ちなみに、今後の予定は第3回研究会:6月10日(金)講座室、第4回研究会:6月24日(金)講座室、第5回研究会:7月8日(金)第1会議室、第6回研究会:7月22日(金)第2会議室です。ふるってご参加下さい。

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2011年5月22日 (日)

被災地ボランティア活動・支援金のためのバザー用品をご提供下さい!

■東日本大震災震災後約2ヶ月余を経過しましたが、メルトダウンが明らかになり予断を許さない福島第一原発を始め、復興への道のりには息の長い支援が求められています。私たちの兄弟組織である「府中緊急派遣村」より「被災地支援行動」が呼びかけられ、すでに5月連休中には第二次派遣隊19名が3日間の被災地ボランティア活動(南相馬市など)に従事したと報告を受けています。

■そこで、こまえ派遣村として出来ることを考え、被災地ボランティア活動・支援金のための「こまえ楽市」(6月5日)出店を計画しました。狛江市民の皆様には度々で恐縮ですが、お宅に眠っているご贈答品や着なくなった衣類(クリーニング済み)生活用品などいわゆるバザー用品を当会に無償でご寄付していただけませんでしょうか。ご連絡いただければスタッフが取りに伺います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

★こまえ派遣村連絡事務所:「みんなの広場」
        (担当・絹山達也)東和泉2-20-12  ℡3480-6794
★運搬担当の清水信之 ℡090-5815-5761へ
        直接ご連絡いただければ即ご自宅まで伺います。
(こまえ派遣村世話人:絹山・市原・清水)

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2011年5月16日 (月)

続・協働ではなく強制が自治基本条例だ!

 ■ところで、この「市民の定義」に関して、「狛江市第3次基本構想」(平成22年)では「用語説明」として「市民:住民及び狛江市で働く人、就学する人並びにその他狛江市を支える全ての団体、企業をいいます」とあり、一方で「狛江市まちづくり条例」(平成15年)では「市民等: 狛江市に居住する者,狛江市内の土地所有者,借地人又は借家人、狛江市内で事業を営む者及び狛江市内の在勤者又は在学者」とあり、こちらでは「市民」を限定的に考えている。

■それでは、自治基本条例により近い形の狛江市における「自治体行政のルール」である「狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例」(平成20年)略して「参加・協働条例」ではどうかと言うと、その逐条解説書(「基本的な考え方」)で述べているように「参加や協働にかかわる施策によって対象となる市民の範囲が異なってくることもあり、限定的に示すことは困難・・」として市民の定義を避けている。

■こうした狛江市の事例も踏まえて、会場のフリートークに移りました。先の公民館講座の池上洋通の「地方自治と憲法」でも「(自治基本条例はまちの憲法であり)公務員に対する命令文書だ。市民の義務なんて書いたらダメですよ。市民を支配するためにつくるものではない。この根本を忘れると訳のわからないものになってしまう・・・」と言っていたように「主権者」は誰か、その権利は何か、その主権者によって信託される政府機構の形と運営のルールはどのようなものか?を書くのが基本条例なのだから住民登録者(外国人登録)が大前提ですよねとの意見に同調する方々が多数ではありました。

■一方、「でもね、震災で避難され当該自治体に一時居住(滞在)されている方達や通勤通学されている方々に主権はないというのは如何なものでしょう?」とか「学者の見解も様々であり、結局、条例の中身(つくり・目的)によって市民の定義は変わるのよね」といった行きつ、戻りつの議論もあり、さらに「実際、市民の定義の混乱・まちづくり条例との混同が自治体現場でどのような齟齬・さしさわりをもたらしているかを検証すべきですよね」との新たな宿題を提出した方もいた。

■さて、土曜日・日曜日と遊んでしまい、また時間がなくなりました。こんな形でボチボチ、研究会が動き出しました。なお、当日参加者からの要望で、次回に狛江市の基幹的な条例と各種行政計画の一覧表も確認しておきましょうと言うことになりました。次は第2章(情報の公開と共有)に入ります。狛江市情報公開条例とその実際が例のダイオキシン問題を含めて検証されることになると思います。


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2011年5月14日 (土)

“協働”ではなく“強制”(命令)が自治基本条例だ!

■再開学習会の「自治基本条例研究会」の初日(5月13日)には14名の参加がありました。素人集団の自主学習のため、とりあえず神原私案(札幌市基本条例案)の各章(10章)を一人づつ分担し、狛江市の制度比較や所見を述べ合う形をとることにしました。月二回(第2・第4金曜)のペースで行くと3ヶ月程度かかりますねというゆるい合意でのスタートです。

■さて、初回は報告者清水の分担である「前文」と「第1章」である。冒頭に、先日報道があった「地域主権3法成立」に関連して、「地方自治法一部改正案概要」を資料配布して若干説明を加えた。主に「議員定数の法定上限の撤廃」や「市町村基本構想策定義務や予算・決算の報告義務、条例の制定改廃の報告義務等の義務づけ廃止」などであるが、自由度の拡大と共に自立が求められている。このような地方分権改革の云わば受け皿づくりの1つが自治基本条例づくりであることを再確認すべきですよねと述べた。

■次に、「前文」に何を書くかについては、石井秀一(自治体総合研究所)よりの「神原私案勉強会に対する若干のコメント」と題する文書を当日資料として配布し、これを読んでおいて下さいとあえて前文をなぞることは省略しました。上記コメントの主旨は、主権者である市民の代行機関(政府)への信託条項の一覧表(命令文書)が自治基本条例(自治体憲法)なのだから、その条文本体と無関係に情緒的な文章を前文に書き込む必要はないということです。ちなみに神原私案の前文はそういう無駄な表現はないと言えますねと確認しました。

■前文を丁寧に読み合わせることを省略したのは、どうしても皆さんの議論を沸騰させたいと思う部分が第一章の用語の定義にあったからです。「市民:札幌市内に住所を有する自然人及び事務所または事業所を有する法人をいう」との表現ですが、さてこの定義は正しいのでしょうか?と皆さんに問いかけました。実はここでも「論説:自治基本条例における市民の定義について」と題する石井秀一先生のA410ページの資料を配布させて頂いたのでした。(石井先生は「まちづくり条例と自治基本条例の混同が市民の定義の混乱をもたらしている」と述べています)

■さて、ワタシ的には、自治基本条例の教科書(?)であるはずの神原勝教授の「自治・議会基本条例論」に掲載されている「私案」にナゼ、主権者規定である「市民の定義」に「事業者法人」を付け加える間違い(?)を犯したのかについては「謎」であり、依然とスッキリ解決できていないので、このことを合わせて皆さんに考えていただきたいと問題提起させて頂いたのでした。・・・と、ここまで書いたところで時間切れです、続きは又明日ということで失礼します。

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2011年5月 6日 (金)

―自治基本条例研究会へのお誘い―

「神原勝教授の自治基本条例私案と狛江市の制度比較」

■市議選はワタシ的にはホロ苦い結果となってしまいました。選挙直前に書いた様にオール与党体制にも似た閉塞状況を少しでも変えるための「野党系の伸張」(民主・社民・ネット・無所属)を期待して、複数の候補者のお手伝いをし、とりわけ民主党新人女性候補の当選を勝ち得たものの、肝心の現職無所属女性候補は落選と言う結果になってしまったからでした。市原ブログが少し意味不明な総括をしてましたが、大震災後で地元的な争点が見えにくく、その結果の低投票率が組織選挙の優位をもたらしたことに違いないですね。

■さて日常にもどり、というか、大震災が突きつけた「イザト言うとき役に立つ地方政府」を求めて、狛江で「自治基本条例」(「議会基本条例」)を構想し、世論づくりを担う「自治基本条例研究会」の再開のお知らせです。ちなみに「同研究会」は後段の文章にもあるとおり、公民館講座の自主グループとしてスタートしたものですが、それまでの「こまえの憲法をつくる会」を発展的に解消したという関係にあります。以下案内文をコピーさせていただきます。どなた様も出入り自由ですのでおいで下さい。

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―自治基本条例研究会のお知らせ―

■ご案内のように突然の3.11大震災で、予定していた学習会(3.25)も公民館夜間使用禁止で中止とせざるをえませんでした。なおその後、公民館講座「学習記録集」の作成が委された有志(青木・内山・池座・絹山・清水)により進められ、職員のIさんの製本作業により完成しました。その記録集(55部)の管理や配布については青木さんと職員のIさんにお願いしました。

■そこで、4月6日夜「みんなの広場」にて、これからの学習計画のための相談会を10名で行いました。狛江市基本計画の記述や市民参加協働審議会の動向などから、狛江市は来年度(24年度)から「自治基本条例検討の市民組織」を発足することになるかもしれないなどのことも念頭に、これ以降の学習プランを考えてみましょうとなりました。今年度お願いする「公民館講座」のことは、提案者のKさんの復帰を待って相談しましょうということになりました。

■そこで、当面の学習として、5月より月二回ペースで進めましょう。その内容としては3.25に予定していたとおり「神原勝教授の自治基本条例私案と狛江市の制度比較」とし、とりあえず当日出席の10名が各章ごとに調査研究した上、レポートすることになりました。

■日程は、5月13日(金)講座室(中央公民館)、5月27日(金)第2会議室(々)です。時間は午後7時~9時です。ちなみにレポート担当者は、前文・総則(清水)、第二章(肥後)、第三章(石田)、第四章(渡辺)、第五章(絹山)、第六章(池座)、第七章(池野)、第八章(青木)、第九章(矢間)、第十章(内山)です。
なお、6月も、6月10日(金)講座室(夜間)と6月24日(金)講座室(夜間)を予約してあります。(文責・清水)

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