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2011年8月14日 (日)

狛江市議会では陳情者(市民)の発言は認められない?

■土曜日には第8回研究会で印象に残ったことを書きなぐりました。今回は引き続き神原私案と比較しながら、狛江市議会を解剖してみてあらためて発見したこと、不明であり宿題としたことについてレポートしてみます。そもそも「神原私案」といっても不明な皆様にはいま一つご理解いただけないかもしれませんのでその一部を抜粋してご紹介しておきます。
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神原私案 第7章 議会と議員活動の原則
(議会の情報公開)
―略―
(議会の市民参加)
第26条 市民を代表する議会は、その代表としての性格にかんがみ、次項から第4項まで規定する市民参加を推進し、市民との連携によって活動の成果をあげなければならない。
2 市民が提出する請願及び陳情等は市民による政策提案であり、議会はこれらを委員会において審議するに当たっては、提案者が意見を述べ、及び委員会の委員と提案者が当該事案に関して意見を交換する機会を設けなければならない。
3 ―略―
4 前2項に規定するもののほか、議会は、時宜に応じて、多様な方法で課題別及び地域別等の市民参加を推進して、日常的に市民の意向を議会の政策活動に反映させなければならない。
5 議会は、前3項に規定する市民参加並びに議会の審議に必要な時間を確保するため、十分な会期を設定するとともに、開会中においても委員会を瀕繁に開催しなければならない。
―略―
(議会の自由討議)
第27条 議会及び議員は、議会の本質が言論の府であることを認識し、議員間の自由な討議の推進を重んじなければならない。
2 前項の目的を達成するため、次の各号に掲げる事項の実現を図るものとする。
(1)議員が提出する条例案等の議案の増大に努め、議員間の討議を拡大すること。
(2)議長は、市長及び職員等に対する委員会への出席要請を最少限に抑制して、議員間の討議を拡大すること。
(3)委員会の会議において委員外議員の意見表明の機会を保障すること。
(4)議員の自由な意思を尊重し、会派等による個人の意思の表明に対する拘束を抑制すること
―略―
(議会と市長等との閑係)
―略―
(3)地方自治法第96条第2項に規定する議会の議決事件を拡大すること。
(4)議員は、会期中、開会中を問わず、市長等に対し、文書によって質問することができるとともに、市長等は、これに対し文書によって回答しなければならないこと。
(5)議会の本会議における議員による質問とこれに対する市長等の答弁は、一間一答方式で行うとともに、質問内容の事前通告は行わないこと
―略―
(9)議長から委員会への出席を要請された市長及び行政機関の職員等は、当該会議において議員等の質問に対し反間することができること。
(10)議員及び会派は、行政機関の職員等に対して質問等の代筆行為を依頼してはならず、また、職員はこれらの代筆行為にかかわってはならないこと。
―略―
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■狛江市議会に関心がある方なら、下線部分を見ていただくと大きな違いにお気づきになるかと思います。(前にも言ったように、すでに議会基本条例などを制定済みの自治体ではこれらは折込済みなのですが)前回ブログでは「議会改革小委員会」による改革度への評価(公開性)が話題となったことの報告でしたが、次は「議会への市民参加」です。以前のブログで「市民参加協働審議会(改正分科会)」の飯田委員が「地方議会には参考人と公聴会以外の市民参加はない(自治法に『市民参加』の規定ない)」だから「議会を市民参加(条例)の対象に加えるという石田委員の改正提案は無理」という主旨の発言をされていたことにビックリしたことを書きましたが、確かに今日常識となっている行政への参加も含めて自治法上は市民参加の規定はない。「市民参加」も「情報公開」も「行政評価」もみんな自治体発の造語(制度化)だったのですよね。

■さて、首長(行政)にばかり市民が参加し、その求心力がますます強化されるのを指を加えて見ていた我が市議会も、かってのように「市民の代表は議員であり、市政への市民参加(条例)は我々の存在をないがしろにするもの」なんて、もはや威張っていられないことは自明ですよね。その議会への市民参加の代表的な制度である請願・陳情者市民への取り扱いを「政策提案」とするとは、「請願・陳情」なる明治以来の官治集権政治の用語を使いたくないけど自治法上無視できないのであえて「政策提案」との言い換えを行っているの(多摩市議会)であり、その主権者市民の提案(陳情)の説明は必ず聞くという当たり前の礼儀が意外にもこれまでできていなかったのですね。

■実際、場合によっては相当数出てくる陳情者の発言をすべて保障するとなると、狛江市議会委員会のように、午前中で終わるのを習慣としていたり、年7~8回しか開かないのでは間に合わない。(だから「通年議会」とすればよいのだが)ところで「以前は必要により(判断が難しい時など)陳情者発言を許可していましたよね」とのハナシもあったのですが、実はあれは「休憩中」に聞くというもので、したがって委員会記録(議事録)には載らない非公式の発言でしかなかったのですよね。

■「ソーナンだったんですか、それでは狛江市議会では陳情者の(正式な)発言の機会は制度上一切ありえないのねですね」と釘をさされて、議会関係例規集や「先例集」をチェックする余裕もなく、慌てて「宿題にしましょう」とその場を収めたのが進行役の清水でした。あらためて「会議規則」や「委員会条例」そして「先例集(平成11年版)」にあたってみたが、やはり結論は「ありえない」が正解でした。念のため、月曜日に議会事務局にその件や議会改革小委員会の公開性の可否やその後の先例集の更新版について確認しておきますね。(ちなみに陳情者を「参考人」として発言要請する裏技もあるがあくまで裏技である)

■(議会の市民参加)第26条の4項には「多様な方法で課題別及び地域別の市民参加」とあるのは栗山町議会で言う「一般会議」(意見交換会)と「(出前)議会報告会」ですよねとみんなで確認しましたが、5項の「十分な会期」とは象徴的には所謂「通年議会」のことですが、実際には白老町議会、福島町議会(平成20年)に始まり、三重県議会、名古屋市議会等様々なバリエーションがある。

■その次の話題ですが「自由討議」(議員間討議)っていうけど実際の手順、やり方のイメージがイマイチ掴めないですよねとのハナシには、「自由討議を委員長が宣言したら、執行部側を退席させるパターンですよね」等のやりとりやら、自由討議の前提には議会として基本計画を始め各種行政計画の議決義務など総合政策に責任を持ち「最良の意思決定を導く」(栗山町議会)調整能力を発揮せざるを得ない「権限の拡大」が前提ですよね、などのハナシになりました。

■だから、できるだけ会派拘束を解き、文書質問がいつでも出来て、(ちなみに閉会中は文書質問の権利が及ばないという考え方もありますが、通年議会ならそれもクリアできてしまいますよね)一般質問の事前通告制をやめるのですよねと進んだとき、現職議員の参加者から、まったく事前通告を行政にしないとなると立ち往生状態になるかもよとの現場感覚からのツッコミが入ったのですが、質問の代筆行為は絶対やめるべきですよねとこれにはガッテンでした。話題の反問権(逆質問)ですが、議員間の自由討議ができる能力があり、事前通告もせずガチンコ議会を望むなら、首長・職員側からの反問も大いに受けつけようと言うこれも当たり前のハナシであり、今までの地方議会が如何にセレモニー「八百長と学芸会(片山総務相)」だったかですよね。(了)

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