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2014年6月20日 (金)

調布・多摩・小平の市議と語る会 会議録

今頃になりましたが、議会基本条例・議会改革論は狛江市議会にとって大いに刺激になるはずです。

「5.25多摩・調布・小平の市議さんと語る会」 会議録(要旨) 20014.6.4 (清水)

■開会挨拶(内山恵一代表)
私ども「狛江市政改革研究会」は「狛江を住みやすい街、元気な街」にするためには、共に選挙で選ばれた「市長と議員」の「2つの代表」で構成される「議会」が活性化されている必要があると考え、各種活動(講演会開催や議会改革陳情書提出など)をしてまいりました。今回「議会活性化」のヒントを得るべく、多摩26市の中では先行して「議会基本条例」を制定された「多摩市・調布市・小平市」において条例制定で尽力された「3名の市議」の皆さんに、お話を伺う「語る会」を企画いたしました。各市議の皆さんの経験を聞かせて頂く機会を得たことを、大変に嬉しく思います。
■石井功:狛江市議会議長挨拶
研究会にお招きいただきありがとうございます。今まで狛江市議会も他市議会と交流はありますが、本日は立場(会派)の違いを超えた3市議会の議員にお集まりいただく貴重な機会をつくった改革研に熱意を感じます。特に今日は基本条例づくりに汗をかかれた方々ということで、その合意形成にあたっての苦労話やその後運営について生の話を聞けるという勉強会ですので実り多いものになるよう祈念いたします。
■会場配布資料紹介
①「次第、兼、アンケート用紙」
②「多摩・調布・小平」の各市「議会基本条例」
③「多摩6市の議会基本条例の主要内容比較」表
④「多摩市議会基本条例広報パンフレット」
⑤「小平市議会だより・議会基本条例特集号」
■講師紹介(内山代表)
調布市議:伊藤学さん~5期目「自由民主党創政会」前議長、議会改革検討代表者会議座長を務める。
多摩市議:遠藤めい子さん~3期目「いろはの会」(民主党)議会運営委員長、
小平市議:日向美砂子さん~「生活者ネットワーク」議会改革推進特別委員会副委員長
■司会:池座
只今から、各講師より報告を受けます。 ①基本条例制定の動機、その経緯、②条例の特徴 ③制定後の課題について約15分程度でご報告いただきます。
■伊藤学:調布市議
思い出話から話すが、議会事務局は年4回の定例会が緊張するものだが、逆に「やっと本会議が来た」とほっとしたという話がある。それほど閉会中の「改革代表者会議」(1年半34回)に全神経を注いできた。
さて、平成12年(2000年)地方分権法以来、地方自治体の役割と市議会の権限が拡がった。従来の議事機関としての役割と責務だけでなく、多様化する市民の意見を的確に把握し、市政に反映させるため政策立案や提言など政策形成機能の充実がこれまで以上に求められてきている。市議会は合議制の機関として市長は独任制の機関としてそれぞれが異なる特性を生かして市民の意思を市政に的確に反映させるために競い、そして協力し合いながら市としての最良の意思決定に導く共通の使命が課せられている。議会は市民福祉の向上の実現に向けて、国や政党などの立場の違いを踏まえ、自立して市長等執行機関とは緊張ある関係を保って行こう、独立対等な立場において市政の政策決定・事務の執行に監視評価を行う、これに加えて市政の政策立案や政策提言を行う、こうした機関になることが求められている。また議会はその権能を十分に駆使して、自治体事務の立案・決定・執行・さらに評価に関する論点・争点を広く市民に明らかにする責務がある。そのために市民との対話を通じながら市民の意思を正しく汲み上げ、行財政運営に反映をさせなければならない。さらに議会が重要政策の企画立案機能を果たし、議会として指導性を発揮し、市民から頼りにされる存在に自ら変えていかなければならないと考えた。
こうした考えのもとに、日本国憲法に定める地方自治の本旨にのっとり、市民に開かれ信頼される議会となるためには議会の基本となる条例を制定しようと議員の総意として必要であると考えた。
このような中で、調布市議会の基本理念を定め、議会及び議員の使命を明確にすると共に、議会運営の基本原則を法的に定めることにより、市民に開かれた議会を進め、自立した地方自治の確立を目指すものでもある。
条例策定過程は、3年前の市議選直後に議会改革を進める声が上がり平成23年9月に「議会改革検討代表者会議」を設置し、公開の場で進めてきた。これまでの改革改善を踏まえて、各会派から提案された127項目の改革提案に対して、改革できるものは速やかに行ってきた。傍聴環境の改善、手話通訳、速記通訳、車いすの議場内位置、入り口スロープ、一般質問の一問一答方式導入、特別職には質問権を付与し、一部事務組合口頭報告実施、委員会のインターネット中継、市議会だより全戸配布などである。
調布議会基本条例は、個別改革事項を協議し、集約し、条例としてまとめてきたもので市議会運営の実態に即した内容が特徴となっている。次に条例の概要だが、前文と10章24条で構成されている。(略)
■遠藤めい子:多摩市議
多摩市議会基本条例は東京都下では一番早く制定した街ということをいたるところで宣伝してきた。ただし、その後から制定した議会の条例は先に制定した条例を踏まえて、さらに新しい内容を加えたりと、進化しています。そこで今日は調布・小平の良いところ、また、狛江の市民の声も持ち帰ってみたい。
動機と経過ですが、伊藤議員からもあったように、地方分権一括法など、地方主権時代の到来がベースにある。平成18年10月北海道栗山町議会視察などを経て、平成19年10月の「議会基本条例制定をめざす議会特別委員会」の設置に至ったわけだが、その背景には、選挙などを通じて感じた「議会の存在に対する危機感」が私達議員にあった。というのは地方分権で地域の主役に躍り出るはずだったけど、市民のみなさんの反応は「議会は何をやっているのだろう」とか「議会なんかいらないんじゃない?」「議員が多すぎる」「報酬が高すぎる」といった否定的ない声が多く、このままでは「議会不要論」にいきつくといった各議員の危機感があり、改選後の特別委員会に至った。そこで「特別委員会」設置の際もめた経過がある。それは議会改革とするのか条例制定とするかだった。明確な目標を持とうということで条例制定をめざすことになった。
 その特別委員会で最初に、議会の実態をとらえるべく市民のアンケートを取った。私達議員は選挙でも支持を得て、それなりに市民と繋がっていると自負していたのだが、その結果は大変衝撃的だった。8割の市民が「議員を知らない」「何をやっているのか分からない」さらに意見交換の際には、陳情・請願の仕組みに関して、「請願を頼んだ議員や会派政党の手柄になってしまう」またはその陳情を取り上げた会派に対抗上嫌がらせをするなど議会の理屈で市民の意見が翻弄されるのはごめんだといった声まで寄せられた。その意味で私達議員は主観的には頑張っているつもりでも市民からは議員の活動が見えていないということが議会としての共通認識になったことから、市民にもっと見え、分かり易い議会をつくろうという気持ちに収斂していった。
 次に条例の特徴ですが、まずは「決算評価と予算へ連動」が大きな特徴です。9月の決算審査は前年度の評価です。しかし、個々の議員の指摘が次の予算に反映することは仕組み上難しい。条例では「議会の事業評価を市長は予算に反映させる」という仕組みを作った。次に「陳情」「請願」だけでなく、「市民提案」(政策提案)を受けることにした。陳情はどちらかというと行政にこういうことをやってほしい、そのため議会に後押ししてほしいというものだが、「政策提案」は、議会が市民の声を受けて立法機能の役割を発揮して行こうというものだ。次に施行後の課題だが、市民によく見えて分かり易い議会、更には市民が参画できる議会をめざして、年2回以上の「議会報告会」をやってきた。最初は集まったが、最近は集まらなくなった。基本条例の元祖、あこがれと学びの目標として栗山町議会では、議員が少人数に分かれて、支持基盤以外の地域に出向き、色んな市民の声に鍛えられるのが「報告会」の大きな役割だと言われてきた。しかし、マンネリになりその緊張感が薄れてきた、そこを克服することが課題になってきている。それから決算と予算の連動に関して、決算委員会は常任委員会単位の分科会ごとに「評価事業」を決めて、その評価結果の見直しや改善を行政に伝え、回答をもらう仕組みになっているが、実は残念ながら「周回遅れ」(前年の決算審査が9月議会だが、行政はすでに新年度予算を夏頃から準備している、それに対応する難しさがある)という問題がある。それから、市民の政策提案を受け止められるためには、議員個人の力量を高めることはもちろんだが、議会全体として、行政にやってねというだけでなく、たとえば財源の問題を含めて提案できなければならないという課題がある。
■日向美砂子:小平市議
条例制定の動機については、分権・自治の時代を迎えて地方議会の役割を発揮してゆく出番なのに、なかなかその役割や機能が市民から見えないというところからの危機感は小平市議会にもあった。そこで繰り返し議会改革の特別委員会では、市議会の大切さを自ら確認し市民に訴えるだけではある意味議会の保身につながる、そうではなくて議会基本条例制定の最終目的は「市民生活の向上」にあるとの確認をしてきた。
 経過だが、「議会のあり方研究会」を経て、平成20年12月議会で「議員定数削減提案」が出たことに対して定数だけでなく、議会のあり方を含めて議論すべきとの合意を踏まえて「議会改革調査特別委員会」が平成21年12月に設置された。当初は基本条例をつくることは出ていなかったが、その中で「一問一答制」や「イターネット中継」など出てきた。これは市民団体の請願の後押しがあって実現されたものであるが、一致して変えていけるものは変えて行こうということで、実質的な議会改革は動き続けていた。
 そこで特別委員会だが、当初はゼミ形式で進められ、テーマごとに各委員が調査・報告し議論した。例えば、「議員の仕事とは何か」というテーマでは、「お祭りに行くことは議員の仕事か?」などという話も出るような、本音を出し合うものだった。そして、議会基本条例の制定という流れになり特別委員会としての素案作りが始まり、昨年、議長の所信表明で「基本条例をつくる」ことが表明され、全会一致で当選したことが弾みとなり、条例づくりに拍車がかかった。5年半かかったのは行きつ戻りつの慎重な合意形成だった。議会だより特集号には「議会が変わる!暮らしが変わる!」とのタイトルがあるが、何気ない言葉に見えるが大変勇気がいる言葉だった。正直、基本条例ができて明日から市民の暮らしが変わるわけではない。しかし、これを使って暮らしを変えて行くのだという議会の宣言、決意表明とした。
 それから特徴については、小平の条文は35条という長い条例になっている。これは後発組の得なところで、様々な先発組を参考にし盛り込んだから。実際、会津若松市議会などに視察したりしてきた。特集号でも7つのポイントで説明している。中でも、「災害時の対応」は市民の関心が高いものだった。調布市議会も入っていますが、議会改革の専門家である廣瀬克哉先生も新しい分野だとおっしゃっていた。
それから条例をつくる前にもやれるものは実施に移してきたのが小平のやり方。議長選挙の所信表明、請願者の意見陳述などもすでに要綱をつくってすでに実施してきた。こういう形で改革先行型だった。また、長期総合計画に加えて「都市計画マスタープラン」を別条例で議決事件とした。その際それぞれの議員から各種行政計画も要望があったが、あらゆる行政計画を議決することは現実的ではないということでとりあえず「都市マス」に限定した。議決事件にしなかった部分に対しては第15条「行政計画の報告と調査」として、今まで事後報告だった計画をしっかり調査することが担保されている。
 条例施行後の課題だが、施行されたばかりなので、先ず、全会一致の議決ではあったが、議員間の温度差の問題がある。これを埋めていくこと。それから要綱づくり。例えば、議会報告会や文書質問、議員間討議の要綱づくりが進められている。また、未だ詰められていない課題がある。「政策討論会」をどうしていくのか?先ほど多摩の話もあった「議会報告会」も顔ぶれが固定化する傾向の問題、議会報の配布で自治会を通じた配布を行うなど工夫もしているがこれも課題だ。
■司会:池座
議会基本条例をつくるのは議会の保身ではなく市民生活の向上だとの話には感銘受けた。それと、議長の所信表明会が基本条例制定のきっかけとの話を伺ったが、先ほど挨拶した狛江の議長さんも見えたが、なかなか議長のリーダーシップを取るのは狛江では難しいとの話も聞きます。そこで調布の議長だった伊藤さんから、どのように各会派の色々な思いを基本条例策定のテーブルにつかすことができたのかその裏話を聞かせて頂きたい。
■伊藤:調布市議
私が議長を拝命した時に、「二元代表制の一翼の議会の権能を高めるため、みんなで努力をしよう」と挨拶をした。過去にも「議会改革組織」は様々な形であった。しかし結局結論に至らずだった。結論・方向性を出すためにはどうしたら良いだろうかと考えた。ここは各会派から出された「127項目の改革提案」を議長が精査させてもらうしかないと考え、それを条件とした。そして127項目をジャンルごとに整理し、その資料を基に、各会派に示し、議論し調整してきた。「何も議会基本条例をつくらなくても良いではないか」という従来の考え方があるが、一方で、平成の合併で自治体数が少なくなった。それどれのやり方をしてきた合併後の議会が機能しないということが起きた。そこで新たな議会のルールを作る必要が出てきた。また、改選時期に新たな議員に議会ルールを明示することもできる。
■司会:池座
こうしたお話を狛江市議会の多くの議員さんに聞いていただきたかった。議会基本条例ってどうしてつくる必要があるのか、今日のお話を本日不参加の狛江市議の皆さんに伝えて行けたらと思う。次に多摩の遠藤さんの方には、ビフォーアフターというか、基本条例ができたら何がどう変わるのかといったところを聞かせてください。
■遠藤:多摩市議
ビフォーアフターですが、先ず議会が忙しくなった。それが市民生活にどう良い影響を与えたかは距離がある。多摩市議会は以前から、専門分野を扱う「常任委員会」を重視してきたが、市民にもっと見えて分かり易い議会をつくることと合わせて、議員同士きちんと議論できる議会をつくろうという目標も掲げてきた。その議論する土俵は委員会を中心に活性化を図ろうという共通認識だった。条例ができたことにより、委員会ごとの活動が活発になった。忙しくなった。ここからの悩みは、それぞれの議員の個人的な活動の忙しさもあり例えば勉強会をやりたいと思ってもなかなかスケジュール調整が難しい。これは議員個人の活動と議会としての活動のバランスをどう取るかの問題だ。委員会としての年間テーマ(所管事務調査)を議会独自に設定して政策提案等につなげることも始まったこと、委員会では未だだったインターネット中継もこの7月工事が入ることになった。
■司会:池座
それから日向さんには、すでに関連する規則や要綱の話が出ましたが、基本条例を実質的に担保するために現在どうような取り組みがされているかについてお話ください。
■日向:小平市議
先ず、関連する条例・規則の前に、まず現実問題として議会は条例を自分たちでつくることに慣れていない。そこで市の法務担当を呼び「条例とは何か」の勉強会をした。議会は残念ながら法務担当がいない。このことも課題である。関連する条例では第15条「別に定める条例」で議決事件拡大を担保した。要綱作りは真っ最中で、請願者の趣旨説明の要綱はできている。「意見公募(パブコメ)」の要綱が懸案、議長の所信表明は現在「申し合わせ」なので、市民から見えないので要綱にするほうがいいと思っている。それらを含めて、この先1年かけて関連条例・規則・要綱づくりに大忙しである。
■司会:池座
皆様、かなり濃密な報告で、頭の中がパニックかと思いますが、一方、狛江市議会ではこの問題はどうなっているんだろうという疑問も浮かんできたかと思います。これからフリートークに移りますが、その前に5分間休憩とします。

(フリートークの時間)
○小尾さんの質問
 議会基本条例をつくるには議会事務局も大変になる。その体制はどうだったか。議会特別委員会の議事録などはだれが作ったのか。議会基本条例制定に伴う費用負担についてはどうか。
■伊藤:調布市議 
通常の議会開催期間が終わった後次の議会までの間は議会改革特別委員会に没頭。特別委員会の議事録はすべて議会事務局局長と次長が録音を起こして作った。基本条例制定後、「やりがいのある仕事」と事務局が言ってくれた。 予算についてすぐに対応できるものと、議場のバリアフリー化など次の予算で対応してものもある。
■遠藤:多摩市議 
特別委員会なので(多摩市の規定に従って)要点記録を事務局が作成。ただし次の会の下準備などは議員による世話人会で行った。条文の起草も議員が行った。制定後は議会報告会など、議員の仕事が増えたが、できるだけ議員で対応。議会報告会の会場予約やチラシの印刷などは事務局にお願いするが、チラシ版下づくり、当日の運営、会場設営、駅前でのチラシ配布などは議員がやっている。
■日向:小平市議 
特別委員会なので事務局が要点記録作成。ホームページにもアップしている。議会改革担当事務局が1名増員された。議会改革特別委員会の中に作業部会をつくって進め、何を話して、何が決まったのかの記録は議員が作った。今年度(3月)条例が制定されたので、予算はついていない。議会報告会開催を知らせるチラシ、のぼり旗、看板などは議員が負担。今後議会報告会に保育を付けるなどの予算を検討している。
○ワタベさんの質問
議会制民主主義と議会基本条例の関係。決定権の範囲とプロセスについて。(録音がなく、趣旨不明)
■伊藤:調布市議
議会というもの本質について説明された。(録音なく詳細不明)
○西口さんの質問
 議員の主体的な努力が実を結んだと思う。市民の活動などとの関係は?
■日向:小平市議 
以前狛江で話をした「政治知りたい、確かめ隊」という市民団体が「一問一答方式」やインターネット中継について陳情したことなどがきっかけとなった。その会では傍聴を継続して、議会ごとにニュースも出している。このような市民が見ている緊張感、請願者とのつながり、小平では住民投票条例もあったし、注目されることは議会への力となる。
■多摩遠藤さん
きっかけは市民に行ったアンケートで、議員としてはがんばっているつもりだったが、市民には知られていないことが分かり原動力になった。議会ウオッチングする市民など、市民による不断のチェックは大事。
■伊藤:調布市議 
市民から議会改革に関する意見・陳情をもらった経緯がある。今困っているのは、本会議だけでなく、委員会までインターネット中継するようになって逆に傍聴者が減ったこと。
○平井さんの質問
ここの公民館の改修に合わせて増築を求めている市民運動の代表をしている。昨年、小平の都道建設の是非を問う住民投票とそれをめぐり市長が開票をしないといったことが起きていて、改めて民主主義ってなんだろうということを考えさせられた。最近出版された国分さんの本では「議会があれば民主主義なのか?」との問題提起がされていた。私達も、一度つくられた行政の計画は止めることができないのかという問題に直面している。議会基本条例ができることでそうしたことが変わっていくのだろうか?市民の声がどこまで反映されるのだろうか?小平の市議さんにお聞きしたい。
■日向:小平市議
住民投票の問題では議会も様々に考えさせられた。私自身も「民主主義イコール議会ではない」ということを実感した。首長の権限の大きさもある。議決事件の追加で「都市マスタープラン」が入ったが、これはすごく重い責任が議会に課せられたと考える。(都市マスは)都市計画道路や再開発等の街づくりのビジョンなので、議会がここを変えて行く可能性は仕組みとして確保した。他の行政計画には「報告と調査」(15条)も追加して、追認機関にならない決意を表した。
■遠藤:多摩市議
 議会基本条例は一つのツールだから、議会も市民もこれをどう使うかが次の課題だ。小平の「議決事件の拡大」は議会の関与を拡げる大きなことだ。行政だけでなく議会も計画をつくるということ。ただ議会は4年ごとに変わり、継続性の問題があり、予算提案権がないので責任が持てるのかといったことがあって多摩市議会では議決権の拡大はできなかった。でも今後は行政側と政策を競い合う議会になっていくことは必要だ。大切なことは、行政の計画策定過程での市民参加は進んできた。今後は議会の政策決定過程に充分市民を参画してもらい、その背景をもって修正や反対ができれば説得力を持って行政に対抗できる。この条例を生かす可能性はそこにある。
○大西さん(調布)の質問
国立マンション問題に関わり、調布市民ながら国立市議会を本会議・委員会・特別委員会すべてを見てきた。多摩市では反問権がある。行政と議員はお互い言いっぱなしの一方通行で議場の中ではやり取りしない現実を見てきた。これでは議論が深まらない。それから、ある議員の意見に対して同じフロアの他の議員とやり取りする光景を見たことがない。ホットな時に議員同士の議論をし、それを聞き、傍聴席の市民が考えることができればよい。多摩市議会では自由に意見交換できると理解してよいか?
3番目に遠藤さんのいう行政と政策競争できる議会をめざすことに同感。しかし、その前提に議員が予算(計画)を丸ごと理解できる力がないと行政と対等に政策提案できない。議員の質問は概ね自分の関心の範囲だ。全体の市行政(財政)の中の位置づけの視点がない。これでは説得力を持たない。
4点目、(質問に対して行政は)「前向きに検討します」と棚上げするケースがあるが、次の議会でフォローすることがない。(だからパフォーマンスと言われる)これをどう考えるか?
■遠藤:多摩市議
 反問権には2種類ある。質問の内容を確認すること、文字通り反論することの2種類。ただ多摩市では残念ながら有効に活用されていない。市民の前で臨場感のあるやり取りをする重要な権利であり、検討課題だ。議員同士の意見交換だが、本会議ではそのルールが複雑で実施は難しいので委員会で行っている。以前の意見交換は「休憩中」だった。今は議事録に乗る形で行っている。しかし、会派の意見を背負って委員会に出てきているので、実際は「より良い結論を導くためのプロセス」とまでは至っていないので課題はある。
 行政と施策を競うためには行政の全体像に向き合う必要との指摘だが、多摩市議会では決算評価を全体で行う仕組みを進めており、様々な事業と向き合い議員の視野は拡がっている。
■伊藤:調布市議
 調布での「反問権」は質問の趣旨を確認する形だ。それから「質問しっぱなし」との話だが、例えば「検討しておく」課題が自分の所管委員会であれば、基本条例で委員会での議員間討議を実施しているし、そこで発議し委員会で提出議案とすることもできる。
○籠谷さん(調布)の意見
 陳情出した契機に、市議会の仕組みに可笑しさを感じてきた。東京財団による議会改革の3条件(陳情者の発言、議会報告会、自由討議)も知った。これが、市民が考える民主主義の常識だと考えるが、日本の地方議会では非常識だ。それを市民レベルに近づける役割が「議会基本条例」だと思う。小平も多摩も良い条例だ。調布も2回議会報告会が行われ課題も出てきた。基本条例をつくったところもこれから作るところも、如何に市民が議会の尻を叩いて良いシステムにしていくかの問題だ。
■閉会挨拶(内山代表)
本日は他市の議会基本条例を制定に関する貴重なお話やご経験をお聞きすることができました。私ども狛江市議会の活性化をめざす改革研にとって非常に大きな参考になりました。ご来場者の皆さんにとっても地方議会の理解を深める参考になれば幸いです。他市よりおいで下さった議員の皆さま、ありがとうございました。(了)

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