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2014年8月

2014年8月31日 (日)

個人情報保護条例に穴が??・・・緊急勉強会報告

■「詐欺対策で警察へ提供した住民名簿回収」事件を検証する「こまえ地方自治講座」(主宰・清水)が8月30日土曜の午後、公民館に16名の市民(含む市議2名)の参加で開催されました。呼びかけた市原市議から「事実経過」「狛江市と警察との覚書」「個人情報審議会への目的外利用(外部提供)諮問書」「個人情報中止請求並びに非中止決定への不服申し立て書(市原)」「府中市個人情報保護審議会議事録」など44ページにわたる資料、プライバシー問題に詳しい井上さん(都内自治体職員)から「個人情報保護条例の比較」(目的外利用及び外部提供を中心に)の6ページの資料、清水の「住民名簿目的外利用・外部提供の仕方比較表」が当日資料として提出され、それぞれ報告と問題提起の後、参加者との喧々諤々の2時間でした。

■さて、当日参加者の大半の問題意識はざっと以下のようなものでした。「『ベネッセ』などにみられる個人情報の「流出」による被害が個人情報満載の自治体の現場で起きたら大変なことですよね」「今回の2万3千名の住所・氏名・生年月日・性別の4情報を詐欺対策(訪問活動)で警察に当事者の同意なしに提供したっていうことなのだけど、ナンでそんなことがまかり通ってしまうのかしら?」などでした。

■そこから議論は始まりました。「当事者としての市原議員の執拗な抗議、異議申し立て、共産党市議団の中止申し入れ、そして市報で知った百人に上る市民の抗議により慌てて警察から回収したようですが、デジタル時代(高度情報化社会)の市民のプライバシー感覚を行政が共有していないってことなのか?」「本人同意なしの外部提供を個人情報保護審議会がOKしたって言うけど他市の審議会ではダメとした例もある。そもそも保護審議会に諮る前に、やめた方がいいと進言する職員が居なかったでしょうかね」「詐欺対策での警察へ名簿提供の例は、狛江以外では府中市だけのようだけど、その府中市も批判を受けて一度だけの名簿提供(平成24年)で止めているらしいけど、その時の府中警察の訪問活動の成果はどれだけあったのでしょうね?」「一度提供したデータを返却してもらったという失態の責任の所在は問われないのでしょうかね」など議論は果てない。

■そんな中で、私的な当日の大発見は井上さんの問題提起でした。それは「狛江市個人情報保護条例の穴」とも言えるものでした。そもそも私的には「自己情報コントロール権」を明記した大阪府条例モデル(平成8年)に比べて狛江市の個人情報保護条例(平成13年)はそれが主語になり得ていないとは感じていたものの、一方で「狛江市個人情報保護条例の手引き」(逐条解説書)では「自己情報コントロール権」が述べられているなど、どう理解したら良いかわからなかった。そこで井上さんの解説だった。

■要は自己情報コントロール権を担保するツール(パーツ)の問題だった。同種の条例は、特に多摩地域の自治体は、ほとんど変わりはないものと誤解していた。(さらにマニヤックな話になるがお許し下さい)井上さんが提供してくれた条例の比較によれば、狛江市、調布市、国立市、三鷹市は大きく違う、それは自己に関する情報を開示、訂正、利用中止を請求する権利規定であり、目的外・外部提供をめぐる本人同意や公表・報告等の規定でした。つまり目的外利用(外部提供)に対する制限・ガードが高ければ高いほど自己情報コントロール権の質が高いというか実効性を持った条例ということができるのだ。

■4市の比較で言えば、調布市条例は、狛江市のように保護審議会の同意があれば本人を無視して警察に提供できるかというと、「本人にその旨を通知する」(例外はあるが)とあるから、市報でお知らせではなく、当事者に(何万人分)通知しなければならないことになる。(そうすれば多くの批判・抗議が寄せられること必定)だからか、調布警察の本家である調布市は狛江市のような住民名簿提供をしていない。また国立市条例では、目的外利用(外部提供)するときはあらかじめ公表しなければならない。なおかつ、すべての条件下の目的外利用をしたときは「その旨及び目的を本人に通知しなければならない」さらに「その記録を作成し、一般の閲覧に供する」と実施する前と後で、徹底的にガラス張りに置かれ市民の意向が反映されやすい仕掛けとなっている。さらに三鷹市でも国立市よりさらにハードルが上がり、「目的外利用等する場合は、あらかじめその旨を本人に通知しなければならない。ただし、緊急やむを得ないと認める正当な理由があるときは、目的が利用した後速やかにその事実を本人に通知しなければならない」とあるから、もし狛江市と同様なことをすれば中止請求が殺到し、恐らく実施不能となることが予想される。

■立派な条例があってもそれへ魂を入れるのは主権者市民と行政の活用如何だと言われ、今回の狛江市の場合、行政の解釈運用の仕方次第でこんな失態は防げたはずだが、なおかつ教訓としては条例の精度を高める改正の必要があるとの議論に全員ガッテンしたのでした。さて、時間もいっぱいでこれ以上の議論(そもそも振り込め詐欺対策や高齢者への見守り等の有効な包括的政策は何か?等)はできませんでしたが、今後の一旦回収された住民名簿の提供問題の行方ですが、ボールは9月2日から始まる市議会に投げられた格好ですね。細かな話から言えば、何故市報(7月15日)で知らせる前に警察へ提供してしまったか?市報で知った多くの市民が自身の情報はデータから削除して(中止請求)と訴えがあったのに8月13日まで放置したのは何故か?失敗だった府中市の事例(24年)をなぜ教訓にできなかったのか?などなど残された疑問はまだまだあります。それらも含めて市民の行政への抗議や議会の質疑を通じて明らかにしてゆく必要がありますよね。(続報や資料のコピーなど必要に応じてアップします)

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2014年8月24日 (日)

警察への個人情報提供問題(その2)

■狛江市による警察への住民名簿提供問題ですが、振り込め詐欺対策という目的に異論はなかろうと拙速かつ安易に手続きを進めた様子が見て取れます。そして、その背景には個人情報保護・プライバシー権への無理解があり、役所で誰もストップをかけた職員がいなかったとすれば空恐ろしい実態ですよね。百人を超える市民の抗議に、あわてて一旦警察から回収したものの、事業そのものは進めると言っており、この後、市民の「同意」をどのように取り付けるのか、議会も含めて合意形成をどうするのか注視していかなければならない問題です。市原市議は「自己情報コントロール権」を主張していますが、ひるがえって狛江市個人情報保護条例自体の解釈・再検証も課題になってきます。そこは次の機会とします。

■ところで、とりあえずの資料ですが、作成途中の「比較表」を添付します。他の自治体の取り組み状況が分かっている方がいましたら是非教えてください。類似の施策で「災害時などの要援護者名簿作成」はすでに狛江市をはじめ多くの自治体が実施していますが、加えて、全国初といわれる中野区条例のように、一人暮らし高齢者・弱者見守りなどのため町会や民生委員へも名簿を提供する、包括的な目的の名簿作成と関係機関への提供は「手挙げ方式」(希望する方のみ)か「手下げ方式」(不同意の者除く)で行われているのが実情のようです。現に狛江市の災害時要援護者名簿への登載希望者は6,800名中2,400名の35パーセント(24年9月)でしかありません。

「1.xlsx」をダウンロード

■なお、市原市議の呼びかけで緊急勉強会が以下開催されますので是非お越しください。

「狛江市による調布警察への個人情報提供を考える勉強会」

■8月30日(土)午後2時~4時
■市民センター(中央公民館)第2会議室にて
■報告:市原広子 狛江市議
■参加費無料
■主催:こまえ地方自治講座

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2014年8月20日 (水)

振り込め詐欺対策で同意なしの個人情報外部提供問題

昨日の東京新聞記事に久々に胸騒ぎを覚えた。発信源は市原広子市議である。彼女から話を聞いたが怒り心頭の様子でした。先ずは東京新聞をコピーしてみます。この間の事情は吠えまくった市原ブログから見ることができますが、今後私なりに検証してみます。


20140819


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