こまえ地方自治講座

2012年8月27日 (月)

「矢野マニフェスト検証」

■第12回「市民と議会の懇談会」(7月24日)では出席12名で、①高橋新市長マニフェストの再点検と②矢野市長マニフェスト検証を主な議題としました。高橋マニフェスト(32項目)についてはその表現が曖昧で読み取れない部分多く、9月議会に予定されている所信表明等を待って「再点検」を行う事とし、先に「矢野マニフェスト(4年前の公約・41項目)について「達成状況評価表」の作成に挑戦しました。複数の評価メンバーによる3段階評価とその理由などをみんなでチェックして、一定の合意点を見出そうという試みです。その仕上げを予定しているのが第13回懇談会で、明日、8月28日午後6時半~中央公民館第2会議室です。初めての方も歓迎です。

■なお、先日8月23日(木)の地方自治講座(夏休み集中講座)最終日には「なぜ、いま、基本条例なのか」(松下圭一)の後半部分を5人で読み合わせしました。暑くて頭が廻らない中ですが、「4、基本条例のつくり方」「5、基本条例の策定論点」「6、基本条例の基本構造」「7、自治体法・国法・国際法間の緊張」について、相変わらずの松下ワールドにときおり面喰らいながらもなんとか読み終えました。その際、今後の「自治基本条例研究会」の活動計画についても意見交換しました。市長選の後遺症もあり、少し時間をかけて“超党派”の枠組みを再構築しながら、秋以降に再開できるよう努力することを確認しました。

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2012年8月17日 (金)

松下圭一「なぜ、いま、基本条例なのか」

■お盆シーズンの8月16日、松下圭一を読み合わせしてみる。(参加者は引き続き5人)「1.自治体には基本法が必要」「2.基本法という考え方の歴史」「3.基本条例の考え方」までで時間切れでした。次回8月23日には「4.基本条例のつくり方」「5.基本条例の策定論点」「6.基本条例の基本構造」「7.自治体法・国法・国際法間の緊張」までを読み合わせします。

■以前から感じているのですが、「自治体学の祖」、「元祖・地方分権」の松下圭一なので、その難解な松下語になんとか喰らいつきたいとの思いで挑戦しているのですが、そこは法法や行政学の基礎的学問を積んでいない素人市民の集まりなので、やはり困難が付きまといます。「都市型社会」の市民の成熟=「市民政治時代」が、「官僚法学・講壇法学」の「明治以来の官治・集権の官僚統治を終わらせる」ハズなのですが・・・。

■当日の議論の主な点は、基本条例づくりに必要な「政策法務」(分権時代の法務体制)というスキルが不在と言われている狛江市行政(「自治基本条例VS狛江市条例比較研究」P50絹山報告)という問題をどう考えるか?でした。「巨大マンション問題」や「第4小学校跡地問題」や、条例制定もなくスタートさせた「こまバス」などが話題になりました。市政上の困難課題はこれまでのような国や東京都の指示待ち行政では解決できないですよね。新たな政策・制度開発を可能にするのが「政策法務」能力ですよね。と確認しつつ、基本条例という「枠組み法(憲法)」の制定を通じて「自治立法(条例)」能力=政策法務熟達の条件が整うことになると考えられますよねと、少し強引に整理しました。

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2012年8月11日 (土)

次は松下圭一「なぜ、基本条例なのか」へ

■地方自治講座~夏季集中講座~第一日の8月9日(木)は今井照「市民参加の論点」を読み合わせしました。参加者5名と少なかったですが、この程度の人数の方が丁寧な議論ができます。といっても読み合わせ(A410ページ)に時間がかかり、その半分はガッテンできても半分は未消化の感がありました。10年前の今井論文が今日の到達地平から見て古いのか?そもそも今井の「自治体学」自体が私達素人にはハードルが高いのかどちらかですねと感想を言い合いました。

■そのガッテンな部分は「市民参加の概念図」により、その類型的整理を行い、「行政参加」と「政治参加」を分けて考えることでした。選挙(代理人に政策を信託)や住民投票などが政治参加の典型であり、一方、自治体計画策定過程や首長の立案の条例づくりへの参加は「行政参加」です。現行の市民参加と呼ばれる多くが行政参加というカテゴリーに属するということを確認しました。(ちなみに現行「狛江市市民参加協働条例」は「市民参加」を「行政活動への意見反映」と限定しています)

■その上で、今井教授は「よくよく考えると、そもそも議会というのは市民参加の本家です。市民参加を制度化したのが議会ともいえます。逆に考えれば、議会が市民参加の機能を果たしていないから、別の形で市民参加が試み始められているとも言えます」とアメリカの自治体議会制度を引き合いに、議会と市民参加の関係の基本的あり方を示し、「(だから)市民参加が進めば進むほど、議会のあり方が問われてくる」と述べています。


■さて、私達は、基本計画策定市民委員などの経験を通じて、委員会で合意した計画案がいとも簡単に行政側に書き変えられることや、議論沸騰で合意形成が期限までに間に合わないなどの際の審議会運営を「委員長職権」で行政事務局と手打ちしてしまうなど審議会の主導権を「御用学者」に与えている現状への不満など、公募型市民委員制を導入した今日もなお、市民参加へのフラストレーションが存在する現状をどのように打開したら良いのかという「市民参加の次のステージ問題」を自治基本条例研究会などで格闘してきました。

■そこでの結論は、現行市民参加制度の改善としての「市民委員過半数制」等審議会改革や常設型市民投票制の検討も必要ですが、抜本的には政策決定過程への参加、つまり議会への参加の道筋をもっと太くする以外にないというものでした。事実、市民参加協働条例改正案を審議中に当該委員であるIさんは「議会への参加条項」を提案されたのでした。(なお、行政主導の我が「市民参加審議会」はこの提案を受け止める議論水準にありませんでした)

■従って、自治基本条例研究会で得た結論である“議会への参加(つまり議会の開放)なくして市民参加の満足度は高まらない”という私達の気持ちをしっかり裏打ちしてくれたのが「今井照の市民参加論」ということになります。そして、その地方議会改革を含めて「市民自治による自治体の市民管理」(松下圭一)であり、分権時代の地方政府としての自立に向けた立法改革としての「自治体運営条例」(「自治基本条例」)とは何か、を発信源の松下圭一論文の読み合わせが次回8月16日、集中講座2日目です。(6時半~公民館第1会議室)熱中症気味でアタマも廻らない中ですが、頑張りましょう。


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2012年7月24日 (火)

「住民代表は議会であり、市長ではありません」(河西氏論文)

■夏休み集中講座(地方自治講座)では、「今井照」(市民参加論)と「松下圭一」(基本条例論)に挑戦します。中でも「自治体改革」や「シビルミニマム」を造語した地方分権の大御所「松下圭一」の松下語は、正直云って難解です。名著「市民自治の憲法理論」(岩波新書―1975年)などは何回読んでも挫折します。それでも惹きつけられるのは私達の固定観念を打ち砕き、新しい発見をさせてくれるからです。

■その最たるものが「社会教育の終焉」(2003年公人の友社)でした。この本はホントにカルチャーショックでした。素人の知ったかぶりですが、「無責任の体系」として天皇制国家を暴いた丸山真男の弟子・松下ならではの「官治・無謬・包括の体系=国家教育批判の書」と言えるかと思います。

■ハナシが松下論にそれ過ぎました。その松下圭一に、太田区役所時代より大きな影響を受けたと思われる今井照福島大教授の「市民参加の論点」が集中講座の第1テーマですが、この「論点」を一言で云えば、「市民参加の概念」を「行政参加」と「政治参加」に区別するところから始まり、そして「そもそも議会というのは市民参加の本家」という発見に至り、市民参加の発展段階として、議会の参加機能と開放性に求めるところにあります。

■実は、先の市長選で私達は少なからず学習の機会を得ました。そのひとつが市長選挙と市議補選の関係で浮上した「首長と議員が主従のごとく扱われる問題」でした。私のブログでも絹山さん、山田さん両候補の「応援する市長を議会の側から支えます」類の公約が議会の独立性を侵す誤りであることをコメントしてきました。

■さらに市長選挙の最初から、ホントの争点は、自民党VS共産党等ナショナルパーティの(代理戦争の)ネガティブキャンペーン選挙ではなく、「オール与党化を必然化する(首長)行政主導型政治のバランスを、議会の復権により、本来の二元代表制に修正すること」つまり、強力な議会への改革なくして真っ当な地方自治と民主主義はやってこないと訴えてきました。

■前置きが長くなりました。さて集中講座の第一テーマの「市民参加の論点」と議会改革の必然性を学習する“副読本”に、実は市長選直前の5月末というタイミングで発刊された狛江市「財政研究会」の『我がまちの財政』第59号の河西直さんによる寄稿論文「狛江市政のここが気になる」(その7)をお勧めしたいというのが今日のブログの目的でした。その論文は「●狛江市の住民を代表するのは市議会です。市長ではありません」のタイトルで始まります。ワタシ的にもこの論理を学習したのは最近ですが、二元代表制の本質に係る鋭い指摘です。

■さらに同論文は「●市議会は、行政運営上の諸案件に対する意思、方針を審議、議決せよ」「●軽々に市民参加を口にすること無かれ」「●本会議の一般質問は市長に対して質問せよ」等々と続きます。これらは議会改革のフレームを平易な言葉で教えてくれる素晴らしい論文です。同論文は財政研のホームページの「資料室」の「投稿記事」にアクセスしていただければ読めます。河西さんには無断ですが、今井論文(コチラは紙ベースでしかお渡しできません)と一緒に参考にさせて頂きます。

■~2012年夏季連続講座(今井照&松下圭一を読む)~
①8月9 日(木)午後6時半~中央公民館 第1会議室
②8月16日(木)午後6時半~中央公民館 第1会議室
③8月23日(木)午後6時半~中央公民館 第2会議室
なお、今晩は「第12回市民と議会の懇談会」で「矢野市政マニフェストの検証」「高橋市政マニフェストの再点検」をテーマに議論します。

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2012年7月14日 (土)

こまえ地方自治講座~夏季連続講座~のご案内

■6月狛江市長選という政治の季節が一段落し、新市政が誕生しました。さて、市長選挙を通じても財政問題やまちづくりや市民参加をめぐって議論が交わされましたが、ワタシ的には自治体改革論を中心にして、議会や市民、そして市役所職員の議論水準が高まらなければ、地方自治を我が物とすることはできないと固く信ずるものです。その際に議論の前提である地方自治(特に地方分権改革)の用語を基本的に理解しておく必要があります。

■そんなワケで、ワタシの愛読書で恐縮ですが、「地方自治職員研修」7月増刊号(100号記念)から、二つの論文を中心にみんなで読み合わせや意見交換をしてみたいと思います。なお、合わせて「自治基本条例研究会」の今年の取り組み(講演会等)についても相談する機会としたいと思いますので奮ってご参加下さい。もちろん参加できる日だけでもOKです。なおコピー代を200円程度いただきます。

~2012年夏季連続講座(松下圭一&今井照を読む)~

■期日:①8月9 日(木)午後6時半~中央公民館 第1会議室
    ②8月16日(木)午後6時半~中央公民館 第1会議室
    ③8月23日(木)午後6時半~中央公民館 第2会議室

■テキスト:「地方自治職員研修」臨時増刊号より、①松下圭一 法政大名誉教授「なぜ、いま、基本条例なのか」(2002年) ②今井照 福島大教授「市民参加の論点」(2003年)を用意します。すでに10年前の論文ですが、云わば今日の「市民参加」や「自治基本条例」論の原点ともいえる論文(それぞれ8~10ページ)です。なお、夏休みの宿題として、ご一読希望の方はお声かけて下さい。

■不明な点は「こまえ地方自治講座」主宰:清水信之まで
090-5815-5761   Eメール:shimizu022048@yahoo.co.jp

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2012年3月28日 (水)

「大阪府教育・職員基本条例を考える」

~こまえ地方自治講座のご案内~
■3月23日、大阪府議会は知事の教育への関与を強める府教育行政基本条例と、校長の権限強化や保護者の学校運営参加を定める府立学校条例、職員評価や処分厳格化を規定した職員基本条例を大阪維新の会と公明、自民の3会派などの賛成多数で可決しました。ご存知のように大阪都構想など一連の橋下徹現大阪市長発の地方分権改革ですが、これほど賛否両論が沸騰している改革論も珍しいのではないでしょうか。

■さて、狛江市政も本年6月には市長選挙が実施されますが、4期16年の矢野市政とはナンだったのか、次期市政に求められる改革論とは何か、橋下改革の検証を通じてそのヒントが得られれば幸いです。可決された教育2条例と職員基本条例条文などをテキストに賛否両論のディベートに挑戦してみましょう。(できたら事前に疑問点やご自分の考えをまとめて来て下さい)

■「こまえ地方自治講座」はこの2年間程休止中でした。「自治基本条例研究会」等の学習活動と重なったためです。その基本条例研究会が報告集の刊行で一定の区切りがついたところで講座を再開したいと思います。月1回程度で資料コピー代のみの自由参加です。どなた様もお気軽にご参加下さい。

■平成24年度 第1回こまえ地方自治講座
■テーマ「大阪府教育・職員基本条例を考える」
■4月6日(金) 午後6時半~9時
■狛江市中央公民館  第2会議室
■主催 こまえ地方自治講座(清水信之090-5815-5761)
以上

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2011年1月 1日 (土)

謹賀新年

■昨年の年賀状で『待望の政権交代で政治文化は確実に変化しつつあります。明治以来の「官治集権政治」(松下圭一)の解体であり、「日本人が市民になった」(浜矩子)瞬間ですよね。』と高く評価しましたが、なかなかスッキリ行かない民主党政権の歩みにイライラが募りますね。だけど「任せる政治から引き受ける政治」(宮台真司)を選択したのは私達ですから少し辛抱も必要ですよね。

■「すべり台社会」(湯浅誠)「無縁社会」(NHK)「孤族の国」(朝日新聞)は今、私たちの生活の場である地域社会を確実に侵食しつつあります。だから「こまえ派遣村」を仲間とスタートさせ、現在8人の当事者達(年末の28日の生活保護申請で一人加わりました)と生活自立のための活動を進めています。コミュニティの再生を夢見て。

■その活動を通じてわかったことは(恥ずかしながら議員時代には不明でした)最後のセーフティネット=「生活保護」(行政)の破綻状況です。「陸の孤島」(密室)の保護行政を開けてみたら、「水際作戦」の横行、そして貧困ビジネス(ピンハネ宿泊所)との一体化など、そこは「無法地帯」でした。

■だから「地方政府」の仕事や運営の仕組みを住民がコントロールする「自治基本条例づくり」運動にも力が入ります。NPO法人ハンディキャブこまえ事務局長として狛江市「市民活動センター」開設準備委員会の委員として役所の下請けでないNPO活動の自立拠点づくりにも汗をかきます。インチキNGO・ピースボートに対する損害賠償裁判も2年目に突入です。

皆様の今年のご健勝を祈念致します。

〒201-0005 狛江市岩戸南4-27-8 清水信之
 携帯090-5815-5761 (こまえ地方自治講座・主宰)
 プログ『トホホ日記』で地方自治を耕します 
 http://shimi-nobu.cocolog-nifty.com/blog/

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2010年6月29日 (火)

「私たちのまちの議会」があっていい!(続・講座報告)

■さて、安藤邦彦委員長(公明幹事長)・岩永ひさか副委員長のリーダーシップによって実現した多摩市議会基本条例による改革議会の実際の姿は、9月施行までに詰められる「運用規定」を待たなければならないけど、基本的に元祖・栗山町議会条例を始め100を越える先発組の議会条例とリンクしていることは以前の講座で学習した。

■この辺のことについて「多摩市議会ウオッチングの会」代表の神津さんから辛口コメントがあった。すでに(骨抜きの)「アクセサリー条例」(福嶋浩彦前我孫子市長)との評価もあると。続けて「(多摩市)自治基本条例も市民参加は(アリバイづくりで)形骸化している現実がある。だからこそ議会に多様な民意を汲み取る機能が求められているのだが、当初の市民の期待する改革論からはかなり後退したものになりそうと心配していた。

■その点、岩永さん自身も率直に認めていて、例えば「議会報告会(意見交換会)条項」でも「出来る規定」でなく、具体的に「年○回以上開催しなければならない」など実行性を担保する条文までにはならなかったこと、あるいは「市民からの政策提案条項」も従来からの「陳情」審査以外に「市民は政策提案を提出できる」とあり、「委員長は必要に応じて市民の発言(提案等)を許可できる」とあるが、当初の議論では本会議上での市民発言も開放すべきなどの意見もあったが「委員会への市民参画」に留まったこと、「自由討議条項」においても、やはり本会議場ではなく「原則として委員会活動を中心に議員間討議」へと落ち着いたことなど、全会一致への調整過程でハードルを下げざるを得なかったことが見て取れる。

■ちなみに狛江市議会では陳情審査は書面重視で陳情者の意見開陳の機会はない、かっては意見を聞くこともあったがあくまで「休憩中」のオフレコ発言どまりだったが、それすらも今は実施していない。多摩市の「議会への市民参画」は、従来の「陳情」審査手続きとどう違うのか、「市民3分間スピーチ」は担保されるのか?9月の多摩市議会が待たれるところである。

■多摩市議会が全国的に注目を集めている改革に、数年前から実験を繰り返してきたものだが、決算審査に議会独自の事業(政策)評価システム(議会の評価)を導入し「決算・予算の連動」を実現し、各会派のブンドリ合戦ではない議会としての予算編成への責任ある介入を試みている点があり、もちろんそのことは条例上も「二元代表制の一翼を担い責任を果す議会」(第4章)の目玉になっている。

■しかし、一方で第4章(市長と議会の関係・権限配分)の「議決事項の追加」では「追加できる」とのみとし、あえて具体的に「総合計画・都市マスタープラン等」への議会関与に踏み込まなかったのは、基本計画等の決定に関与するとその後の政策議論が窮屈になるとの慎重論が浮上したことによるらしい。ウーム予算に責任を持つ多摩市議会がナゼそうなるのかよく分からなかった。(政策評価(議会評価)はPDCAサイクルとして完結するはずであり、プランに関与せずとは?)

■市民に中途半端な(アリバイ)参加させ、その実、行政主導の前例踏襲型お飾り総合計画(その結果の放漫財政)づくりだった狛江市の苦い体験からすれば議会でこそ総合計画の議決権を奪い取って責任ある審議をすべきであり、(犬の遠吠えの)チェック機能で良しとするなら議会は官僚の手の平である。ところで、議会ボランティア論(職業議員はいらない)の河村たかし(名古屋市長)が議会の反撃に会い、総合計画の「議決事項追加」議決をしたところ「市長のマニフェストを縛る議会の暴力だ!」と叫んだエピソードがあるが、これってまさに首長VS議会の権力闘争ナンですよね。

■その首長と議会の権限関係は元々圧倒的な首長の権限過剰(佐藤竺・成蹊名誉大教授)であって、「二元代表制」「車の両輪」諭は議員バッチのごとくお飾りでしかないのが現実であり、「トホホ日記」の由縁ナノだけど、さて次に、助言者の石井さんの指摘を断片的ながら紹介したい。「間違っている市民の定義」として、多摩市自治基本条例を踏襲した多摩市議会基本条例も同様の誤りを犯していると批判する。

■石井さんは言う、まったくもってイヤらしい「請願・陳情」なる自治法上の言葉に象徴されるように、2000年分権一括法を経てもなお、明治以来の「中央集権国家の行政統治のための地方自治法」の本質は残っている。(だから地方政府基本法が必要)確かに国の下請けから対等な政府間関係となったといわれる2000年改革がもたらしたものが自治体の憲法「自治基本条例」であるが、元祖ニセコ町が「まちづくり基本条例」と命名したことから、誤解を生み、ハードのまちづくり条例とごっちゃになっている。約150自治体が制定済みだがその9割ほどが「市民」の定義に「通勤者・通学者」や「NPO・企業」まで含めているが、大間違いという。

■なぜなら、憲法とは「政府に対して、国民の権利を守り、憲法に定めた統治の仕組みと運営にしたがって国政をつかさどるよう命令するもの」(立憲主義)であり、「主権者である住民が代理機構である自治体政府への信託事項を明示するもの」(松下圭一・二重信託論)が自治基本条例なのである。市民の定義論争は昨年末議決された「小平市自治基本条例」でもあった。(小平市では「市民=住民」とした)初めの一歩の主権者規定を間違うと信託関係も曖昧になるから問題だ。(信託条項の一覧表の作成主体・憲法制定権)

■「住民は自治体政府(首長・議会)に政治を信託するわけですが、丸投げするわけではない」あくまで「主権者である住民の意思によって定められた自治体運営のルールに従って、政治をするよう命令する関係」(石井)となれば、首長と議会の権限配分や議会のかたち(定数・報酬)や市民(住民)の政策決定過程への関与(参加)の手続きのあり方などすべてのこれまでの自治体の制度設計を市民が根本から見直すことが可能となるのです。となれば繰り返すが、今の強力首長型とするか、議会こそ民主主義の中心であり、二元代表制を実質化するとするかは正に市民の選択に委ねられていることになる。

■岩永さんが最後に「2年半の議会条例をめぐる議会内、市民とのキャッチボールを経て議員の意識は確実に変わった」と言ったように、「自治基本条例(議会基本条例)」制定作業は市民の主権者として成熟過程であり、また首長・行政職員や議員の意識を大きく変える行程となることは間違いない。後発組だから先発組の不足を補うことを含めてよりバージョンアップできる可能性もあるし、多摩市議会は多摩市議会の流儀があるように、狛江の市議会も狛江流があって良い。「私たちがつくる・・・」(基本構想)のだから。

■余り整理できなかったけど、とりあえずの続編を終わる。次のステージは「狛江市自治基本条例(議会基本条例)草案づくり検討会」の立ち上げに移りたい。7月15日(木)夜間の日程を中心に調整中です。乞うご期待下さい。


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2010年6月27日 (日)

子育てママ(33歳)岩永さんの多摩市議会改革奮戦記

■昨晩(26日)は参院選公示直後の土曜とあって、ゴメン!センキョでと市議達が参加しにくい最悪の日程だったかもしれない。「議会基本条例」という、最もアンタ達の存在そのものが問われているテーマでしょ、とコチラは前のめりになっても、残念ながら未だ「議会改革」にリアリティが持てない狛江市議会の意識状況の変化はそう簡単ではないことをあらためて自覚させられた「6.26こまえ自治講座」でした。しかし2名の市議の参加に留まったことは残念だけど、議論の中身はとっても濃くて、ワタシの要点筆記のレポートではとても集約できない多岐にわたる本質的なテーマへの接近ができた「熟議」の3時間でした。(当日資料としては①多摩市議会基本条例本文、②「多摩市議会だより5月2日号(基本条例制定を伝える)」、③多摩市議会市民アンケート、④「間違っている市民の定義」(石井論文)、⑤「狛江市自治基本条例草案づくり検討会・立ち上げ相談会」呼びかけ文でした)

■というのも、実に多彩な立場の方々(22名)に参加していただき、改革論の多面的な検証や課題の抽出が可能となったからです。ゲストスピーカーの岩永さん、石井さんに加えて、多摩市議会ウオッチングの会代表の神津さんも駆けつけていただき、元狛江市基本構想審議会委員、元基本計画市民委員、まちづくり委員会メンバー、NPO連絡協議会の中心メンバー、財政研究会代表、元「狛江手づくり財政白書をつくる会」代表、そして議会事務局職員にも加わっていただくというかってない豪華メンバーだったのです。

■さて本題ですが、とてもチャーミングな33歳子育てママの岩永さんという女性が海千山千のベテラン議員を相手に議会改革特別委員会副委員長としてこの多摩市議会基本条例づくりのファシリテーター役を務めたという事実それ自身が多摩市議会(多摩市政)の「政治風土」というか時代の確実な変化を感じ取ったのはワタシだけではなかったと思う。まさに改革・多摩市議会の象徴が岩永さんだったのではないでしょうか。

■その彼女の約45分のトークの大半は、多摩市議会改革のバックグランドの紹介とその2年半の「基本条例特別委員会」運営の「裏技」を含めて成功の秘訣に披露するものでした。バックグランドでは、多党化し、大会派による「与党」形成がない多摩市議会の不安定だがそれだけ議論が活発であるという特徴と、平成16年多摩地域初の「自治基本条例」制定以降の意識状況として、平成19年市議選時に公明党を初め多くの市議会会派が公約に「次は議会基本条例」を謳うという背景があったことでした。そして特に、全会一致で着地することが出来た特別委員会の活動には幾つかターニングポイントがあり、その第一が当日も資料を用意した20年3月「議会に対する市民意識調査」(1,500人無作為抽出、回答513人)の“衝撃”だったと言います。

■それまで議会の中には、ナゼ議会にまで市民参加を拡大しなけりゃならないのか等(議会聖域論?)基本条例制定への消極論もあったが、それを払拭したのはこの「市民意識調査結果」だったという。例えば「選んだ議員の活動に満足しているか?」に6割以上が「わからない」と答えているなど、つまり市民からはまったく議会(の役割)が見えていないこと、また期待されていないから、議員報酬や議員定数削減への大合唱が起きているという現実があらためて突きつけられ、このままではという危機意識につながったということでした。

■また、合計15回に及ぶ議会改革に向けた市内各所での「出前議会」も会場設営まで議員集団が行い、事実上「議会報告会」を実施し、新たな議会の姿を市民も議員も実体験することとなったようです。さらに「議会世論の形成」にも気を配り、全会派がそれぞれ推薦する専門家(6人)を参考人として議会に招致し、基本条例論議を深めていったことなどが紹介され、二年半をかけた会議は特別委員会・分科会・起草委員会、世話人会など合計で86回に及んだこともわかりました。(以下続く、明日書きます)

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2010年6月18日 (金)

「議会改革ネクスト・ステージ」

■「月刊地方自治職員研修」(公職研)が必読文献であることは何度も何度も言ってきた。少なくとも「自治体改革」を口にするなら、全国2千の自治体がそれぞれ必死で努力しているワケで、アンテナを高く張ってないと、バスに乗り遅れるというより、他自治体の先駆的政策を取り込むか否かの議論以前に、共通言語にならない。井の中の蛙状態ですよね。その典型が、20年も前にニセコ町から発信されている「自治基本条例」を巡る議論が我が狛江市の行政内部も議会でもまったくなかったことですよね。

■「職員研修」7月号の特集は「議会改革ネクスト・ステージ」です。そのメニュー一覧だけですが、これらのレポートこそ、現在の地方主権改革の試金石と言われる地方議会改革の最前線です。特に6月26日の講座「多摩市議会基本条例を聞く」に参加希望の方を含めて、ご希望があれば、コピーを差し上げますよ。

①「議会内閣制の対案」廣瀬克哉(法大教授)
②「議会事務局の充実強化について」駒林良則(立命館大教授)
③「自治体議会における会派の役割と可能性」田口一博(新潟県立大准教授)
④「議会の市民参加のメニュー」赤川貴大(東京財団研究員)
⑤「政策立案における議員と議会事務局のコラボレーション」津軽石昭彦(岩手県庁)
⑥「議会機能の充実・強化を目指して」三谷哲央(三重県議会議長)
⑦「『チーム議会』と市民参加で進める自治体議会」井島慎一(会津若松市議会事務局)
⑧「連載企画『変えよう地方議会』余話」矢野奨(河北新報報道部)

■「職員研修」の特徴はわかり易いことです。ワタシラ自治体学や公共政策の素人でも理解できます。管首相の「政治理念の原点」であり、「自治基本条例」の発信源である松下圭一・法大教授の「市民自治の憲法理論」(岩波新書)は難解だけど、廣瀬克哉・法大教授は「議会改革フォーラム」という現場の実践的な学問です。「注目を集めている橋下・大阪府知事の『議会内閣制』と河村・名古屋市長の『ボランティア議会』は首長制の強化であるが、あるべき議会像の提起ではない」と諭す。「求められているのは議会を市民のものにするグランドデザイン」であり、それは現に『栗山町議会基本条例』以来100を越える地方議会の改革として進行中だというワケです。

■もう1つの発見は河北新報記者のレポートで、ニセコ町基本条例がこの3月リニュアルしたと言うハナシは書き留めておきたい。ニセコ条例は4年ごとに改正されてきた(第一次改正は議会条項の追加)が今回の改正は小ぶりだが意味深い。条文から『協働』の文字が削除した件で、片山町長のコメントが引用されていた「『協働』が住民と行政の対等なパートナーシップと意味で使われるのには違和感がある。主権者である住民と住民の意思に基づいて働く役場が対等なはずがない。役場は住民に責任を転嫁するために協働を言い訳にしてはいけない」だって・・・。これって実は「第二ステージに向かう自治基本条例」と言ったのは神原勝・北大教授の「自治・議会基本条例論」(公人の友社)ですが、平成13年施行のニセコから6年、平成19年施行の多治見市市政基本条例へと進化してきたことを元祖ニセコも取り入れるという相互振幅作用なのですね。これが自治体改革のダイナミズムということなのですね。マニヤックなお話で恐縮でした。

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―第27回こまえ地方自治講座―

~「生まれ変わる議会」へ、多摩市の挑戦!何が多摩市の議員達を突き動かしたか!都内初の「議会基本条例」制定の意義を岩永ひさか市議(特別委・副委員長)に聞く~

■平成22年度からの狛江市の基本計画(5年間)では「自治体運営の基本ルールの検討」が謳われましたが、それは「市民と協働のまちづくりから住民自治のまちへと向かう一歩」(矢野市長22年度所信表明)であり、自治基本条例(議会基本条例)の制定を意識したものです。
■平成12年ニセコ町から始まり、全国で約150の自治体で制定されている「自治基本条例」そして「議会基本条例」(制定100以上)とは何か?をこれまで学習してきました。
■多摩市では平成16年に「自治基本条例」を制定し、それから6年、本年3月には都内で初の「議会基本条例」を制定しました。それは「議会報告会」「市民からの政策提案」「市長等の反問権」「議員間討議」など、”遠い存在だった”議会の大変身です。
■その多摩市議会の一大改革の具体的な姿、そして改革の原動力の秘密に迫ります。

■平成22年6月26日(土)夜6時~9時
■狛江市中央公民館・第4会議室(2階)
■ゲスト:岩永ひさかさん(多摩市議会議員)
■助言者:石井秀一氏(自治体総合政策研究所)
■資料代等:500円
■主催:こまえ地方自治講座(清水信之 ℡3480-0306)

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