河村たかしVS名古屋市会

2010年3月24日 (水)

河村たかしVS名古屋市会

■昨年4月、名古屋市長に就任した河村たかしと市議会のバトルがいよいよ「関が原の決戦」に突入した。著書「国敗れて議員あり」の河村たかしと会ったのは確か6年~7年ほど前の国会の控え室だった。当時民主党党首だった鳩山由紀夫氏に「住基ネット反対」の地方議員によるロビー活動で引き合わせてくれたのが彼だった。と旧ブログのブックレット「見せます!議会の裏側」(平成18年)に書いてあった。

■ワタシが「地方議会解体論」(平成17年9月)に傾斜していったその頃から河村は「現代の貴族・議員天国」粉砕こそが政権交代より先だ!と言っていたし、実際、議員年金廃止法案など彼の行動力には目を見張るものがあった。その河村たかし名古屋市長のドエリャアー改革論の3点セットは①「10%住民税減税」②「地域委員会創設(地域内分権)」③「議会改革・議員定数報酬の半減」であり「政治ボランティア(一括)条例」と呼ばれるものである。

■①と②はともかく全面対決条例こそ定数(現在75名)・報酬(現在1500万円―ただし政務調査費と費用弁償で合計2195万円)半減条例であることは明らかだ。ちなみに少し前だが地方議員(市会議員?)の全国平均は確か約400万円であり、都市部の狛江市で約800万円(現在期限付減額条例で約700万円)だから政令市などの報酬は桁外れに高い。

■自ら市長報酬を2500万円から800万円へ、退職金(4年で4225万円)も廃止した河村が目指す地方議会像は明確であり、それは欧米型のボランティア議会だ。さてハナシはここからなのだが、10%減税公約を巡る6月議会否決以降の全面対決でマニュヘスト(議員報酬・定数10%カット)もすっ飛ばして「半減条例」にエスカレートさせ、NO!なら議会解散!(応援団による議会リコール請求)と挑戦状を突きつけた市長に対して市議会が取った態度に大いに興味をそそられたのである。

■実はこの3月19日に「名古屋市議会基本条例」が成立したのである。三重県議会や四日市市議会など同条例の先駆者が近くにありながらまったくの居眠り議会だった名古屋市議会の急転直下の改革である。ナンと条例づくりを始めたのは12月だからヤッツケ仕事もいいトコだ。おわかりでしょうが、驚愕の河村市長議会改革案をナンとか葬り去りたい、スリ抜けたい一心の「議会改革やるから定数・報酬半減だけはカンベンして」の条例化ですよね。

■そんな議会運営条例だから美辞麗句の理念条例ではあるけど、それでも「自由討議」「市民議会演説制度(市民3分スピーチ~米国地方議会のパブコメ)」「議会報告会」そして「インターネット中継」など標準装備は踏まえているから面白い。そもそもインターネット中継がなかったことに象徴される密室議会だったことから考えればこれ自体は結構な改革だ。

■結局、居眠り議会が外圧を受けなければ何も出来なかったワケだが、我が狛江市議会も似たようなものでしょうかねえ?もっともコチラは市長の報酬審議会の助け舟で報酬復活(?)させてもらう代わりに、首長への牽制機能を強める議会改革も棚上げするという二人三脚の仲良しぶりだからオワリナゴヤのことなんて関係ないか?

■もう1つ興味深いハナシがある。「強力首長制(大統領制)」の日本の地方政治では議会は脇役に甘んじているから(オネダリ・擦り寄り・オール与党化となり)住民から見放される一方の地方議会の役割強化という改革に、首長と共に政策に責任を持つ―議決範囲の拡大があることはご承知でしょうが、いわゆる基本計画など各種行政計画を議会の議決事項とする改革(栗山町議会発)である。

■名古屋市議会も議会基本条例成立を前にして「基本計画を議決事項とする条例」を全会一致(河村与党も含めて)で成立させたのは議会改革論の当然の帰結だと思う。しかし面白いのはナンと河村市長はこれを称して「議会の大暴力。これでは市会帝国条例だ」と批判したという。首長のマニュヘスト実現へ足を引っ張る抵抗勢力・議会の権限をこれ以上拡大させたくないとの気持ちはわからないでもないが、これは明らかに河村の失言である。

■議決案件を拡大して堂々と議会にもマニュへスト(による計画)を同意させれば良いのである。基本計画への関与は、各論(要請請負)ばかりの議会の水準を上げ、責任ある対抗政策を争点化(修正)することとなり、必ずや市政を活性化させる。もしマニュへストが全否定されたならば「辞職・不信任・解散」を選べば良いだけのことである。こう言ってみたが「解散権」や「召集権」「不信任議決のハードル」「多選禁止」など長と議会の権限配分の問題はややこしい。これも主権者である住民によって選択できること(自治基本条例など)が真の地方自治なのではないかと思う今日この頃でした。河村と議会のバトルから目が離せない。

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