こまえ派遣村

2011年12月11日 (日)

バザー用品ご提供へのご報告と御礼

滞納一掃のその3ですが、こまえ派遣村関連のお便りをコピーします。

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御礼状

■この度は私たち「こまえ派遣村」に「バザー用品」をご提供いただき誠にありがとうございます。市内の20名を越える方々から物資提供をいただき、10月6日と12月4日(日)の「こまえ楽市」(市役所前広場)へ出店させていただき、合計57,850円の純益がありました。この使途として会議費、宣伝費、緊急生活資金など「派遣村」の運営に充当させていただきます。

■特に、引きつづく雇用不安などから、路上生活者となった方々が年末などに出現し、生活保護受給までのつなぎの間支給する「緊急生活資金」の確保ができたことで少しホッとしています。

■当会では昨年夏以降、路上生活者、生活困窮者の生活保護受給、アパート入居の支援を「自立生活サポートセンターもやい」(新宿)のご協力を得て行ない、現在までに狛江で当事者8名の方々をサポートしています。今後共、年数回の楽市出店を継続するなど、生活困窮者が安心して住み続けられる地域社会の支援ネットワークを充実させて行きます。今後共のご支援をお願い致します。

こまえ派遣村 連絡事務所
「みんなの広場」東和泉2-20-1203-3480-6792
(世話人 絹山、市原、清水)

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なお、府中緊急派遣村主催の「年末大相談会」が、12月17日(土)~18日(日)に府中公園にて開催されます。
仕事がなくなったり、住むところがなくなった方々の生活保護申請等の相談や炊き出しもします。多摩地区の拠点の府中派遣村に加えて、国立、多摩、立川、狛江とそれぞれの地域からも「派遣村」がスタッフを派遣し態勢を整えています。
こまえ派遣村も17日(土)に数人が駆けつけます。ご相談があったらご連絡下さい。

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2011年6月 8日 (水)

こまえ派遣村からのご報告

こまえ派遣村の楽市出店報告です。

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■「こまえ派遣村」に「バザー用品」をご寄付いただきまして誠にありがとうございます。(今回は9名の方から多数の品物をご提供いただきました)また運搬車両等様々なご協力にも感謝申し上げます。

■6月5日(日)には、当事者6名と支援スタッフ4名により、予定通り「こまえ楽市」(市役所前広場)への出店ができました。当日はお天気にも恵まれ、お陰さまで38,131円の売り上げ(出店料2,200円)がありました。この内2万円を東日本災害ボランティア支援金として「府中緊急派遣村」(被災地支援行動派遣隊)へ送金させていただき、残金は会議費、緊急生活資金など「こまえ派遣村」の運営に充当させていただきます。なお府中派遣村の被災地支援行動の詳細はhttp://blogs.yahoo.co.jp/peace19thをご覧下さい。

■次回は9月の楽市出店を計画中です。(8月にはバザー用品提供の呼びかけをさせていただきます)なお当会の目的である失業者・生活困窮者(路上生活者)の生活保護申請、アパート入居の支援、仕事づくり・居場所づくり活動にも引き続きご支援をよろしくお願い致します。

こまえ派遣村 連絡事務所
「みんなの広場」東和泉2-20-1203-348.-6792
(世話人 絹山、市原、清水)

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2011年5月22日 (日)

被災地ボランティア活動・支援金のためのバザー用品をご提供下さい!

■東日本大震災震災後約2ヶ月余を経過しましたが、メルトダウンが明らかになり予断を許さない福島第一原発を始め、復興への道のりには息の長い支援が求められています。私たちの兄弟組織である「府中緊急派遣村」より「被災地支援行動」が呼びかけられ、すでに5月連休中には第二次派遣隊19名が3日間の被災地ボランティア活動(南相馬市など)に従事したと報告を受けています。

■そこで、こまえ派遣村として出来ることを考え、被災地ボランティア活動・支援金のための「こまえ楽市」(6月5日)出店を計画しました。狛江市民の皆様には度々で恐縮ですが、お宅に眠っているご贈答品や着なくなった衣類(クリーニング済み)生活用品などいわゆるバザー用品を当会に無償でご寄付していただけませんでしょうか。ご連絡いただければスタッフが取りに伺います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

★こまえ派遣村連絡事務所:「みんなの広場」
        (担当・絹山達也)東和泉2-20-12  ℡3480-6794
★運搬担当の清水信之 ℡090-5815-5761へ
        直接ご連絡いただければ即ご自宅まで伺います。
(こまえ派遣村世話人:絹山・市原・清水)

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2011年2月 1日 (火)

貧困すぎる狛江市生活保護行政

■昨晩(1月31日)生活保護担当課(生活支援課)とこまえ派遣村の「懇談会」を行った。メンバーは派遣村世話人3名VS課長、査察指導員の2名である。昨年末の資料提供(狛江市の生活保護に関する基礎的資料に加え、自立支援プログラムの実施状況等)に関する疑問点へのレクチャーと、とりわけ「自立支援プログラム」をめぐる論点を整理し、「派遣村」と行政の連携を模索することが主な狙いだった。

■狛江市の生活保護行政の現場はソーシャルワーカー=ケースワーカー(CW)8名(その内嘱託職員2名)でありその仕事を指導統括する「査察指導員」そして課長の指揮の下にある。国の基準はCWあたり80世帯とあるが、現在正規CWは104世帯を担当しているので過重労働となっているとのこと。被保護世帯は平成20年643世帯(10.7‰)から平成22年753世帯(12.3‰)と相変わらずウナギ登りである。(ちなみに平成12年は333世帯)

■問題は保護率以外に「申請率」にある。申請率とは窓口に相談に来た要保護者数に対して生活保護申請を受け付けた数である。(さらに申請を受け付けて保護を決定した「開始率」もあるが)ナゼか?そこで「水際作戦」(悪名高いのが北九州市)の度合いがある程度わかるからである。ちなみに2008年で釧路市58%、東京都46%、富山市27%などである(「ルポ生活保護」)しかし狛江市ではナゼかこれをカウントしていないのである。

■「相談件数はカウントしているが、一人の相談者が何度も相談に来るので申請件数との対比はしていない」などワケがわからない理屈だった。現に私達は「狛江では受け付けない」と追い返された路上生活者の報告を聞いているし、そもそも派遣村が路上生活者等の生保申請を促すことを困ったことのように嘆いている支援課の雰囲気そのものが「水際作戦」そのものである。

■もうひとつ「派遣村」の党是(!?)である「直アパ」の論理が暴く、生保行政の「貧困ビジネス」(無料低額宿泊所)との「同伴」問題だが現在16名が「スリーエス」(狛江荘には2名)と「グッドライフ」(調布等)に収容されていることが判明した。緊急避難のための生活保護施設が市域にない状況からそれら無料低額宿泊所の活用を全否定するつもりはないが、自立支援に結びつかないピンハネの貧困ビジネスに丸投げし、結局は保護費の濫用になっていることを相変わらず狛江市は自覚していない。

■だからこそワタシラが問題にしているのが、懸案の「自立支援プログラム」である。そもそも「自立支援プログラムとは?」については厚労省のサイト以外に「ルポ生活保護」(本田良一・中公新書)が釧路市モデルを、「自立支援プログラムの構築」(板橋区・首都大学共編・ぎょうせい)で板橋区モデルを詳細にレポートしている。一口に言えば、稼動年齢層を含めて、急増する生活保護に対する抜本対策として平成17年の厚生労働省の通知で開始されたのが「自立支援プログラム」である。

■それは、それまでの援助指導の中心だった就労(経済的)自立(による保護廃止)のみでは効果薄であり、「日常生活自立」「社会生活自立」という総合的対策によって初めて要保護者の効果的な生活再建と財政負担の軽減につながるというものである。ウーム、ご理解いただくために、ここで釧路市のHPからコピーしておきます。

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釧路市自立支援プログラムの取り組み状況
≪目的≫
生活保護受給者の「自立」をエンパワーメントの視点で地域資源と共に「支援」することを目的としています。
≪内容≫
受給者の自尊意識を回復させるため、中間的就労として地域のNPO等各事業者と協力し、有償・無償のボランティア活動等を通じ受給者の居場所づくりに取り組んでいます。
こうしたことをきっかけに新たな就業の場の発掘につながったり、再就職の道が開けたり、その人なりの自立した生活が営めることを目指しています。
≪釧路市の自立支援プログラムは・・・・・≫
A「就労支援プログラム」
B「就業体験的ボランティアプログラム」
C「就業体験プログラム」
D「日常生活意欲向上支援プログラム」
E「その他のプログラム」
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■さて、そこで狛江市の自立支援プログラムですが、結論は「就労支援プログラム」(「就労支援相談員支援プログラム」「生保受給者等就労支援事業適用プログラム」「就労意欲形成プログラム」で構成されている)しか行っていないという遅れた状況なのです。ちなみに板橋区では16のプログラムを実施し、きめ細かな多様な支援によって「社会福祉法の理念に立ち戻り社会福祉サービス利用者が主体的に選び取る自立」としています。

■その狛江市就労支援プログラムの21年度実績はプログラム登録者として57名。その内、就労(廃止には至らないが部分的な就労)47名、生保廃止(安定就労による経済自立)10名である。約千人(757世帯)のうち就労可能な被保護者(稼動能力のある「その他世帯」)が約100人として、その内廃止が10名という数字の、この評価はさしあたりモノサシがないのでわからないが、ともかく「目に見える成果がこの就労支援だ」というのが現場の声だと言う。

■参考までに、狛江市基本計画では施策成果目標として「自立による生保廃止した稼動年齢層のいる世帯数:平成22年度~26年度までに55世帯分」としている。現状の水準を維持するだけの極めてヤル気のない目標値であり、かつ「就労支援=経済自立=生保廃止=保護費縮減」いう従来型発想そのままであり、そもそも「生活自立」「社会的自立」を含めた「自立支援プログラム」の開発に関心がないことがここでもわかる。(これってサボタージュ?勉強不足?)

■ワタシ的に前から気になっていたのが、狛江市のケースワーカー達の被保護者への『上から目線』である。従来型の経済自立=生保廃止が目標になっていることに加え、「惰眠防止」(自立したがらない被保護者を指導)の観念に囚われ過ぎているのではないか。極論は「生活保護が自立を妨げている元凶!」となる。(それを言ったらオシマイだよね)こうした感性からは、生活保護につきまとう「スティグマ」(恥辱意識)からの解放は見えてこないし、被保護者のエンパワーメントとしての自立という発想にも立てない。はたまたソーシャルワークとしての自分たちの仕事は一体ナンなのかとなる。

■もう一度釧路市のHPを見ていただく。-『受給者の自尊意識を回復させるため、中間的就労として地域のNPO等各事業者と協力し、有償・無償のボランティア活動等を通じ受給者の居場所づくりに取り組んでいます』-これこそ「生活保護行政の静かなる革命」と言われる自立支援プログラムのモデルだと考えたい。懇談会の最後は「こまえ派遣村の基盤が強固なものとなること(正式発足)を待って、自立支援プログラムの拡充や連携関係・役割分担の検討に入れると良いですね」と互いに確認し終了した。


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2010年12月15日 (水)

劣悪な施設からアパートへ

■先日ご紹介した江東区福祉事務所との「攻防」を経て、Dさんは国立の施設から狛江のアパートへ転居が実現します。(入居資金支給が決まり、現在引越しの準備中)実は昨日、立川市役所の記者クラブで、12月25~26日「年末相談会」(府中公園)のアピールのための記者会見があり、こまえ派遣村も共催団体として同席した際、「水際作戦の横行と貧困ビジネスと一体化している生活保護行政」の無法ぶり、深刻さを訴え、それへの闘いぶりを紹介しましたが、実はこのDさんのようなケースはかなり「荒業」に属する「直アパ作戦」なのです。

■ワタシラからすれば当たり前(移住は憲法上の当たり前の権利)のハナシなのですが、福祉事務所の現場ではアリエナイ話(狛江の職員は嘆いていました)なのです。つまり江東区(23区は基本的に同じ対応)では、まずアパート入居自体を認めていない(といって過言ではない)こと、さらに現在生活保護費を受給している自治体から他の自治体への「移管」はよほどの事情(公営住宅入居とか就職先の関係とか)がない限り認められていないからである。

■しかし毅然として申し入れすればこれを却下できるワケがないのです。ちなみにその際の「申請書」「理由書」を添付いたしますのでご参考にして下さい。

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              一時金支給申請書

宛先    江東区福祉事務所所長
                 
平成22年12月3日

アパートへの転宅のための一時金支給を申請します。なお移転先の狛江市への生活保護事務の移管手続きも行ってください。
以上、生活保護法第30条本文に基づき、審査を行ってください。
なお、審査結果は必ず文書にて回答下さるようお願いします。

申請者 氏名 ○○○○      印
住所  ○○○○ ○○○○ ○○○○        


連絡先 「さくら国立ハウス」内 ○○○○
又は 狛江市東和泉2-20-12「みんなの広場」内 こまえ派遣村 
(こまえ派遣村担当世話人 清水信之 携帯090-5815-5761)

こまえ派遣村の被保護者との関係 支援組織

※生活保護法第30条
第1項 生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする
ただし、これによることができないとき、これによっては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる

第2項 前項ただし書きの規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない

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             アパート転宅に関わる理由書

宛先  江東区福祉事務所所長

被保護者  ○○○○
 
平成22年12月3日

別紙のとおりアパート転宅の一時金申請書を提出させていただきましたがその理由につきまして以下述べます。

1、現在、私は国立市の無料定額宿泊所「さくら国立ハウス」にいます。失業し家賃滞納でアパートの退去を迫られ生活保護を受けるとき、それまで住んでいた江東区内のアパートでの居住を希望しましたが、ケースワーカーに施設以外ありえないと言われ、しかも空きがないとのことでやむを得ず遠方の現在の施設に入りました。

1、施設での生活は仕切りなしの4人部屋(トイレ、風呂、テレビも共同)で大変不自由です。食事も粗末でこれが一食あたり550円かとおおいに疑問です。生活保護費から差し引かれた残金は2万円ほどですので、酒もタバコもやらない私でも厳しく、地元の江東区への就職活動をしたくとも、外出等ままなりませんでした。

1、昨年8月28日の入所以来1年2ヶ月が過ぎました。その間施設側からの就労等へのサポートはなく、また保護を受けている福祉事務所からも今年11月まで訪問もなく、何か見放されたような孤立感を感じていました。本年10月、1年以上同室で仲良くしていたKさんが狛江市にアパート転宅し、Kさんはストレスから解放され体調も良くなり、今後の生活への希望にあふれている様子を聞き、私もなんとかアパート生活に移りたいと強く思うようになりました。

1、その狛江市にはKさんを含めて元ホームレスの方々が共に励ましあい仕事探しや地域のコミュニティへの参加などを進めている「こまえ派遣村」があります。もともと狛江市にも昭和63年頃約5年間過ごしたこともあり、そうした派遣村のサポートを受けながら就労自立の道も開けるのではないかと考えます。

1、狛江市への転宅を希望するもう一つの理由は、言いにくいことですが、江東区の福祉事務所の担当ケースワーカーの威圧的な態度や命令口調の「指導」にはノイローゼになるほどのストレスを感じてきました。そうした方々のいる江東区の保護行政にはもはや期待できないし、正直言って一日も早く離れたいのです。

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■ついでですが、次回はワタシラ「こまえ派遣村」が自らの立ち位置、存在理由を考える際、最も関心を寄せている「自立支援プログラム」とはナニか、狛江市での実情について資料が入り次第レポートしたいと考えていますが、そのような問題意識に至るまでに参考にした文献などもご紹介しておきます。とユーか今日の貧困問題・生活保護行政を考えるときの必須文献かなと思いますので・・・。

■湯浅誠「反貧困」(岩波新書)、岩田正美「現代の貧困」(ちくま新書)、本田良一「ルポ生活保護」(中公新書)、湯浅誠「あなたにもできる生活保護申請マニュアル」(同文館出版)、厚労省「生活保護受給者の社会的居場所と新しい公共に関する研究会報告書(平成22年7月)」、分権型政策制度研究センター「分権型の生活保護行政に向けて(平成18年8月)」(代表・新藤宗幸)、日弁連「生活保護法改正要綱案(平成20年)」以上。


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2010年12月 4日 (土)

貧困ビジネスと同伴する江東区福祉事務所

■ところで「貧困ビジネス」という造語の発信源が湯浅誠さん(2009年日比谷派遣村村長)だったと今頃知りました。さて先ずは江東区福祉事務所へ行ったハナシからですが、ナゼかと言うと前に触れた「さくら国立ハウス」(国立市)から狛江に一年ぶりに戻り、アパート入居をしている「こまえ派遣村の村民」Kさんの同室だったDさん(57歳)はもともとは江東区のヒトですが近くの施設に空きがないとのことで「さくら国立ハウス」へ送られ、すでに1年2ヶ月を経た方です。そのDさんを希望する狛江市でのアパート生活を実現するための交渉に出かけたというわけです。

■実は情けないことに、この業界では新人の私とDさん本人だけでは少し迫力不足なので、江東区議のNさんにも事前に連絡し同行を依頼していたのですが、議会中でままならず、我が派遣村の“本店”である「府中派遣村」のベテラン渉外担当Tさんという強力な助っ人を得て、遥か江東区へ乗り込んだというワケでした。足立区や江東区の保護率(生活保護受給者数)が相当高いことは推測できるので、福祉事務所の現場は大変なんだろうなとは思うが、失業中(建設業)でアパートから追い出される直前状態だったDさんはいわゆる「ホームレス」ではなかったにもかかわらず(身辺自立や社会性を促す名目の)施設行きを命じたケースワーカーはワタシラからすれば保護法30条違反のトンデモない奴なのでこちらもしっかり身構えて臨んだのでした。

■西大島駅そばにある総合区民センターの一角にそこだけ特別のエリヤの「生活保護第2課」がある。狛江市役所の福祉窓口のようにカウンター越しに職員達の仕事風景が拡がっているそれとはまったく違いアクリル板のような壁で一切中の様子が見えない空間に長イスが並ぶ待合室があり、少しだけ開いた窓口に要件を告げスピーカーで呼び出されるのを待つという今どき珍しい代官所のような役所だった。実はその日は保護費の支給日であり大勢の方が長イスや立ちんぼで自分の番を待っていた。

■保護課にはどこでも個室(2~3人用)の「面談室」が複数ある。やはり4つ程度の板で仕切られた個室があり、呼ばれるとそこに入り保護費支給を受けていた。ただしさっきの窓口とかで封筒を受け取った方もいたのでその差はナンだろうと不思議に思っていたらDさんがやはりその個室に呼ばれて意味がわかった。中には「宿泊所」の集金係が入っていてケースワーカー立会いで関係する入所者の保護費を天引きするのだった。NHKクローズアップ現代(2008年11月)などで福祉事務所の廊下で待つ強面の兄さんの風景が「援助か搾取か“貧困ビジネス”」として印象的だったがここでは特別室を用意された宿泊所集金係と江東区福祉事務所の姿があった。(さくらハウス=「特定非営利活動法人さくら福祉推進協会」は上得意先ナンだね)

■もっともTさんに聞けば江東区だけのハナシじゃなくて府中だって集金係は来ているそうだから本質的にはそう変わらないのが東京全体の貧困ビジネスとの相互依存関係だろう。肝心なハナシのDさんのアパート転宅の交渉だが、狛江市への「転宅一時金申請」の書面を見せて「受理か却下か書面で回答せよ」とやったので「一度本人と相談したい」など抵抗する姿勢も見せたが「問答無用、いつも命令口調の威圧的な態度のアンタとは本人が話したくないと言っている」と突き放すと「狛江市と相談して、移管を受けてもらえば転居費用は江東区ということになる」との事だった。どうなるか不安だが待つしかない。

■さて、ついでに少し「無料低額宿泊施設」問題を補足する。すでに概要は紹介済みですが、「無料?」なんてとこないよね。だから低額宿泊施設?これもインチキなことは「さくら国立ハウス」の4人部屋で見てきた。「低額」の意味は近隣の不動産価格より安いの意味だがむしろ明らかに高いですよね。同じ4~5万円なら立派な6畳のアパート(ユニットバス付)に入れますよね。福祉事務所が面倒がらずに地域の不動産屋さんを斡旋すれば別だが、住民票、電話もないホームレスの方はアパートに入れない。だから現状では施設は必要だが、あくまで「一時的な宿泊所」でしかないから「第2種!社会福祉事業」なのである。

■ちなみに同様な趣旨で生活保護受給者などのための収容施設の「第一種事業」(すこし長期の受け入れ可能)は公設か社会福祉法人しか経営できない許可施設なのです。それがまったく少ないから「第2種」を頼りにしているという関係なのです。しかも厚労省ガイドラインでも原則個室が前提ですし、例えば問題があった千葉市のガイドラインでは「3ヶ月以内に自立させるよう指導すること」謳われています。

■長くて半年でなければならない「低額宿泊所」へ1年以上も、もっと長期も当たり前な現実を放置しておく保護行政ってナンなんだ?の疑問により深く答えてくれるのは、厚労省の怠慢を鋭く糾弾する日弁連「無料低額宿泊所問題に関する意見書」(2010年6月18日)だった。関心ある方は是非ご一読を。また、施設へ放り込んでおくだけでは税金のムダづかいだけでなく「自立支援」にもつながらないはずなのだが一体保護法の目的である「自立を助長」のするための「自立支援プログラム」との関係はドーなっているんだろうなどのハナシは又。

■明日は派遣村の「こまえ楽市」へのフリマ出店の2回目だ。寒そうだが、当事者たちのガンバリに背中を押されてガンバロウ。

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2010年11月26日 (金)

続「直アパ」VS「貧困ビジネス」

■ナゼ「直アパ」にこだわるかですが、直接的な理由は「無料低額宿泊所」なるものの実態にかかわります。「無料低額宿泊所」の実態は東京都に届けられているもので平成21年度10月現在175箇所、その定員は5,428名と福祉保健局生活保護課のHPから知ることができます。東京都で1990年代までは20カ所程度で推移していたが、1999年以降、急激に新規開設が増えてきたといわれています。175箇所の施設名・住所等も一覧表になっています。

■狛江市内では「狛江荘・和泉本町2-25-5・定員20名」の一箇所です。この「狛江荘」(民間住宅借り上げと見られる)は都内で最大の組織「特定非営利活動法人エスエスエス」(区部52箇所、三多摩24箇所)が経営する施設のひとつです。その「狛江荘」に入居した経験を持つ方がこまえ派遣村には2名いますが、他にも「グッドライフ調布寮(定員63名)」や国立市の「さくら国立ハウス(定員27名)」などへの入居歴を持つ方がいます。

■その方々のお話を聞くと一様に「個室でないため、プライバシーが守られない、いざこざが起きる」「食事がまずい」「禁酒・門限など自由がない」などであり、実際に私達スタッフがある方の引っ越し作業のため見学できた「さくら国立ハウス」の4人部屋はおよそ10畳の空間にバス・トイレと仕切りのカーテンすらないベットが並んでいる状況でした。「エーッこれで住居費4万円を取るのかよ?」が率直な感想でした。

■さくらハウスの場合、ざっくりですが住居費4万円・食費5万円・水光熱費1万円ですから約12万円の保護費の残金は2万円というのが普通のパターンです。すでにマスコミで「ピンハネ」と問題視された一般的な「無料低額宿泊所」のケースと同じですが狛江荘もグッドライフもほぼ同じ実態です。

■さてこのような施設と生活保護行政の関係ですが、市原広子市議の質問(22年9月)への答弁では「他の県のようないわゆる貧困ビジネスというものは確認しておりません」としており、その理由として東京都が適正な施設運営のための「指導指針」を策定し、適時指導検査を実施したり、市のケースワーカーの訪問調査(年2回)もやっているからと言っています。オイオイ、少なくとも「さくらハウス」に送られた方は1年以上居たが一度もケースワーカーの訪問はなかったと言っている。(地元の「狛江荘」に居た方ですら訪問は受けなかったという)

■さて、なぜアパート入居でなく施設送りなのでしょうかの疑問への答えの一つが、実は「一年以上訪問調査していない」という実態と関係あるのではないかと思います。つまり送り込んでおけば施設側が適当(適切?)に管理してくれるので、ますます過重になっている(1人で100件近くもの被保護者を担当する)ケースワーカーの仕事が助かる(サボれる)のではないかと私は推測する。イヤそこじゃなくて保護費の抑制という財政上の理由じゃないのっていう方もいます。同じ市原質問への答弁で「宿泊所での生活となりますと、法律により都費負担対象ケースとなり、国が4分の3、東京都が4分の1を負担することになります」つまり市の負担を少しでも軽くするため施設送りが至上命令となっていた(る)だというのです。

■また長くなるので、「直アパ」の論理を一度整理します。基本に立ち返りますが、生活保護法30条は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによって保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、厚生施設若しくはその他適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に擁護を委託して行うことができる。 2 前項ただし書きの規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。」とあります。

■また、最近の貧困ビジネス問題を重視した厚労省は、全国調査(平成21年7月)を実施し「不適切な事案が見受けられた」とした「厚労省社会援護局保護課」の平成21年10月の通知で「①訪問調査の徹底及び劣悪な住環境にある場合の転居支援 ②消防署が行う防火安全対策への協力 ③未届け施設に関する関係部局との連携 ④生活保護費の本人への直接交付の徹底 ⑤無料低額宿泊施設の収支状況の公開の徹底」を各自治体へ要請したとあり、これを受けて「平成22年生活保護実施要領」も改訂されているとされています。

■当然ですが、被(要)保護者の意思に反して施設送りをしてはならないのです。しかし今も同行者(派遣村等)のいない福祉事務所の面会室の実態はどうでしょうか?つい数日前も、数ヶ月多摩川周辺で野宿した後、アパート入居を希望し、狛江市に生活保護申請に出向いたが「施設に入るのが条件です」と言われ、保護申請自体を諦め帰って来たという方から電話をいただきました。ナゼ施設送りかについては、実はまだケースワーカーさん達と論争があります。「自立させるために施設入所なのだ」と言うのです。

■生活保護法第1条「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」の「自立」を促すことや、同4条「・・能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として・・」つまり働ける者は就労の努力が前提ですよといったことに関る問題です。狛江の「自立支援プログラム」などについて次に書きたいと思います。


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2010年11月18日 (木)

「直アパ」VS「貧困ビジネス」

■9月27日「こまえ派遣村からバザー用品ご寄付のお願い」とする記事を載せて、「こまえ派遣村」の活動を初めてご紹介しました。報告が遅くなりましたが、市民10名の方から物資提供を得て11月7日(日)には予定通り「こまえ楽市」(市役所前広場)への出店ができ、24,411円の売り上げ純益がありました。なおこの使途としては会議費、通信費、緊急生活資金など「派遣村」の運営に充当させていただく事となりました。

■当日は当事者5名と支援スタッフ4名により8時半からの搬入、閉店3時までの販売活動、後の片付けなどそれぞれ分担しあいながら無事初体験のフリーマーケットを終えました。今後の「楽市」参加ですが、次回12月5日以降の出店もバザー用品が集まり次第実施したいと考えています。

■なお当派遣村では、寒さと年末が近づく中で、12月25日(土)~26日(日)には「年末大相談会」が府中市を中心として企画されており、こまえ派遣村も参加を予定しております。また、すでに数名の路上生活者の方から問い合わせがありますが、それらの方々の生活保護申請同行・アパート入居の支援を継続しながら、中長期的には、仕事づくり・居場所づくり等の自立支援ネットワーク化を目指して行政や地域の社会資源へ働きかけを強めていくことになるかと思います。

■さて、こまえ派遣村の存在理由・活動の根拠についてそろそろお伝えする時期かと思い自説を整理しておきたいと考えます。9月27日ブログでも少し書きましたが、それを端的に表現する言葉が「直アパ」(チョクアパ)です。これはもちろん狛江が発信源ではなく「府中緊急派遣村」(09年3月発足)の松野村長からの受け売りです。言葉のとおり、アパートへの入居を前提にした生活保護決定を「闘い取る」という意気込みを表しています。

■色々な原因で路上に放り出された方へのセーフティネットの最大のものが「住い」であることから生活保護費に「住宅扶助費」があり、家賃の比較的高い東京では月額53,700円(さらに敷金等)が支給される制度があることを考えたら、何故「闘い取らねば」ならないのか?不思議に思いませんか?この疑問を解く鍵が「無料低額宿泊所」という「施設」の存在です。

■「無料低額宿泊所」ってナニの前に、知っておかねばならない08年~09年の年末年始、全国民を驚かせた「日比谷公園派遣村」事件以前は「ホームレス・路上生活者」の方々の行く先は主に「緊急保護センター」への「収容」であり、その後まれに生活保護を申請した場合の行く先の多くがこの「無料低額宿泊所」だったのです。「まれに」と書いたのは「そもそもホームレスなど「住民登録」のない者は生活保護は受けられない」というウソのような現実が横行していたし、現に今でもそうした「福祉事務所の水際作戦」は無くなっていない。

■ナゼ「直アパ」なんてスローガンが出てくるか?に戻りますが、「NPO法人自立生活支援センター・もやい」(湯浅誠さんが副理事長)や「府中緊急派遣村」などが重いドアを開けた「直アパ」の対語と言えば「貧困ビジネス」と言えるかと思います。そうですマスコミを賑わした「ホームレス・生保行政を喰い物にする貧困ビジネス」の最たるものが「無料低額宿泊所」という施設経営なのです。

■長くなるので続編は又にしますが、福祉行政はホームレス状態の生保申請者を必ずこの無料低額宿泊所(他に厚生施設など類似施設もありますが)に送り込むことがシステム化していた(る)のです。さてその施設の実態や、ナゼ(またまたナゼですが)同じ住宅扶助費(約5万円)を支給するのに本人が希望してもアパート入居は厳として拒絶してきた生保行政の背後にナニがあるのか?そこに送り込まれた恨みの陰口で「ケースワーカーは施設側から袖の下でもあるのでは」という声すら聞くこの現実をどう理解したら良いのでしょうか?続きは又・・・。

■忘れましたが、トンでもない劣化状況にある「最後のセーフティネット・生活保護」行政を含めて自治体行政をどう統制し、リニュアルするかという「自治基本条例」のための公民館講座第2回「住民自治・地域主権を考える」(池上洋通)が明日19日夜7時から中央公民館でありますのでこちらも是非ご参加下さい。

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2010年9月27日 (月)

「こまえ派遣村」からバザー用品ご寄付のお願い

「こまえ派遣村」からお知らせです。

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■残暑厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、突然ではございますが「こまえ派遣村」からのお願いです。ご存知のように2008年の年末の日比谷公園における「年越し派遣村」は世界同時不況下の日本の「派遣切り」など急増する失業問題をクローズアップさせました。その活動の中心であったNPO 法人自立生活支援センター・もやい(事務局長・湯浅誠氏)と連携し、2009年2月より三多摩で「派遣村」を発足したのが「府中緊急派遣村」でした。

■本年5月、その「府中緊急派遣村」から「狛江市民が生活保護を切られたと相談に来ていますよ」と連絡を受けて、1名の狛江在住の生活困窮者の方の生活保護申請(アパート入居)を認めさせる活動を開始しました。その後3人の多摩川の野宿生活者(ホームレス)の方々の生活保護申請・アパート入居を支援してまいりました。(従来は6畳に4人収容等劣悪な環境の貧困ビジネスが経営する「低額宿泊施設」へ収容されていました)

■また、上記の活動と平行して狛江での支援組織発足のための勉強会(6月10日)や市役所・生活保護担当課による学習会(6月30日)などを経て、「こまえ派遣村」を準備組織ながらスタートさせてまいりました。現在は当該派遣村に関連する方々(生保受給者)の仕事づくりの検討や、新しく「施設」から地域のアパートへ転居希望の方の相談と市役所交渉などを進めております。

■このような「こまえ派遣村」を本格軌道に乗せるべく、先ずは支援者も当事者もみんなで動いてみようということで、活動資金集めのために「こまえ楽市」等フリーマーケットに出店することにしました。(当面11月7日の楽市)

■そこで、狛江市民の皆様にお願いです。お宅に眠っているご贈答品や着なくなった衣類(クリーニング済み)などいわゆるバザー用品を当会に無償でご寄付していただけませんでしょうか。連絡いただければスタッフが取りに伺います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

お問い合わせ
★こまえ派遣村連絡先:「みんなの広場」(担当・絹山達也)東和泉2-20-12 tel 3480-6794
★連絡事務所の絹山宅以外にも、スタッフの市原広子(市議) あるいは運搬担当スタッフの清水信之携帯090-5815-5761へ直接ご連絡いただければご自宅まで伺います。

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