自治基本条例研究会

2012年3月16日 (金)

「神原私案VS狛江市条例比較研究」を販売中!

■大阪都構想・教育基本条例などの橋下(大阪市長)改革が地方分権と国のかたちを問うものとして注目されている中で、狛江市自治基本条例研究会の「自治基本条例を考える座談会」が中央公民館で3月11日(日)に開催された。1年間の活動成果をまとめた「自治基本条例(神原私案)VS狛江市条例比較研究」(A4版145ページ)の発刊記念を兼ねたものでした。3.11震災1周年の各種イベントとも重なり、11名の参加と少し寂しかったけど石井秀一氏(自治体総合政策研究所)の記念ミニ講座を含めて、あらためて自治(体)基本条例の意義を確認する機会となりました。

■当日の話題でもあった次年度の第二期自治基本条例研究会については、まだ具体的な日程は定まっていませんが、三多摩で先行し制定済みの多摩市や三鷹市あるいは発信源のニセコ町や栗山町議会といった自治体の関係者をお招きしたいとの発案もありました。ところで自治基本条例研究会報告書でもある「比較研究」は自費出版で100部(予算6万円)つくりましたが、市長や関係部長さん、議会各会派をはじめ、すでに50部以上が500円のカンパと共に配布させていただきました。興味ある方は清水や研究会メンバーにご一報下さい。なお「みんなの広場」(3480-6792)でも販売中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月24日 (金)

「自治基本条例を考える座談会」のお知らせ

~第27回中央公民館のつどい~
『神原私案VS狛江市条例比較研究』発刊記念
「自治基本条例を考える座談会」
助言者:石井秀一氏(自治体総合政策研究所)

■国政への不信の中で、大阪都構想や教育基本条例などで有名な地方分権改革の旗手(?)橋下市長に注目が集まっています。一方、これまでの自治体改革の一つの集約点として「自治基本条例」「議会基本条例」が注目され、各自治体での制定が進んでいます。

■昨年度の公民館講座自主グループである私達「自治基本条例研究会」は、1年をかけて自治基本条例研究の第一人者といわれる北海学園大学・神原勝教授の自治基本条例私案と狛江市の条例・制度の比較検討に挑戦しました。

■狛江市の行政・議会のどこに問題があるか、狛江市で自治体の憲法といわれる自治基本条例を制定することでどのような改革に結びつくのかを明らかにするためでした。

■もとより素人の市民による試みですので決して充分とはいえませんが、狛江で自治基本条例とは何かを考える上でヒントにはなったのではないかと考えます。当日はその出来立ての冊子「神原私案VS狛江市条例比較研究」を手元にしながら、自治基本条例とは何か?狛江市の改革課題は何か?についてバトルトークをしてみます。どなた様も自由参加です。


■平成24年3月11日(日)午後1時~3時半(冒頭30分:石井講師のコメント)
■狛江市中央公民館 第3会議室
■主催:自治基本条例研究会

~当日は、こんな課題に挑戦します~
「狛江市の情報公開制度は充分か?」
「市民参加制条例改正で市民の満足度?」
「狛江市市民活動センター建設の行方は?」
「狛江市議会の改革度は?」
「狛江市自治基本条例の展望は?」
「原発都民投票は実現するか?」
「大阪都構想・教育基本条例など橋下改革への評価は?」

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月11日 (日)

池上洋通語録(12.9公民館講座)

■滞納一掃みたいな日曜日に集中のブログで恐縮です。9日には公民館市民ゼミナール最終日の再登場の池上洋通氏(日野市職員OB・多摩住民自治研究所)による「まちづくりに議会基本条例は必要か」をみんなで受講しました。わたしら「自治基本条例研究会」が昨年の公民館講座後に自主グループとして誕生したように、今年の公民館講座も「まちづくり、住民自治、行政・議会改革」などが一貫したテーマでした。

■昨年もブログで紹介したように、池上洋通氏は大和田一紘氏などと共に「多摩研」の名物講師として三多摩では有名な方であり、彼の憲法原理主義とも言える思想は少しの古さを感じるも傾聴に値するし、ナニより単刀直入のその語り口は聴衆をひきつけるものがある。この日も約20人の受講者を前に吠えました。

■その内容は、「多摩市議会基本条例」全文を紹介し、議会改革の必要性を説くものでした。すでにワタシラ自治研でも学習し、以前の「地方自治講座」でも多摩市議の岩永さんを招いて学習した経過があります。その案内状をコピーしました。ちなににその議論内容は昨年6月のブログをご参照下さい。

***********************

―第27回こまえ地方自治講座―
~「生まれ変わる議会」へ、多摩市の挑戦!何が多摩市の議員達を突き動かしたか!都内初の「議会基本条例」制定の意義を岩永ひさか市議(特別委・副委員長)に聞く~
■多摩市では平成16年に「自治基本条例」を制定し、それから6年、本年3月には都内で初の「議会基本条例」を制定しました。それは「議会報告会」「市民からの政策提案」「市長等の反問権」「議員間討議」など、”遠い存在だった”議会の大変身です。
■その多摩市議会の一大改革の具体的な姿、そして改革の原動力の秘密に迫ります。
■平成22年6月26日(土)夜6時~9時
■狛江市中央公民館・第4会議室(2階)
■ゲスト:岩永ひさかさん(多摩市議会議員)
■助言者:石井秀一氏(自治体総合政策研究所)
■主催:こまえ地方自治講座(清水信之 ℡3480-0306)

***********************

■さて、池上語録にもどります。池上氏自身が多摩市議会の議会基本条例特別委員会へ参考人として出席したこともあり、この多摩市議会基本条例への思い入れは強い。その特別委員会委員長が公明党の方であり、池上氏にも直接問い合わせしてくるなどその安藤邦彦委員長のリーダーシップと、党派を超えた多摩市議会の議論風土を高く評価するところから始まったのでした。(どちらかと言うと池上さんは共産党系と云われている)

■議会改革が特に叫ばれてきた背景には2000年地方分権法による機関委任事務(国の下請け制度)の廃止があると明言した後、自治基本条例制定の拡がりについて、本来「自治体基本条例」と呼ぶべきであると、元祖・発信源である松下圭一と同じ見解を示しました。そして分かり易く「国会法があるのだから議会基本条例があって良い」のだと説明を加えました。

■このように彼による議会改革論も憲法原理に導かれているかのようでした。続いて、そもそも議会の招集権が首長にあるという(二元代表性といいながら長の権限過剰である)おかしさにも渇を入れた池上さんでした。国会の召集権が総理大臣にあるのは議員内閣制だからであり、二元代表性の地方自治に首長が召集権を持つ根拠はないというのです。

■その後、丁寧に多摩市議会基本条例を解説してくれました。それでも26条に及ぶ多摩市議会条例を初めて触れた方にまで噛み砕いて理解させるまでには行かなかった気がします。一時間半の講義ではやむをえなかったかもしれません。そこで質疑の時間に私の方から、今後の議会基本条例論議の参考にと、自治基本条例研究会の成果物の「狛江市議会分析表」を配布させていただきました。それもコピーさせていただきます。

***********************

神原勝教授「札幌市自治基本条例私案」(第7章議会関係条項)と狛江市議会の制度比較検討(自治基本条例研究会第8回レポートより抜粋)
=12月9日市民ゼミ会場=(×は未実施の項目)

(議会の情報公開)
○本会議・委員会の開催日、議案の事前周知
×会議休憩の理由、再開時刻の傍聴者への説明
○議案審議資料を傍聴者に提供
×傍聴を容易にするため、夜間、土曜・日曜議会開催
○議会広報の市民配布
×議会関係図書の市民開放

(議会の市民参加)
×請願・陳情を政策提案とし、提案者との意見交換の機会を設ける
△公聴会及び参考人制度の積極的活用
×多様な方法で課題別及び地域別の市民参加(一般会議・議会報告会)を推進し、政策活動に反映する
×自由な会期設定と閉会中の委員会を頻繁に開催する

(議会の自由討議)
△議員提出議案の増大に努め、議員間の討議を拡大する
×市長・職員の委員会出席を抑制し、議員間討議を拡大する
×委員外議員の意見表明の機会の保障
×会派による個人の意思の表明に対する拘束を抑制する
×本会議及び委員会の議場を提案者と質問者の対面方式または円卓方式とする
△全員協議会及び委員会協議会の開催により議員間の自由な討議の機会を拡充する

(議会と市長等の関係)
×議会の議決事件を拡大する
×会期中及び閉会中を問わず文書質問ができる
○質問は一問一答方式で行う
×質問内容の事前通告は行わない
△職員に質問の代筆行為を依頼してはならず、職員はかかわってはならない
×議長は、議案を付託された委員会が当該議案を審議し、文書によって論点を整理し、公表するまでは、原則として市長及び職員に対して委員会への出席を要請しないこと
×市長及び職員は議員の質問に対して反問することができる

***********************

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年9月 6日 (火)

「参加条例・逐条解説書」も間違っている

■先のブログで「狛江市参加協働審議会・条例改正分科会座長」の「議会へ市民参加することはアリエナイ」(第3回改正分科会)のビックリ発言にツッコミを入れました。それは制定以来「7年間条例を使ってきた市民の目線から」の総括と「自治体運営の基本ルール(自治基本条例)の検討と併せて条例を見直すこととなります」(22年11月8日同審議会・山岡会長)の観点も踏まえて、自治基本条例研究会メンバーの狛江市参加協働条例への根本的な疑問に基づくものでした。

■前回は「市民参加」という概念が、市民参加協働条例制定(平成15年)によって不当に矮小化されてきたことを論証しました。そこでもう一度、関係者以外には見えていないので条例の該当箇所をコピーしておきます。

*************************
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市民参加 行政活動に市民の意見を反映するため,行政活動の企画立案から実施,評価に至るまで,市民が様々な形で参加すること。
(2) 市民協働 市の実施機関と市民公益活動を行う団体が,行政活動等について共同して取り組むこと。
(3) 行政活動 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「地方自治法」という。)第2条に規定するところにより事務を処理するために行う活動
(4) 市の実施機関 市長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会をいう。
*************************

■ですから、「議会への市民参加」という言葉は、少なくとも法規上は「ありえない」し、使えないのですよね。ところが私達が学習した「神原私案(札幌市自治基本条例案)」でも、栗山町議会条例でも多摩市議会条例でも、行政と議会に対して共通用語として「市民参加」を使っています。当たり前ですよね。狛江では例えば議会への市民の意見反映をわざわざ「議会参加」とでも造語しなければなりませんよね。

■さらに困ったことに参加条例の手引書(「基本的な考え方」)、業界用語での「逐条解説書」には以下のように書かれているのです。

*************************
「なお、「議会」については、この条例に含めなかった理由として、そもそも首長とは異なる代表性を有する機関であること、及びこの条例の対象となる市民参加と市民協働にかかわる施策(第5条)を実施する機関ではないこと、したがってこの条例の実施機関(第2条4号)とはならないことと判断したためである。」
*************************

■つまり、行政府への参加のみに限定した条例であるといっているのですが、問題は次の第5条です。

*************************
(市民参加の対象)
第5条 市の実施機関は,次に掲げる行政活動を行おうとするときは,あらかじめ市民参加の手続きを行わなければならない。
(1) 市の基本構想及び基本的事項を定める計画等の策定又は変更
(2) 市政に関する基本方針を定め,又は市民に義務を課し,若しくは市民の権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃
(3) 広く市民に適用され,市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入又は改廃
(4) 市民の公共の用に供される大規模な施設の設置に係る基本計画等の策定及びその利用や運営に関する方針,又はそれらの変更
2 市の実施機関は,前項の規定にかかわらず,緊急その他やむを得ない理由があるとき又は市税の賦課徴収及び分担金,負担金,使用料,手数料等の徴収に関するもの(地方自治法第74条の請求権から除外されるもの)等については市民参加の手続きを行わないことができる。
*************************

■前回のブログで「Aさんの指摘」がこの部分です。「大事なことを決める時は参加して意見反映する」制度ですよね、ところが解説書の「議会を除く理由」と第5条をよくよく読んで見て下さい。『この条例の対象となる市民参加と市民協働にかかわる施策(第5条)を実施する機関ではないこと』といっていますが、基本構想の「策定」や種々の条例の「制定」は行政のみでは不可能であり、議会での議決行為まで含めて初めて「策定」「制定」が完結するわけですよね。「市民参加」と言うか言わないかは別にして、明らかに議会も「第5条」の「実施する機関」の範囲ですよね。もともと政策決定過程への参加は議会もその対象にしなければ部分的だから、多くの自治体では「市政(行政・議会)への参加」を市民参加としているのですよね。

■参加対象の「実施機関ではない」とは勘違いの大間違いという結論です。これで、研究会の当初から、みんなで首を傾げてきた「解説書」の解釈論争にようやくピリオドが打てますよね?ややこしいハナシで恐縮ですが、また石井先生のコメントも戴けるとありがたいのですが・・・。

■「新しいワインと皮袋」もブログに書きましたが、「パラダイムシフト」(思考の枠組みの転換)が必要なとき、前例踏襲型思考の役所の論理やごまかすテクニックとしての法務に対抗する「政策法務」能力をワタシラ自治基本条例研究会がしっかり磨かなければなりませんが、そのフィールドワークの場を「市民参加条例改正」を掲げる参加協働審議会が提供してくれました。9月10日(土)午後1時30分~:中央公民館地下ホールに奮ってご参加下さい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年9月 3日 (土)

「行政と一体となった」参加協働審議会?

■自治基本条例研究会の会場である公民館のお知らせコーナーに「9.10参加と協働推進市民フォーラム」(主催:狛江市市民参加と市民協働に関する審議会)の案内ビラを見て研究会メンバーが驚きました。それは「魅力ある市民参加と協働の仕組みを考える」~市民参加と協働の推進に関する基本条例の見直しに向けて~のタイトルの下の本文で「狛江市は、市民参加と市民協働の推進に関する基本条例に基づき、一貫して行政と一体となった市民によるまちづくりの推進を図っています。現在、この条例の見直しの検討を進めています。今回のフォーラムでは、より、望ましい市民参加と市民協働の推進の仕組みに向けて、主役である市民の皆様のご意見等を反映させることを目的としています。」とあり、「行政と一体となった」との表現への違和感でした。

■この参加協働条例改正への動きは、平成22年度の市長諮問に基づき、「狛江市市民参加と市民協働に関する審議会」(会長:山岡義典)が1年間の審議を経て平成23年2月に「見直しの方向性について」が答申され、本年度(23年度)には「改正分科会」が5月19日から始動し、本格的改正作業が開始されたというものです。その改正作業の工程表は本年12月で条例改正素案をまとめ、平成24年1月にパブリックコメントを経て、3月に条例改正案を答申するとあります。(市HP「会議録のひろば」)

■さて、「行政と一体となった市民によるまちづくり」のどこが問題なのでしょうか?狛江市が7年前の平成15年(2003年)にイワユル「市民参加・協働条例」を制定したようにすでに「市民参加」や「市民協働」という言葉はこの10年、「情報公開」と共に、自治体では常識のように語られるようになりました。その狛江の参加条例前文にも「パートナーシップ」などの言葉が散りばめてあります。だから「行政と一体となった市民によるまちづくり」なる言葉が当然のように出てくるのでしょうが、ちょっとまって下さい。行政と一体化した市民活動・まちづくり運動ってナニかヘンだと思いませんか?

■本来、市民活動やまちづくりは市民の自由な空間であり、様々な課題や拡がりをもったものですよね。確かに行政と連携することで課題解決を図ったり、活動の発展につながることはあるし、それ自体を否定するものではないですが、実は戦前の町内会(隣組)であったりの危険性とまで言わなくとも、「NPOの下請け化」はすでに問題視されているのです。つまり、「対等な立場でまちの発展のために取り組む」(前文)はずが「役所の婿」になってしまい、(石井秀一氏はNPOの既得権益化、権力化の危険すら指摘するー公民館講座)一方、行政を「より市民に開かれたものに変えていく」(前文)という狙いもいつの間にか、「市民とのもたれあい」で行政責任を放棄する傾向すら生じているのです。

■だから「行政と一体」となってはいけないのです。両者は一定の距離感というか、緊張関係があってしかるべきなのです。というのもワタシラ「自治基本条例研究会」でトレーニングを重ねているうちに、徐々に「思想化」しつつあるワケですが、主権者としての市民は、その代理機構としての行政をコントロール下に置かなければならないからです。「行政への参加」も、その政策形成過程等に参加と批判を通じて、日常的に市民意志を反映させ、場合によっては行政と長への説明責任追及や異議申し立てを行う必要から、今日自治体の必須アイテムとして定着してきたのです。

■ここからが本文ですが、9月2日の第11回自治基本条例研究会の議題は「市民参加条例改正をどう考えるか」でした。当日も台風の影響で不穏な夜でしたが、10名の出席でワイワイガヤガヤとあっという間の2時間でした。まだ論点整理は途中なので再度同じテーマで9月9日に第11回研究会は開催します。

■そんなワケで、あまりワタシの勝手な集約はできませんが、みんなでガッテンしたことがあります。それはAさんの一言でした。それは「市民参加って市や市民にとって大事なこと決めようとするときに市民の意見を反映させるってことですよね。例えば基本構想とか○○条例などをつくるときですよね。それって最後は議会で決まるのよね。だとすれば『議会への参加』(アプローチ)も制度としてチャンとしてないと道半ばっていうか、もの足りないっていうか、不完全な制度っていうことにならないかしら」これは、7年前は輝いていた「市民参加条例」の(時代により劣化した)今日を言い当てた表現でした。

■ワタシ的には前にも書きましたので一部繰り返しになりますが、(6月11日「市民参加条例の最大欠陥は議会条項がないこと?」)当たり前のように受け止めていた「市民参加」や「市民協働」という概念をもう一度根本的に考えてみようということです。実はココが審議会の議論でも迷走しているから、ナンのための条例改正なのか市民にアピールもできていないのです。「市民参加は行政活動への参加」デス。条文に書いてあります。では「議会へ市民がアプローチする、陳情や要請などをすることはナンて言うのでしょうか?「議会への市民参加」と言わないですか?

■審議会の改正分科会の飯田座長の「議会へ市民参加することはアリエナイ」(第3回改正分科会)のビックリ発言は実は狛江市の法規上まったく正しい発言!?なのですよね。繰り返しますが「市民参加とは・・行政活動への参加」と条例に明記してあるのですから。皆さんもお考え下さいませ。「行政と一体化」したり、もたれあっているとリアルな改革課題が見えなくなってしまいますよね。とりあえず失礼します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月28日 (日)

「最高法規性」とは何か?

■8月26日(金)は夕方から狛江でも集中豪雨でしたが、第10回自治基本条例研究会は10名が出席し開催されました。いよいよ最終章「最高規範性と見直し手続き等」というマニヤックな自治体法務理論にUさんが挑戦してくれました。自治基本条例が「自治体の憲法」と云われる根拠の1つがこの「最高規範性(法規性)」という法律概念ですよね。ざっくり云えば、自治体の憲法に値する条例構成を持ち、当該自治体の他の条例や国の法律等の解釈にあたり、この基本条例を基準にして判断することだと思います。

■ワタシラ素人が、憲法や地方自治法を理解し、法理論上誤りのない自治基本条例を構想できるのか、そのためには相当のトレーニングが必要になることを改めて実感したのがこの「最高法規性」でした。その原理を理解するためには私たちの共通テキストである「自治・議会基本条例論」(神原勝)と共に、自治体総合政策研究所(石井秀一)のサイトから政策研究レポート「自治基本条例の最高法規性」を読むことをお薦めします。というより石井論文まで読まないと「最高法規性」はおそらく理解できません。

■ちなみに、神原私案「第10章」は以下のとおりです。

第10章 最高規範性と見直し手続等

(最高規範性)
第43条 この条例は、市政運営における最高規範であって、市は、この条例に違反する
条例、規則の制定その他の行為をしてはならない。
2 市は、この条例に定める市政運営の基本理念及び基本原則に照らして、不断にその他の
条例、規則等の改廃に努める。
3 市は、日本国憲法、法律及び政令等を独自に解釈し、運用する場合も、この条例に照
らして、自主的かつ民主的に判断するよう努める。
(見直しの継続)
第44条 市は、この条例の施行から3年を越えない期間ごとに、市民、職員、市長及び議
員等が参加する検討機関を設置し、この条例が初期の目的を達成しているかどうかを検討する。
2 市は前項の規定に基づく検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含
めて適切な措置を講じる。
(市民投票手続)
第45条 この条例は前条に規定する見直しの手続を経て、適切な時期において、市民投票に付し、過半数の賛成を得て、あらためて承認するものとする。

■Uさんは、法律用語の多いその石井論説を分かり易く要約して、各市自治基本条例の最高法規性の要件から見たオリジナルな「分析一覧表」を作成して解説してくれました。ちなみに比較対象とした自治体はニセコ町、札幌市、杉並区、多摩市、三鷹市、小平市でした。さてUさんによる、その「最高法規性の要件」とは、「①特別な改定要件(議会の特別議決)を設ける、②住民の批准投票を実施する、③自治体運営の基本的事項(自治体の組織運営原則、市民と自治体との権利義務関係等)の規定(の有無)、④条例の体系化に関する規定、⑤自治基本条例の尊重・尊守義務に緘する規定、⑥最高性の宣言規定」に集約できるとしました。

■Uさんが石井論文を要約してくれたように、(もっとも36ページもの論文を私自身も読みこなせたとはいえませんが・・)基本は「(日本国)憲法の最高法規性」に関する考え方を踏襲したものですから、先ずはそこの理解が大前提となります。憲法の第96条の「改正手続き(硬性憲法)」第98条の「最高規範(憲法に反する法令は無効)」第97条「総則的規定(憲法の目的・基本的人権)」第99条「尊重擁護規定(他の法解釈基準・立法基準)」の理解、ついで憲法第8章「地方自治」(二種類の政府・二重信託論)や2000年地方分権一括法による改正自治法(主従から対等へ・地域における総合的な行政主体)の理解を踏まえて「自治基本条例の立法事実(成立根拠)とその最高法規性の担保が確認されるのだと教えていただきました。

■そこで各市自治基本条例の最高規範性構成要件の比較表に戻りますが、最もハードルが高いのが、①の「特別な改定要件」であることが分かります。これは神原私案を含めて全市が記述なしです。ついで②の「住民の批准投票」は神原私案のみに設定されています。あとの③から⑥までは一部欠落がありますが、おおむねの自治体で記述されています。そのこと(特別議決)についても石井論文が詳しく解説しています。

■憲法が「国会での3分の2議決と国民投票という改定要件」を備えているのに、ナゼ自治基本条例の「特別改定要件」に踏み込まないのかですが、現行地方自治法による「条例制定の議決要件と『特別の定め』規定」が障害になっていることがわかります。第116条「この法律に特別の定めがある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」とあり、その特別の定めとは「事務所の変更」「役員解職議決」「秘密会議決」「議員資格喪失」「議員の除名」「再議の議決」「長の不信任議決」「重要な公の施設廃止」であり、それ以外は3分の2議決などを用いることができないとの解釈があるからです。

■当日の研究会でもアレコレ議論しましたが、ナンデこんな余計なお世話の議決要件まで地方議会が縛られなければならないのか?それこそ「自治権の侵害」ではなかろうかとのハナシでした。神原私案比較で議会条項も議論してきましたが、すでに議員定数や議決事件範囲の自由化すら実施されたというのに、議決要件にこんな縛りがあることに唖然とせざるをえませんよね。一刻も早く自治法改正のテーブルに載ってほしものです。それはそうと現行法でも解釈次第で特別議決(特別な改定要件)は可能とする立場の研究者・自治体もあり(神奈川県自治総合研究センター等)今後の自治基本条例策定(改正)の課題であることは間違いありません。

■とりあえず議論の一端を紹介し、第10回研究会の感想・備忘録としますが、この日の後半には、「狛江市市民参加条例改正」の議論とどう向き合うかを議題としました。この件は又明日にでも振り返りますが「行政と一体となった」参加協働審議会への批判を書きます。次回以降の研究会日程は、第11回:9月2日(金)午後7時~第3会議室、第12回:9月9日(金)午後7時~第3会議室です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月23日 (火)

「市民の責務」規定はいらない!

■22日ブログの続きです。神原私案「第9章市民、市長、議員及び職員の責務」に関してですが、報告者のYさんも悩んだ末「神原私案と他市(自治基本条例)比較」を作成し、議論の題材としました。というのも狛江市の条例・規則に神原私案に該当する「責務」規定は各政策条例に散見するものの、当該政策領域に限定されるものであり、比較しようがないからでした。

■その各市比較は小平市、多摩市、三鷹市、杉並区の自治基本条例でした。市長や議員、職員の責務については省略しますが、「市民の責務」では「納税の義務」に関するもの、「まちづくり」や市民相互の「連帯」、「地域社会の発展への貢献」等でした。

■ところで、神原私案では市民の責務を「第39条 市民は、この条例を定める知る権利及び参加の権利等を行使して、社会における連帯意識と公共心を培い、もって基本的人権の尊重のうちに互いが共和する豊かなまちづくりに貢献する責務を有する」と書いてあります。議論の中で、そもそもそれぞれの責務規定を集約して、章立てにした意図はどこにあるのですかね?との疑問も発せられました。

■当日は時間もなく、これもアト出しジャンケンのようなハナシで申し訳ありませんが、そもそも「市民の責務」を基本条例に書き込むこと自体への疑問がムクムクと湧いてきました。それは昨年の公民館講座での二人の講師のハナシを思い出したからでした。

■さて、その第一は池上洋通講師の憲法講座です。学習記録38ページの中段に「さて、国民と憲法の関係では、立憲主義というのを次にように理解することが大切。国民が憲法に支配されるのではなく、国民が書いた憲法を、権力を握る者に与えて、このように働きなさいというのが憲法。これが肝心である。みなさんは、まちの憲法をつくると考えて『自治基本条例』をつくろうとしておられるようだが、それは公務員に対する命令文書でなければならない。「市民の義務」なんて書いたらダメですよ。市民を支配するためにつくるものではない。この根本を忘れると訳のわからないものになってしまう。」とあります。

■次に、石井秀一講師もほぼ同様な見解を示した上で、さらに「『市民の責務』規定は必要なのか」と詳しく論文を提供して頂いております。それは自治総合政策研究所のサイトの「自治基本条例読本-その15-」に書かれているものです。詳しくは是非《自総研http://www.jisouken.com》にアクセスしていただきたいのですが、その核心部分のみ転載させていただきます。

*************************
③憲法における三大義務は不要な規定
『このように、現憲法の国民の三大義務は、そもそも最初のGHQの憲法草案にはありませんでした。憲法原理は、「国民主権」に大転換したにもかかわらず、当時の政府や官僚は国体護持をはじめ旧来の大日本帝国憲法の考えを引きずりながら、その趣旨を新憲法にふさわしくない形で残してしまったということです。
そもそも、主権者である国民が代表機構(行政、議会)に命令することを書くべき憲法に「国民の義務」を規定するということ自体が誤っているといわざるを得ません。憲法は国民が守るというよりは、むしろ国民が国家(政府)に守らせるべき法なのです。
前述したとおり、(国民全てではない )保護者の「教育を受けさせる義務」は、憲法ではなく、教育基本法など下位の法律において定めるべきものです。それより、むしろ国にこそ、子どもの教育に責任があり、「教育を受けさせる義務」があるのです。
そして、「勤労の義務」については、「国民は、誰に対して勤労する義務があるのか」という問いに答えられない意味不明な文言であり、また、「納税の義務」は、国民主権となったにもかかわらず、「臣民の義務」としての「納税」の観念を引きずるなど、大日本帝国憲法下の国民の二大義務を、結局継承した形となっているのです。
どれをとっても、憲法改正時には不要な規定として改正されるべきものだといえます。』
**************************

■これだけでは要領をえないかもしれませんが、憲法上の三大義務規定の誤りを完膚なきまでに指摘した上で、政府信託論として同じく、自治体政府の自治基本条例の上でも侵してならない間違いとして「市民責務規定」を述べています。神原私案の「市民の義務・責務規定」はかなり抑制的な書き方のような気がしますが、いずれにせよ誤解を招く「市民の責務規定」をあえて主権者市民の代行機関である市長や議員の責務と同列にして書き込むというスタイルには納得がいかないというのがワタシの意見です。自治基本条例(議会基本条例)の研究の第一人者と云われる神原勝教授のモデル案に対して、恐れ多いカン違いだったら良いのですが・・・。とりあえずの感想でした。

■今週も8月26日の金曜日午後6時半~講座室(中央公民館)にて第10回自治基本条例研究会を開催いたします。どなた様も自由に参加可能です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月22日 (月)

自治体政府の標準装備

■8月19日(金)の第9回自治基本条例研究会は10名の出席で行われました。前半は、神原私案の第8章「公正と信頼の確保」に関する制度比較であり、その項目は「行政手続」「外部監査」「オンブズパーソン」「競争入札」「市長交際費」「政治倫理条例」「職員倫理条例」「職員の報告」といったもので、担当のAさんが丁寧に狛江市の条例規則を拾って比較表を作成してくれました。

■「行政手続」に関しては、公的な事務の処理に関する市民からの請求に対し、市がその事務処理の基準を示すことにより、市民の権利利益の保護を図る制度ですが、平成5年の行政手続法により自治体も条例化が求められたものでした。狛江市の「行政手続条例」(平成10年)も周辺各市の条例ともほとんど相違がないほど総務省(自治省)のモデル条例を写しただけの条例であり、神原私案の言う「市民参加による基準の設定」は狛江市条例の今後の見直しを待たなければならないということになります。

■「外部監査」の項ですが、外部監査制度とは「カラ出張、カラ帳簿など自治体の財務管理のずさんさが問題となったことをうけて、1996年(平成8年)地方自治法の改正で新たに設けられた、外部の監査人に委託して自治体の財務監査を行う制度。都道府県、政令指定都市および中核市には義務づけ、一般市町村は任意とされる」「抱括的な監査契約のほか事務監査請求、議会・長からの監査請求、住民監査請求などについても個別に外部監査契約を結ぶことができる。外部監査人には弁護士、公認会計士、税理士のほか国、自治体での財務に関する行政事務に精通したものが選任される」(辻山幸宣)

■というものであり、神原私案が政令指定都市である札幌市を対象としていることから、外部監査制導入は当然なのですが、一般市の狛江市でも可能な選択です。しかし、これまで検討されたというハナシを聞きません。特にAさんの用意してくれた資料にもある(所謂外郭団体の)「財政援助団体監査」などには有効だし、そもそも議員枠一人と民間人の二人だけで、しかも独立性の乏しい監査事務局(職員は身内の役所人事)では厳しい監査ができないのは自明です。だから平成18年自治法改正で監査委員の数も自由化されたことも含めて、監査委員制度を再検討すべきだという結論になりますよね。

■次が「オンブズパーソン」です。オンブズパーソン制度の歴史を含めてAさんから解説もありました。平成2年の川崎市で始まった自治体オンブズマン制度ですが、多摩市、国分寺市、三鷹市も早い時期から設置されています。狛江市でも検討されたのですが費用対効果の点で見合わせられた経過がありましたよね、とのハナシがでました。神原私案では「市は、法律に基づく市民の権利利益の救済等の諸制度を補完し、簡易迅速に市民の権利利益の保護を図るため、オンブズパーソンを置く」とあります。議論の中では、「狛江市市民福祉推進委員会」も設置当初は「福祉オンブズマン」機能を有するとの触れ込みでしたけど、地域福祉計画等の策定、進捗管理に重点が移され、現在そのような機能はどこかに消えてしまいましたね、などが話されました。ワタシ的には、地方分権で強化される権限の中で、公権力行使に対する最強の苦情処理機関としてのオンブズマン制度は必須アイテム(標準装備)されるべきだと思います。

■次に「競争入札」です。神原私案では「・・競争入札の実施要領を定める」以外に書き込みがなく、神原教授は入札改革にあまり関心がないのかと思われるほど不充分なものと云わざるをえません。私の方からは、「狛江市入札改革プロジェクト」(平成17年報告書)が問題を先送りした結果、今でも公共工事の一般競争入札(制限付き)は1億5千万以上の事業にしか実施されておらず、三鷹市2千万円、立川市130万円以上が競争入札とされているに比べて極めて遅れている。総務省・入札適正化方針や市民オンブズマンが指摘しているように「指名競争入札」こそ、談合の温床であり、その廃止こそ改革の核心なのです。だから電子入札導入でも落札率は相変わらずの高止まりなのです。狛江市は市内業者育成の名のもとに、入札改革について10年遅れと云わざるをえません。もう1つ、オマケですが、契約議決事件も自治法(政令)で1億5千万円以上(一般市)とされていることも議決事項拡大の(分権改革の)ターゲットにしなければなりませんよね。

■次は「市長交際費等」です、神原私案が「すべて公開」と云っていますが、矢野市長は就任以来ホームページですべて公表していることは評価できるのではないでしょうか。また市議会議員の政務調査費に関しても狛江市議会(年間30万円)の政務調査費も条例により「報告書提出」があり、市民の公開請求に応じられるようになっています。報告者Aさんが気がついたことですが、市長交際費(食糧費も)に関する条例規則が見当たりません。これって矢野市長の政治姿勢として実施されており、制度化はされていないのでしょうか?これは宿題となりました。

■次は「政治倫理条例」「職員倫理条例」です。市長の資産公開条例が義務付けられています。狛江市議会の「議員政治倫理条例」も制定済みです。しかし職員については「服務規程」以上のものはありません。次が「職員の報告」の項ですが、所謂「公益通報制度」です。狛江市にも「公益通報規則」(平成18年)がありますが、すべて身内の役所内(職員課が通報窓口)での制度化です。神原私案は第3者の「市長直属の行政適正化委員会」を窓口とし、調査する機関としている違いがありました。

■以上が要約ですが、自治体政府としての標準装備すべき制度の列挙でした。第9章「市民、市長、議員及び職員の責務」に関しても当日検討しましたが、続きは明日にでも書きます。次回8月26日(金)は最終章の「最高規範性と見直し手続き等」を終え、別件ですが「市民参加条例改正論議」をテーマとすることを確認しました。なおこの検討プロジェクトの成果としての「神原私案と狛江市制度の比較表」をこれも全員参加でつくります。したがって9月2日(金)と9月9日(金)にも日程を入れました。あらかじめ予定を入れておいて下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月14日 (日)

狛江市議会では陳情者(市民)の発言は認められない?

■土曜日には第8回研究会で印象に残ったことを書きなぐりました。今回は引き続き神原私案と比較しながら、狛江市議会を解剖してみてあらためて発見したこと、不明であり宿題としたことについてレポートしてみます。そもそも「神原私案」といっても不明な皆様にはいま一つご理解いただけないかもしれませんのでその一部を抜粋してご紹介しておきます。
**********************
神原私案 第7章 議会と議員活動の原則
(議会の情報公開)
―略―
(議会の市民参加)
第26条 市民を代表する議会は、その代表としての性格にかんがみ、次項から第4項まで規定する市民参加を推進し、市民との連携によって活動の成果をあげなければならない。
2 市民が提出する請願及び陳情等は市民による政策提案であり、議会はこれらを委員会において審議するに当たっては、提案者が意見を述べ、及び委員会の委員と提案者が当該事案に関して意見を交換する機会を設けなければならない。
3 ―略―
4 前2項に規定するもののほか、議会は、時宜に応じて、多様な方法で課題別及び地域別等の市民参加を推進して、日常的に市民の意向を議会の政策活動に反映させなければならない。
5 議会は、前3項に規定する市民参加並びに議会の審議に必要な時間を確保するため、十分な会期を設定するとともに、開会中においても委員会を瀕繁に開催しなければならない。
―略―
(議会の自由討議)
第27条 議会及び議員は、議会の本質が言論の府であることを認識し、議員間の自由な討議の推進を重んじなければならない。
2 前項の目的を達成するため、次の各号に掲げる事項の実現を図るものとする。
(1)議員が提出する条例案等の議案の増大に努め、議員間の討議を拡大すること。
(2)議長は、市長及び職員等に対する委員会への出席要請を最少限に抑制して、議員間の討議を拡大すること。
(3)委員会の会議において委員外議員の意見表明の機会を保障すること。
(4)議員の自由な意思を尊重し、会派等による個人の意思の表明に対する拘束を抑制すること
―略―
(議会と市長等との閑係)
―略―
(3)地方自治法第96条第2項に規定する議会の議決事件を拡大すること。
(4)議員は、会期中、開会中を問わず、市長等に対し、文書によって質問することができるとともに、市長等は、これに対し文書によって回答しなければならないこと。
(5)議会の本会議における議員による質問とこれに対する市長等の答弁は、一間一答方式で行うとともに、質問内容の事前通告は行わないこと
―略―
(9)議長から委員会への出席を要請された市長及び行政機関の職員等は、当該会議において議員等の質問に対し反間することができること。
(10)議員及び会派は、行政機関の職員等に対して質問等の代筆行為を依頼してはならず、また、職員はこれらの代筆行為にかかわってはならないこと。
―略―
**************************
■狛江市議会に関心がある方なら、下線部分を見ていただくと大きな違いにお気づきになるかと思います。(前にも言ったように、すでに議会基本条例などを制定済みの自治体ではこれらは折込済みなのですが)前回ブログでは「議会改革小委員会」による改革度への評価(公開性)が話題となったことの報告でしたが、次は「議会への市民参加」です。以前のブログで「市民参加協働審議会(改正分科会)」の飯田委員が「地方議会には参考人と公聴会以外の市民参加はない(自治法に『市民参加』の規定ない)」だから「議会を市民参加(条例)の対象に加えるという石田委員の改正提案は無理」という主旨の発言をされていたことにビックリしたことを書きましたが、確かに今日常識となっている行政への参加も含めて自治法上は市民参加の規定はない。「市民参加」も「情報公開」も「行政評価」もみんな自治体発の造語(制度化)だったのですよね。

■さて、首長(行政)にばかり市民が参加し、その求心力がますます強化されるのを指を加えて見ていた我が市議会も、かってのように「市民の代表は議員であり、市政への市民参加(条例)は我々の存在をないがしろにするもの」なんて、もはや威張っていられないことは自明ですよね。その議会への市民参加の代表的な制度である請願・陳情者市民への取り扱いを「政策提案」とするとは、「請願・陳情」なる明治以来の官治集権政治の用語を使いたくないけど自治法上無視できないのであえて「政策提案」との言い換えを行っているの(多摩市議会)であり、その主権者市民の提案(陳情)の説明は必ず聞くという当たり前の礼儀が意外にもこれまでできていなかったのですね。

■実際、場合によっては相当数出てくる陳情者の発言をすべて保障するとなると、狛江市議会委員会のように、午前中で終わるのを習慣としていたり、年7~8回しか開かないのでは間に合わない。(だから「通年議会」とすればよいのだが)ところで「以前は必要により(判断が難しい時など)陳情者発言を許可していましたよね」とのハナシもあったのですが、実はあれは「休憩中」に聞くというもので、したがって委員会記録(議事録)には載らない非公式の発言でしかなかったのですよね。

■「ソーナンだったんですか、それでは狛江市議会では陳情者の(正式な)発言の機会は制度上一切ありえないのねですね」と釘をさされて、議会関係例規集や「先例集」をチェックする余裕もなく、慌てて「宿題にしましょう」とその場を収めたのが進行役の清水でした。あらためて「会議規則」や「委員会条例」そして「先例集(平成11年版)」にあたってみたが、やはり結論は「ありえない」が正解でした。念のため、月曜日に議会事務局にその件や議会改革小委員会の公開性の可否やその後の先例集の更新版について確認しておきますね。(ちなみに陳情者を「参考人」として発言要請する裏技もあるがあくまで裏技である)

■(議会の市民参加)第26条の4項には「多様な方法で課題別及び地域別の市民参加」とあるのは栗山町議会で言う「一般会議」(意見交換会)と「(出前)議会報告会」ですよねとみんなで確認しましたが、5項の「十分な会期」とは象徴的には所謂「通年議会」のことですが、実際には白老町議会、福島町議会(平成20年)に始まり、三重県議会、名古屋市議会等様々なバリエーションがある。

■その次の話題ですが「自由討議」(議員間討議)っていうけど実際の手順、やり方のイメージがイマイチ掴めないですよねとのハナシには、「自由討議を委員長が宣言したら、執行部側を退席させるパターンですよね」等のやりとりやら、自由討議の前提には議会として基本計画を始め各種行政計画の議決義務など総合政策に責任を持ち「最良の意思決定を導く」(栗山町議会)調整能力を発揮せざるを得ない「権限の拡大」が前提ですよね、などのハナシになりました。

■だから、できるだけ会派拘束を解き、文書質問がいつでも出来て、(ちなみに閉会中は文書質問の権利が及ばないという考え方もありますが、通年議会ならそれもクリアできてしまいますよね)一般質問の事前通告制をやめるのですよねと進んだとき、現職議員の参加者から、まったく事前通告を行政にしないとなると立ち往生状態になるかもよとの現場感覚からのツッコミが入ったのですが、質問の代筆行為は絶対やめるべきですよねとこれにはガッテンでした。話題の反問権(逆質問)ですが、議員間の自由討議ができる能力があり、事前通告もせずガチンコ議会を望むなら、首長・職員側からの反問も大いに受けつけようと言うこれも当たり前のハナシであり、今までの地方議会が如何にセレモニー「八百長と学芸会(片山総務相)」だったかですよね。(了)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月13日 (土)

「議会改革小委員会ってあったのね」

■昨日(12日)の第8回自治基本条例研究会には12名の出席と助言者石井秀一氏(自治体総合政策研究所)という構成でした。神原私案「第7章 議会と議員活動の原則」と「狛江市制度の比較」ですから、狛江市議会の現職議員の皆さん全員にお誘いの葉書を出したのですが、2名の参加にとどまりました。なにも獲って喰おうというわけでもないのに相変わらず学習嫌いな方々ですよね。

■地方議会の制度をめぐる課題というか議論の幅は拡すぎて、とても2時間程度で収まるワケもないのですが、なんとか神原思想のエッセンスだけは確認できたかなという感じでした。それにしても、当日の配布資料もテンコ盛りだったのでそれらに目を通すのに忙しかったかもしれませんね。ちなみに報告者Iさんが用意した資料は、①各自治基本条例中の議会条項の比較表、②狛江市市民参加協働条例と議会の問題(逐条解説文)、③「狛江市基本計画(自治基本条例関連)」、④市民参加協働審議会「基本条例改正」答申、⑤「狛江市議会第4次議会改革報告書」であり、その他に補足資料としてIWさんから「狛江市議会会議規則他議会関係例規集」があり、清水が用意した「地方自治法改正の歴史(議会関係)」と「栗山町議会基本条例」、さらに助言者の「石井資料③」というものでした。

■そこでですが、私が「栗山町議会基本条例」(平成18年)を提出したのは神原私案(平成15年)を具体化し、発展させたのが栗山町議会条例だと考えたからであり、もっと辿れば「ニセコ町基本条例」(平成12年)から含めて、北海道の自治体学会系の学者・行政職員・市民の自治体改革運動の成果物としてそれらが存在すると理解するからです。事実、日本の地方議会史上、画期的な改革である栗山町議会基本条例をモデルに全国に波及しつつある「議会基本条例」制定運動のキャッチコピーはこの神原私案・議会条項の「公開・参加・自由討議」の三点セットなのです。

■そのように議会改革の標準をこれありきに設定することが良いことかどうかですが、狛江市議会「議会改革小委員会」8年間の迷走ぶり(私自身も前半参加していた)を考えたとき、結局どの会派・議員も改革プラン・改革モデルを提示し、それを突合せ調整することがなかったことにその原因があったとの反省を踏まえたとき、ナンとしても改革の枠組み設定が必要だと考えるからです。

■さて、例によって正確な研究会会議録ではなく、清水の振り返り補足論ですが、Iさんの報告で、意外にも「エーそんなのやってるんだあ」と多くの出席者にとって「発見」だったのが「議会改革小委員会」の報告書でしたね。それもそのはずで10年一日のごとく「テレビ中継・ネット配信ドーする?」ってな議論やってるだけで、ほとんど目に見える成果を挙げていないからでもあり、さらに「開かれた議会」を議論しているはずの「小委員会」が非公開の密室談議の場なのですから、市民が知るはずもないのです。

■そんなボロクソの「小委員会」だけど、平成22年末の第4次議会改革で唯一実行した改革がありました。それは「狛江市議会会議規則」に「全員協議会」「会派代表者会議」「各常任委員会協議会」を「協議又は調整を行う場」として正式(?)に設置を盛り込んだという改革でした。ソレッて新しくそういう会議の場ができたのではなくて今までも存在した会議ですよね。一体どこが「改革」なのよって云われそうですが、実は今までが便宜的な代物で、「全協」は本会議に諮らずあるいは本会議でモメそうな議題を事前に行政側が議会を懐柔するため使われていたり(事前審査)、「会派代表者会議」はこれも本会議以前に議会人事などを(選挙規定があるのに)密室談合で決めたりする会議として問題視されていたことから、これを公開の場に改めるという改革なのでした。

■フムフム、それは開かれた議会への一歩前進であり、狛江市議会もなかなかやるじゃないかと思われるむきもあるけど、実はこれって「地方自治法改正(平成20年改正)」の「外圧」の結果というハナシもあるのです。そんな背景があるからかどうかわからないけど、肝心な「会議規則改正」は4月施行なのに、未だもってホームページの「例規集」は更新されていないというオマケのハナシもありました。

■「公開なくして参加なし」は行政も議会も同じですよね。例外としての秘密会はあっても、議会を白日の下におく(米のサンシャイン法)という大前提から発想すべきであり、狛江市議会に未だ残る文化のように「傍聴者が居たら本音で話せない」などは論外ですよね。一刻も早く「議会改革小委員会」も公開の場とすべきですよね。

■さて、その「自治法平成20年改正」ですけど、第28次地方制度調査会の答申や全国各議長会の要望による地方議会改革のパーツのひとつですが、議会の透明性という観点と同時に「議員の身分・報酬」がセットの法改正だったのです。今まで非常勤公務員に準拠してきた報酬(身分)が「議員報酬」として格上げ?されたのです。「正式な仕事」つまり本会議・常任委員会出席は年間50~60日しかないけど、実は様々な協議・調整の会合も仕事として認めてよねっていうことでもあるのです。会議規則上、正式な会合となれば、公務災害補償の対象となるし、狛江市議会では支給していないけど、費用弁償(日当)の対象にもなるというワケです。

■事実、狛江市議会の議会改革小委員会での「改革論議」の実際は「公務災害の対象」という実利があり合意は早かったとか。そういうセコイ話はともかく、そもそも自治法改正のお墨付きがなければ動かないという感性が問題であり、現に栗山町議会条例は自治法にないけど、こんなことも合法的(条例制定権)に出来るんですねというカルチャーショック(私もその一人)を全国に与えたのでした。その象徴が「自由討議」と「反問権(逆質問)」や「一般会議」(市民と政策討議)や「各種行政計画の議決事項化」による「存在感のある」脇役でない力強い議会への改革ですよね。

■とは言え、自治法改正は栗山町を始めとした先進の議会改革を取り込んで普遍化したものでもあるわけでして、その意味で最低限の議会改革標準とも言えるのですから大いに参考になるワケですよね。ですから私の方で、議会関連の自治法改正の最近の歴史を要約した一覧表をオリジナルで提出したのでした。

■ざっくりですが「平成18年改正」「平成20年改正」「平成22年改正(23年5月公布)」「平成23年改正(未上程)」とあり、特に「22年改正」の「議決事件の範囲の拡大」と「基本構想策定義務付け廃止」は栗山町議会等でとっくに実施済みですが、「基本計画」や「都市マスタープラン」など各種行政計画を議決事項として、ドブ板・パフォーマンス質疑や、シングルイシューばかりの一般質問でなく、総合政策と向き合う責任ある議会審議とすること、さらに「23年改正案」の「通年議会など会期自由化」で議決事項拡大に対応し、守備範囲の広い、常勤職に限りなく近づける?仕事量倍増の議会を実現する改革は目の前に要請されていることになりますよね。

■暑いのでこれくらいにして、続きの「発見」のハナシは又。
次回自治基本研究会(8月集中月間)は第9回8月19日(金)、第10回8月26日(金)いずれも中央公民館で6時半~です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)